SDガンダム外伝 ナイトガンダム物語 大いなる遺産とは、1991年12月21日に発売されたスーパーファミコン用ソフトである。
概要
SDガンダム外伝、ジークジオン編における4編をベースに製作されたRPG。ファミコンでリリースされていたナイトガンダム物語2 光の騎士とはほぼ同時期のリリースとなっている。
ラクロアの騎士、伝説の巨人、アルガス騎士団、光の騎士の4つの章に分かれており、第3章の騎士アムロを除いてパーティメンバーのリーダーは騎士ガンダムである。
パーティメンバーは主にOVAでも仲間になったメンバーが中心。
騎士ガンダムファンからの人気が大変高いゲームだが、神ゲーというよりスーファミ時代思い出のクソゲー(褒め言葉として)クオリティといった作品である。
ツッコミどころ満載のゲームバランス、謎の仕様の数々、鬼畜過ぎる第3章など、今思えば声を荒げたく破綻要素が満載なのであるが、今でもファンの多いゲームである。
ツッコミどころ
- ナイトガンダムの優遇さが半端なく、会心の一撃が出ない限りまず沈まない。出ると意外とあっさり。
- ファミコン版で仲間にならなかった妖精ジムスナイパーカスタムが第2章後半に念願の仲間入りを果たすのに、性能が本作一の産廃、しかもレベル1での加入。
- 第2章のラスボスがあまりにも強すぎる。頼みの綱はナイトガンダムではなく緑のアイツアル。
- 第3章主人公アムロは、第1章終了時点のレベルでスタートする。にも関わらず敵は第3章に合わせた高レベル帯の敵キャラばかりなので、下手するとゲームオーバー地獄に陥る。
- 謎のアイテム、せいどうのはにわ。何の効果もないのに重要アイテム扱いで、捨てられない、アイテム預かり屋で預けられない、世界に5つ存在するはずが4つしか入手出来ないなどツッコミどころの塊。
- バグによって覚えない魔法が発生することがある。キャラがいずれ覚える魔法は*******表記されて秘匿されているのだが、一部のキャラは覚えるはずの魔法を覚えない。
- 何故かプレイヤー側に美味しい思いをさせるバグが多い。第3章におけるラクロアに戻れてしまうバグは鬼畜章の攻略に役立つ。
- 魔法「ソーラ(即死魔法)」「ビット(気絶魔法)」に頼るとぬるゲー化する。こういった魔法は強敵やボスには効かないのが普通だが、ビットはラスボスにすら通用してしまう。またソーラ系の最上位ギガソーラは消費MPこそ膨大だが、雑魚であれば100%命中するという驚異の性能を誇る。
- 雑魚敵なのにヒドラザクが強すぎる。サイコゴーレムやジークジオンも彼の前では霞んでしまう。だが即死魔法で沈む。
- ツッコミどころをあげるとキリがないが、むしろこういったアンバランスな内容が一周回って評価されている。しかし流石に世間一般的にはマイナーであるためか、バーチャルコンソールで配信される気配はない。
- カートリッジのバックアップ機能が脆弱なためかセーブデータが消えやすい。ファイルセレクト画面で「データがありません」の並びを見て絶望した人たちは数知れず。
仲間になるキャラクター
[]は簡易表示名
- ナイトガンダム[ガンダム]
文句なしの主人公。フルアーマー、バーサルナイト、スペリオルドラゴンと外見がパワーアップしていく。しかし変わるのは基本装備だけで、ステータスの変化自体があるわけではない。主人公だけに能力値が高く、序盤の適正レベルの雑魚相手ならまず死ぬことはない。第一章で三種の神器が手に入り防御力が一気に上がるため猶更である。その反面HPは上の下といったところで、クリティカルであっさり沈む。「かいわ」コマンドで彼が死んでいると仲間が嘆いて情報が得られなくなる。彼を死なせたままにしておくメリットはあんまりないので早めに生き返らせたほうがよい。主人公なのでセリフはほとんどない。魔法は可もなく不可もないので、基本物理攻撃要員。 - 僧侶ガンタンク[タンク]
一番最初に仲間になる。紙装甲、貧弱HP、非力な物理攻撃と、序盤はただのお荷物で、復活屋における金がかさむだけの存在。あまりにも鬱陶しいと復活させないまま旅させることもしばしばだが、レベルあげを怠ると第1章の後半で泣きを見るうえ、事故による全滅からの資金消滅も痛い。第2章では僧侶らしく回復面でえらくお世話になる。全体攻撃魔法を始め、高性能な攻撃魔法も習得するので雑魚一掃に貢献するが、ボス級相手だと流石に一級とは言えず、2章のラスボスであるサイコゴーレム相手だと生還自体が厳しいのが切ないところか。 - 戦士ガンキャノン[キャノン]
