SCP-3127とは、シェアード・ワールド『SCP Foundation』に登場するオブジェクト(SCiP)である。
SCP-3127 | |
基本情報 | |
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OC | Euclid |
収容場所 | サイト-43 5m×5m×5mのチャンバー |
著者 | Tanhony |
作成日 | 2018年2月15日 |
タグ | 変容 生命 生物学 異常事件課 知性 精神影響 聴覚 自我 認識災害 |
リンク | SCP-3127 |
SCPテンプレート |
初版
SCP-3127はイリノイ州██████に住んでいた、ジェシカ・ランバート19歳、女性。肉体的には他の同年代の女性と変わったところは特にはない。精神状態も収容に伴うストレスを除けば通常である。
このSCP-3127が他者に接触すると、接触した人物もまたSCP-3127と同じ精神状態になる。このあとその人はその状態が20-30分継続し、他の感情を抱くことが不可能になってしまう。SCP-3127は超能力をもつと主張してFBI異常事件課(UIU)に連絡を取ったが、UIUはXファイルごっこしているだけの無能の島流し部署でしか無いため、デマとして片付けた。しかしその地域にすでにその連絡を傍受していた財団エージェントがいたため、彼女の主張が真実であることを突き止めた上で、SCP-3127を収容下に移送し、家族や友人にはカバーストーリーとして『交通事故による死亡』を適用した。
財団はクロステストでさまざまなアノマリーと彼女を引き合わせたが、あまり有用な効果は示さなかったようだ。まあ収容でナイーブになった感情を仮に我らがクソトカゲSCP-682に移したところで、ナイーブになったクソトカゲは「ナイーブなので職員の皆様を殺すね❤」というだけだろうしなあ。
……と、この時点では精神影響を持つだけの若い女の子どまりだったのだが、2016/12/10、SCP-3127は監督スタッフに体調不良を訴えたあと、事前に妊娠の兆候なんて示していなかったにも関わらず、産気付いて元気なメスの子豚を出産した。このとき、緊急手術中に合併症をおこし、SCP-3127は19歳の若さで亡くなってしまった。
SCP-3127 | |
基本情報 | |
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OC | Euclid |
収容場所 | サイト-43 5m×5m×5mのチャンバー |
著者 | Tanhony |
作成日 | 2018年2月15日 |
タグ | 変容 生命 生物学 異常事件課 知性 精神影響 聴覚 自我 認識災害 |
リンク | SCP-3127 |
SCPテンプレート |
改訂版 (2016/12/18)
SCP-3127は、知性を有し、故・ジェシカ・ランバートの声で発話可能なメスの子豚。しかし当人(当豚?)にはジェシカ・ランバートについての知識はないと主張する。SCP-3127は自身を、1827年からやってきたイギリスの貴族である『公爵夫人イザベラ三世』であると主張している。しかしそんな人物の記録は同時代の歴史上存在していないので、財団はSCP-3127の主張をSCP-3127による虚偽あるいは妄想であると片付けている。
SCP-3127と物理的に接触したあらゆる動物は即座に、故・ジェシカ・ランバートの声で発話可能なメスの子豚に変化する。この状態では、変化前の個人に関する記憶を失っており、50-60分間の間はその状態が続く。一度戻れば記憶も戻る。しかし初版のジェシカちゃんは20-30分だったうえ、精神影響でしかなかったのに、時間が倍近くになった上、肉体変容まで伴うのは恐ろしい。財団が収容していなかったらどうなっていたことやら。
……と、この時点ではメスの子豚に変えるだけのメスの子豚どまりだったのだが、2016/12/29、SCP-3127の定期的な医療分析で、脳に腫瘍のような成長部位が確認され、その後24時間でこの部位は急速に拡大。頭蓋骨から飛び出したためSCP-3127は亡くなってしまった。そして、この成長部位はあろうことか19歳時点のジェシカ・ランバートの肉体へ変形していった。更に1時間かけて生理学を人間のそれに完全に変化させた。
SCP-3127 | |
基本情報 | |
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OC | Euclid |
収容場所 | サイト-43 5m×5m×5mのチャンバー |
著者 | Tanhony |
作成日 | 2018年2月15日 |
タグ | 変容 生命 生物学 異常事件課 知性 精神影響 聴覚 自我 認識災害 |
リンク | SCP-3127 |
SCPテンプレート |
改訂版 (2017/01/02)
SCP-3127は、故・ジェシカ・ランバートと同一の外見をした人型実体である。生理学的には故・ジェシカ・ランバートと同じく人間であるのだが、SCP-3127は故・ジェシカ・ランバートについての知識はないと主張しており、1827年からやって来たイザベラ・スタンフォードという養豚家を自称している。財団も公爵夫人とことなり養豚家の歴史について調べようもないし興味もなかったのか、これについてそれ以上の言及はまったくない。