HPは高いが防御が紙。300とかHPがあっても平気で100単位のダメージを受ける、実質紙装甲のキャラ。第1章では貴重な火力源でもある。特殊技能「きあい」は、クリティカルを出しやすくする代わりに攻撃もよく外すようになるという諸刃の剣の技…のはずが、外すほうが多いので基本封印安定。第2章ではちゃんと顔グラが変わっている。ジムスナイパーカスタムの代わりに彼がいてくれればと思わなくもないが、恐らくサイコゴーレムの前ではお荷物にならざるを得ないだろう。第4章で一応再加入してくれるが、その頃には上位互換のΖΖもいるので運用する価値は完全になくなる。 - 騎士アムロ[アムロ]
ザ・産廃キャラ1号。騎士ガンダムの下位的なキャラであり、非力、防御は装備次第でそこそこ、魔法は微妙というなんとも言えない調整のキャラ。第3章の主人公がコイツでなければもっと簡単にクリアすることが出来たのだろうが、もしそうでなければこのゲームがここまで愛されることはなかっただろう。ある意味アイドル的な存在。なお、カードダスではちゃんとアルガス騎士長装備のカードも出るのだが、残念ながらゲーム中では歩行・顔グラは全面的に変わらない。ガンキャノンはちゃんと変貌グラフィックが用意されているのに…。 - 騎士セイラ[セイラ]
第一章最後で仲間になるがブラックドラゴン戦のみ。本分は第二章のおける中堅所メンバーという立ち位置にある。女性キャラでありながら、能力的にはアムロよりちょいマシ、といった具合のキャラ。相手をスライム化させるなどトリッキーな魔法を覚えつつ、攻防もそこそこ、強くはないがまったく使えなくもない存在。通称「女王様セット」を揃えることでとんでもない攻撃力を叩きだすようになるダークホースでもある。しかし基本的には最終決戦で使えないキャラなので、女王様セットの火力に期待して必死に育てても、ほとんど意味は無い。 - 武闘家ネモ[ネモ]
誰もが認める本ゲームの最強キャラ。基本性能を考えるなら後発のアルガス騎士団のほうが上。だが、ネモの真価はミスが出るまで威力を落とした通常攻撃を放ち続ける特殊技「れんぞく」にある。クリティカルが出ると、200代を平気で叩きだす。連続でクリが出ることもしばしばで、本ゲーム中最大の火力源。巨人を倒す勇者はガンダムではなくネモでアル。最終決戦に連れて行きたいくらい強いが、残念ながら、ネモはガンダムにはなれなかったよ…。ガンダムシリーズのゲームではもっとも輝いているネモかもしれない。 - 預言者サラサ[サラサ]
本ゲーム最弱キャラだが、あくまでスポット参戦の非戦闘要員。魔法は使えず、うらなうという特殊能力を扱う。このうらなうは「そのターン内に限り、発動以降の敵の攻撃を無効化する」という限定的な無敵効果を得られる。しかし、レベル1で仲間になる彼女に行動順が回る頃には味方はおろか敵もすべて行動済みであり(それ以上に行動出来ずにお亡くなりになってしまっている事が多い)、結果空振りとなる。しかもスポット参戦であるため一度抜けると二度とパーティメンバーには加えられず、彼女の占いが戦闘において真価を発揮する事は、まず無い。 - 妖精ジムスナイパーカスタム[ジム]
本ゲーム最大のネタ産廃キャラ。ファミコン版では仲間にならなかったため、ファンにとっては念願の加入となったのだが、第2章最終ダンジョンからの参戦なのにLv1で加入。しかもレベル上げしても攻防が貧弱。覚える魔法のほとんどが役立たず。装備が弓矢なので定期的に矢を買う必要ありなど、ぶっちぎりのいらない子。素早さは高めだが、それすらそこそこのレベルで、速さを実感出来るのは4章で物好きに育ててようやくくらい…。当初は入れる予定がなかったのに、急遽加入メンバーとなった、という裏事情があるとしか思えない、やけっぱちな調整のキャラである。 - 剣士ゼータ[ゼータ]
ガンダムとアムロとタンクとネモを足したり割ったりした感じ。僧侶のような補助魔法が使えて、通常攻撃の火力も出る標準性能キャラ。だが、ガンタンクとは違って攻撃魔法はない。わざが高いのでクリティカルが出やすく、素早いので先手を取りやすいのでサポート役としても優秀であるなど、そつなく良い能力を持っている。が、どちらかといえば回復はアレックス任せが無難。騎士団勢揃いで放つ「きょうりょく」は安定して良いダメージを出せる。 - 闘士ダブルゼータ[ZZ]
戦士ガンキャノンの上位キャラ。パワーがあり、HPはガンキャノン以上の破格級設定だが、防御はやっぱり紙。第3章のイベントでアムロがZZとの一騎打ちに勝利しておくと城攻略がちょっと楽になる。特殊技の「ひっさつ」は、ターンを消費して溜めを行い、溜めた次のターンの攻撃が雑魚なら一撃必殺、ボスなら固定高ダメージを叩きだす。溜めを繰り返す事で命中率が上がり、3ターン以上溜めればほぼ必中する。ただし1回攻撃をした後は通常攻撃に戻る為、再度溜め直す必要がある。 - 法術師ニュー[ニュー]
僧侶ガンタンクから攻撃的魔法を抜き出したようなガン攻め魔法使い。彼のソーラレイによって雑魚敵は一瞬で灰燼に帰す。ガンダム族なのでガンタンクに比べれば防御力もある。しかし装備出来る品はどれも貧弱なので、ガンダムだからといって流石に防御面で頼りになる存在ではない。ガンダム族なので、一応物理攻撃でも戦えないこともない。MP温存時には、物理攻撃も選択肢にあがるレベルではある。 - 騎士アレックス[アレックス]
騎士ガンダムの次点キャラ。魔法はゼータと似通っているが、通常攻撃の火力が安定しており、攻撃にもサポートにもスイッチしやすい。全体回復魔法ラビアムなど、強力な回復魔法が特に充実しているのが売り。最終決戦に連れてこられない僧侶ガンタンクの真の代用キャラといっても過言ではないが、こちらは普通に物理でも戦えて結構タフという点において、大きな強みを持つ。
各章について
本ゲームは4章構成となっており、それぞれ仲間になるキャラなどが異なる。2・3章以外は酒場でパーティメンバーを変えられるが、基本的に酒場は一体の仲間を集中的にレベルあげしたいという稀有な目的でもない限り使う機会はない。
第一章・ラクロアの騎士
メンバー:ナイトガンダム、僧侶ガンタンク、戦士ガンキャノン、騎士アムロ、騎士セイラ(スポット参戦)
基本的に難しい章ではないが、最序盤の進め方や敵の出現テーブルを意識していないとフィールドと復活屋を往復する羽目になる。ガンキャノン加入後はガンダムが死ななければあっさり進むが、前述のとおりここで騎士アムロのレベルをなんとかして上げておかないと第三章の攻略はいきなり詰むことになる。というよりあげていても辛いのだが。
本章にはルート分岐があり、定期便に乗っている間に海賊に襲撃される。ここで海賊を撃退できたかどうかで若干展開が変わる。海賊として登場するのは第三章で出現するハイザックで、この時期に挑むには厳しい相手。勝つと大量の経験値を貰った上無事に船は目的地に到着する。負けた場合は盗賊の村の地下牢に捕らわれてしまうが、先行していた騎士アムロが助けに来てくれる(海賊に勝った場合はこの牢にアムロが捕らわれている)。
レベルをちゃんと上げておかないと黒い三連星戦でやや苦労することになるのも注意。以降は炎の剣を始め三種の神器が揃い始めるため楽勝である。
ルウムの村から南のエリアは敵の出現テーブルの関係上第二章で出現する雑魚敵が出現する。そのためクリア前にここでアムロをある程度効率よく鍛えることは可能。といっても気休め程度にしかならない。第一章のラストで炎の剣はなくなってしまうため、ガンダムの攻撃力が他のキャラクターと頭一つ分くらいの差まで落ち込んでしまう。
第二章・伝説の巨人
メンバー:ナイトガンダム、騎士セイラ、武闘家ネモ、僧侶ガンタンク、妖精ジムスナイパーカスタム
戦士ガンキャノン、預言者サラサ
第一章のラストで伝説の巨人にラクロアが破壊されたため、城は半壊、城下町も主要施設以外は廃墟となっている。本章のセーブデータがある場合、ファイルセレクト画面でもラクロア城が半壊している。
この章では初めて5人パーティで旅をすることが出来るようになる。