しかし、このSCP-3127は、見た目、及び生理学的な特性に反して、体の中は体型・大小様々な家畜ブタに類似する生物が多数収められている。このミニブタ実体群は実際には各種臓器の役目を果たさないことを財団は確認しているが、SCP-3127はこれについてなんら不快感も健康問題も示しておらず、何らかの副次的な異常性で自らを生かし続けていることが示唆される。SCP-3127は自らの身体についての異常性を知らされても、ほとんど懸念することもなく、「まあ前からこうだったしねえ」とか言い出す。SCP-3127は食事・水分・睡眠を必要としないようにも見受けられている。
これだけなら気持ち悪いミニブタ実体群を詰めた女の子で終わるが、このSCP-3127と物理的に接触すると、その人物の臓器は同じくミニブタ実体群に置き換えられてしまう。だが普通の人間がそんなもんに臓器を置き換えられて生きていけるはずもないので、触った瞬間に即座に死亡するし、内臓と入れ替わったミニブタ実体群もまた2-3分後に死亡する。
過去のSCP-3127反復(精神影響を持つ19歳のジェシカ・ランバート→肉体変容をもたらすメスの子豚→臓器を置換する人型実体)から、このSCP-3127が、同じように別の異常性を有するアノマリーを産み落としてから亡くなる可能性が想定された。そこで財団はこの反復に『モッカス・イベント』という名前をつけることにした。そしてこれはSCP-3127に対してのストレスを引き起こすことを避けるためにSCP-3127からは秘匿することが決定された。ちなみにモッカス(Moccus)とはケルト神話における豚または猪の狩人の神様の名前である。
案の定、やっぱりSCP-3127は2017/01/11に最初のSCP-3127と同じような体調不良を報告した。スタッフは早速モッカス・イベントに待機したところ、SCP-3127は自身の体内にいた全てのミニブタ実体群を口から嘔吐し、死亡した。そしてミニブタ実体群は互いに融合し、1頭の巨大なメスの豚に変化していった。
SCP-3127 | |
基本情報 | |
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OC | Euclid |
収容場所 | サイト-43 5m×5m×5mのチャンバー |
著者 | Tanhony |
作成日 | 2018年2月15日 |
タグ | 変容 生命 生物学 異常事件課 知性 精神影響 聴覚 自我 認識災害 |
リンク | SCP-3127 |
SCPテンプレート |
改訂版 (2017/01/14)
SCP-3127は、巨大な1頭のメスの豚である。このSCP-3127は、故・ジェシカ・ランバートの声で会話することが可能であるが、自身を『ジェシカ・ランバートの死体』であると強く信じ込んでおり、既に死んでいるのだからと埋葬することを強く要求するようになっている。
豚なのだが、体内は通常豚に存在する臓器群が見当たらず、代わりに大小様々なサイズの19歳当時のジェシカ・ランバートが、絶えず叫び声を上げ続けながら収められている。分析でこれらのミニジェシカ・ランバート実体群は実際に臓器の役目を果たせないことを財団は確認しているが、SCP-3127は不快感も健康問題も示していない。「そもそも私は死んでいるのだから体調に興味はない」と主張する。SCP-3127はまた、食事・水分・睡眠を必要としないようにも見受けられている。
SCP-3127のミニジェシカ・ランバート実体群の叫び声を聞いた人物は即座に、自身もまた故・ジェシカ・ランバートの死体であると思い込み、SCP-3127の行動を真似て埋葬を要求するようになる。SCP-3127の影響を逆転する既知の手段は確立されていない。流石に前SCP-3127とことなり臓器置換をしないようだが、そうはいっても実質これは死亡と同義であろう。
2017/01/29、SCP-3127の全てのミニジェシカ・ランバート実体群は体内から脱走を試み、その過程でSCP-3127の腹部を突き破って殺害。体外への脱出を生き残ったミニジェシカ・ランバート実体は1体のみだったが直後に心臓発作を起こしてしまう。他のミニジェシカ・ランバート実体群はすべて亡くなり、速やかに腐敗した。そして無傷のミニジェシカ・ランバート実体は3日かけて巨大化し、家畜ブタと故・ジェシカ・ランバートの交雑種を思わせる形状の生物に変化し、自発的に蘇生し収容チャンバー内を歩きまわり始めた。そう、これは新たなモッカス・イベントというわけである。ということで――。
SCP-3127 | |
基本情報 | |
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OC | Euclid |
収容場所 | サイト-43 5m×5m×5mのチャンバー |
著者 | Tanhony |
作成日 | 2018年2月15日 |
タグ | 変容 生命 生物学 異常事件課 知性 精神影響 聴覚 自我 認識災害 |
リンク | SCP-3127 |
SCPテンプレート |
改訂版 (2017/02/02)
SCP-3127は、家畜ブタと故・ジェシカ・ランバートの交雑種を思わせる人型実体。表現力豊かなハンドジェスチャーを示すことから、SCP-3127は知性体であると考えられているが、絶えず叫び声をあげているため発話は不能。もっとも発話可能だったとして、後述の異常性も相俟ってSCP-3127には常に口枷を嵌め、職員はノイズキャンセリングヘッドホンを着用しているため、もう会話なんて不可能だが。
SCP-3127の叫び声を聞いたあらゆる人間は、その声がくぐもっていようが不明瞭であろうが、即座に19歳の故・ジェシカ・ランバートと同じ姿の死体に変化する。SCP-3127自身は自らの発声を制御出来ないが、可能な限り不明瞭にしようと試みている。まあ上述の通りそうしようがそうしまいが結果は同じなのだが。なおこの死体は、人間の外見にも関わらず、遺伝的には家畜ブタと同一であることが分析で示されている。
彼女は自身がジェシカ・ランバートであることを信じており、本来の身体(いちばん最初のSCP-3127)が死亡してからは数々の悪夢にうなされていたという。ここにきてSCP-3127は次のモッカス・イベント発生について激しい苦悩を表明し、下記書面をはじめ、担当職員にモッカス・イベント事象発生阻止を強く要請している。
どうかこれを読んで書いてあることを実行してほしい、ただ“考慮します”と言うだけじゃなくて。これはあなたたちのせいだ。あなたたちはちょっとした変な物といくつか実験をすると言って何も起きなくて今の私はブタの化け物であなたたちはただ観察してクリップボードにそれを書き留めているだけじゃないか。くたばれ。
ごめんなさい。お願いします、どうかお願いです、何とかしてください。私はもう白分[原文ママ]が自分じゃないような気がするし、それが間違っているかどうかさえ分からない。時々私は自分がブタじゃないことを忘れる。
私を助けて
正直なところ、SCP-3127が主張する通り、最初のSCP-3127の時点で行ったクロステストがなんらかの異常をSCP-3127にもたらしたのだろう。結果、「何らかの精神影響をもたらす超能力少女」と「何らかの肉体変容をもたらすメスの豚 (自称イザベラ)」がSCP-3127概念として綯い交ぜになってしまったのだ。そしてそれはモッカス・イベントの発生ごとにジェシカ・ランバートとメスの豚の肉体的・精神的・そして異常能力の比率が絶えず入れ替わるというものなのだろうと思われる。
財団としても彼女の意志と関係なく、モッカス・イベントの発生のたびに悪化していく特性から、次のモッカス・イベントを起こさないための研究を計画していた。その一環として、研究基地33に彼女は移送されることになった。
SCP-3127 | |
基本情報 | |
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OC | Keter |
収容場所 | サイト-18から数km離れた 収容壕41の防音チャンバー |
著者 | Tanhony |
作成日 | 2018年2月15日 |
タグ | 変容 生命 生物学 異常事件課 知性 精神影響 聴覚 自我 認識災害 |
リンク | SCP-3127 |
SCPテンプレート |
改訂版 (最新)
SCP-3127は、かつて研究基地33の名称で知られていた施設であり、当初SCP-3127に指定されていた異常実体ジェシカ・ランバートが到着した2017/02/21に、大きさを維持したまま1頭の家畜ブタに変化した。……は?
この異常サイズとは裏腹に、遺伝子学的な検査ではSCP-3127と非異常性の家畜ブタとの間に差異は存在していない。SCP-3127は食事・水分・睡眠の必要性を示さず、物理的刺激で促されない限り移動もしない。
出現以来、SCP-3127は断続的に故・ジェシカ・ランバートの声で叫ぶ様子が確認されており、その叫び声を聞いたあらゆる生きた動物は即座に、家畜ブタと故・ジェシカ・ランバートの交雑種を思わせる生物に変化し、一般的な家畜ブタと同程度の知性を獲得して、それに基づいて行動する。これは前SCP-3127の特性に類似していることから、もしかしたらこの状態の声を聴くと故・ジェシカ・ランバートの死体になるのかもしれない。それを財団も恐れているのか、置換後の生物は焼却処分することになっている。
最初のSCP-3127、故・ジェシカ・ランバートが限定的に知識を有していたモールス信号に基づいた発声間のギャップから、SCP-3127の叫び声を言語に翻訳できているが、彼女の叫びは「わたしはとこにいるの (were am i)」「これをとめて (make it stop)」「ブウ (oink)」というメッセージだけを反復している様子。わざわざモールス信号でブウと鳴いているのだから、現在の精神は故・ジェシカ・ランバートではなく、メスの豚のほうが勝っているのだろう。故・ジェシカ・ランバートの尊厳はもうめちゃくちゃである。
SCP-3127
Nineteen Year Old Jessica Lambert And A Female Pig Of Abnormal Size, Forever
19歳のジェシカ・ランバートと異常な大きさの雌豚よ、永遠に
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