だがガンキャノンは一時的な加入のみで、サラサはスポットキャラ。後半は妖精ジムスナイパーカスタムがようやく仲間になることで自由に5人旅が出来る。散々記したようにジムスナイパーカスタムはまるで頼りにならないというか全然使えないキャラなので、いてもいなくてもそんな変わらない。せいぜい敵の攻撃を受ける一回限りの盾になるくらいである。
ここでは武闘家ネモ以外決定的な戦力にはなれないので、必死に武闘家ネモをお膳立てしていくこととなる。ジムスナイパーカスタムは特にレベルをあげてやる必要はなく、一思いに殺しておいてあげるのが人情かもしれない。
内海を移動できる船を入手した後、とある村でセーブして再起動することでカードダスを実体化できる魔法「コール」を習得できるダンジョンに行くことができるようになる。 本作の目玉要素のはずなのだがゲーム本編上ではこの手順はノーヒント。逆に実体化したカードダスを消滅させる「リコール」を習得できるダンジョンもあるのだが攻略本にもまともな解法が載っておらず、当時自力で入手できたプレイヤーはほぼいないと思われる。それどころか攻略本に「クリアに必要な魔法ではないのでさっさとシナリオを進めてしまおう」とまで書かれる始末である。
そして、みんなのトラウマの一匹「ヒドラザク」が出てくる章である。アッザムベスが呼び寄せたのはとんでもない畜生でした。最終章の第四章のメンツでも苦戦するその破壊力に、何も知らないプレイヤー達に凄まじいトラウマを植え付けるのでした・・・。なおこの異常な攻撃力はバグによるものだと判明している。
本章のボスであるサイコゴーレムの登場シーンは本作でも最大の見どころの一つだが、その強さは本作プレイヤーからはトラウマとされ、シナリオで入手できる光の弓矢を使って弱体化させてもなおとんでもない強さを誇る。ジムスナイパーはもちろんタンクやセイラも一撃で沈む。この異常な攻撃力もヒドラザクと同じバグが原因である。
第三章・アルガス騎士団
メンバー:騎士アムロ、剣士ゼータ、闘士ダブルゼータ、法術師ニュー
このゲームの鬼門。火力がショボイ、防御は微妙、魔法もイマイチというへたれ主人公騎士アムロを駆り、とっても頼りになる3人の仲間を集めていく章。アムロのレベルは第一章終了時点のものとなるので、レベルが低すぎると普通に詰む。
最初の騎士アムロの一人旅は正しく困難極まった苦業であるが、ここを乗り越えればそれほど難しくはなく、スタッフも空気を読んだのかシナリオ自体も他に比べると短め。ただしあんまりゲームオーバーになっているとデスペナルティでせっかくの資金が減っていくので、出来れば全滅回数を減らしたいものである。
闘士ダブルゼータとの城の決闘で勝っておくとさらに楽になるが、このダブルゼータに勝つのがまた大変なうえ一回しか挑戦できない(セーブ・ロードは有効)。そもそも正攻法でダブルゼータに勝てる程鍛えているのであればそこまで苦にはならない。
第四章・光の騎士
メンバー:ナイトガンダム、騎士アレックス、剣士ゼータ、闘士ダブルゼータ、法術師ニュー、サラサ以外のメンバー全員。
最終章。酒場にいけば自由にこれまでの仲間を加え旅することが出来るが、裏技を使わない限りガンダム5人で攻略しなくてはいけなくなる。
よっていくら楽だからといってネモを加え一人外したりしていると後半泣きを見る。といってもプレイヤーとして思い入れがあるのは前半の非ガンダム系のキャラのほうが多そうだが……。
この章でナイトガンダムはバーサルナイトガンダムとなっているが、姿だけで特に装備などはあまり変わらない。章開始後まもなくフラウ姫がさらわれ、王から救出依頼を受けることになる。姫救出後は黒幕であるジークジオンを倒すためにムーア界に乗り込む。最後はスペリオルドラゴンとなり、ジークジオンとの決戦に望むこととなる。ラストダンジョンであるティターンの塔はガンダム族しか入れない設定になっているため、前述の通りのメンバーで挑むことになる。
ラスボスは流石に最強クラスだがサイコゴーレムに比べればメンバーも揃っており、総合的に見ると実はこれまでほどではない。しかも気絶魔法「ビット」が効いてしまうので、行動を大きく抑制したり、下手をすればずっと俺のターンをすることもまったく不可能ではなく、無茶をしなければ十分勝てるレベルである。
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