Sex Pistols(セックス・ピストルズ)とは、英国のパンクロックバンドである。
概要
1976年に、ファッションデザイナーのマルコム・マクラーレンが、ニューヨークのパンクバンドに影響され、自分が経営する服屋「SEX」に来ていた客の不良少年スティーヴ・ジョーンズとポール・クック、SEXの店員だったグレン・マトロック、それにオーディションで選ばれたジョニー・ロットンを参加させて結成。
バンド名の由来はマルコム曰く「セクシーな殺し屋をイメージして付けた」らしい。
代表曲は英国批判の「アナーキー・イン・ザ・UK」やイギリス王室批判の「ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン」など。
リリースしたオリジナルアルバムは「Never Mind the Bollocks, Here's the Sex Pistols(邦題は「勝手にしやがれ!!」)」の1枚しかないが、それまでに無かったシンプルな曲、王室や政府などあちこちにケンカを売るような歌詞、それに安全ピンで留められたボロボロの服や短い髪をツンツンに立てたファッションで登場した彼らは、鬱屈したイギリス社会に不満を持っていた若者の間で大人気となり「コードを3つ使えば誰でもバンドが出来る!」と、英国のボンクラ達が挙ってバンドを結成する事になる。
とにかく問題行動が多く、生放送のテレビ出演時に放送禁止用語を連発、シングル発売日にテムズ川でゲリラライブをして逮捕、ボーカルのジョニーが右翼に襲われる、英国諜報機関が要注意人物として彼らを監視対象にする、あまりの問題行動により契約したレコード会社から速攻で解約される等、スキャンダラスな話題で英国中を騒がせる事になる。
その後グレンが追放され、ジョニーの友人のシド・ヴィシャスが加入し人気は最高潮に達するが、アメリカツアー中にジョニーが脱退し、バンドはそのまま解散することになる。
解散後、シドは薬物の過剰摂取で死去、ジョニーも新しいバンド「PiL(パブリックイメージリミテッド)」を結成し、再結成は無いと思われたが、1996年に「金が欲しいから」という理由でオリジナルメンバーで再結成した。
その後も金の為か、本当は楽しいからなのかわからないが、何度か再結成を繰り返している。
2006年にはロックの殿堂入りを打診されたがそれを断っており、ロックの殿堂開催以来、唯一断ったバンドである。
メンバー
- ジョニー・ロットン(現:ジョン・ライドン)(Vo)
オーディションに受かって加入したボーカリストで、ピストルズの歌詞は主に彼が作詞している。
(オーディションの時にピンクフロイドのTシャツにペンで「I HATE PINK FLOYD」と落書きしたものを着ていて、それを見てティンときたマルコムがジョニーを採用した)
権威にとことん反抗し、人をナメたような態度や暴言の数々、U2のボノが「悪魔払いのエクソシストのようだった」と例えた怒鳴り散らすような唄い方、ツンツンに立てた髪の毛に安全ピンで留めたボロボロの服でステージに上がる姿で英国のボンクラ達の人気者になる。
口が悪く批判の的になりがちだが、実際は頭がよくユーモアのセンスもあり、数々の皮肉めいた発言は笑えたり、その実的を射ているものが多かったりする。
脱退時のライブで最後に言った「アハハ、騙された気分はどうだい?」はロック史上に残る名言とされている。
パンクファッションは彼のアイデアによるものが大きいが、表面上の真似をするだけのオリジナリティが無い奴らが大嫌いらしい。
デビュー当時は細かったが、現在はかなりボリュームアップしている。だがファッションセンスの良さは相変わらずだし、テレビや雑誌のインタビューでは相変わらず飄々と軽口叩いたりと、どこか憎めない可愛いオッサンになっている。
バンド解散後は自分のバンド「PiL(パブリックイメージリミテッド)」を結成し、シンプルなピストルズの音楽とは違い様々な実験的要素を取り入れた音楽性で評価されている。
その後バラエティ番組でノリノリで尻丸出しになったり、何故かバターのCMに出演したりしてファン達を心配させたが、実はPiLの活動資金を稼ぐ為にやっていたらしい。
- スティーヴ・ジョーンズ(Gt)
「SEX」という服屋の常連客だった不良少年。
元々友達のポールとバンドをやっていた所をマルコムが目をつけ、ピストルズが始まる事に。
根っからのDQN気質で、ギターやアンプを大御所バンドの家から盗んだりと無茶苦茶である。
くしゃくしゃの髪の毛とボロボロの服、生意気そうなあどけない顔のスマートな青年だったが、現在は全盛期の安岡力也みたいになってしまった。どうしてこうなった。 「勝手にしやがれ!!」のレコーディングではシドが使い物にならないため、ギターパートだけでなく「アナーキー・イン・ザ・UK」と「Bodies」以外のベースパートも担当している(前者はグレン、後者はシドが担当)。 主な使用ギターはギブソン・レスポール・カスタム。元は美しい白色だったが、塗装がタバコのヤニで黄ばんでクリーム色になっている。パンク少年に似つかわしくない高級品であることから、ミック・ロンソンから盗んだとかキース・リチャーズから盗んだとかポール・マッカートニーから盗んだとか言われていた。が、スティーヴ自身の証言によると、マルコムがかつてマネージャーをしていたニューヨーク・ドールズのギタリスト、シルヴェイン・シルヴェインのものを借りパクし、スティーヴに与えたというのが真実である模様。結局盗品じゃねえか そのほかサンバーストカラーのダブルカッタウェイ・レスポールjr.や黒のレスポールカスタムも使用。解散後の活動において青いレスポールスタンダード、再結成後の2000年代初頭にはバーニー(フェルナンデス)製のレスポールカスタムコピーなども使用していた。 使用アンプはフェンダー・ツインリバーブ、再結成後はマーシャルJCM800を使用。 - ポール・クック(Dr)
スティーヴの友達で、上の二人に比べると真面目な性格。
真面目かつ几帳面な性格で、そのドラムは凄いシンプルなプレイスタイルだけど、当の本人は楽しそうに演奏しているので良いと思われる。
他のメンバーが客と殴り合って血まみれになったりしてる中でも淡々とドラムを演奏してたりと、なかなか肝が据わった人でもある。 スティックが折れようが客席から物を投げ込まれようがリズム隊の片割れがグダグダになろうがほとんど狂わないリズムキープは見事。 ピストルズ時代は主にグレッチ製キットを使用。「ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン」のPVで叩いているのもこちら。再結成後はザ・フーのキース・ムーン御用達のイギリスのメーカー、プレミア社のシグニア・シリーズを使用。スネアのみYAMAHA製を採用している。 - グレン・マトロック(Ba)
「SEX」の元店員で、バンドの曲の殆どを作っていた影の功労者。
演奏も上手いし、昔のポップスを参考にしたキャッチーでシンプルな曲を作ったりと文句ナシの人だったが、ジョニーと仲が悪くなったり、上手い人より下手な人を入れた方がいい、というマルコムの無茶苦茶な理屈で解雇される(グレン自ら嫌気が差して抜けたという説も)。
マルコムはその後ベースの弾けないシドを参加させて満足するが、演奏と作曲が出来るグレンが抜け、メンバーも相当後悔したようで、そのままバンドは崩壊してしまう。そりゃ仕方ないわ。
その後はクビにされた事を根に持つ事なく後釜のシドのソロプロジェクトに参加したり、大御所ミュージシャンのバックバンドに参加したり、色んなバンドからオファーを受けたりと、ピストルズ以外でも音楽家として充実した日々を送っている。 使用ベースはフェンダー・プレシジョンベースとリッケンバッカー4001。再結成ライブではシドを意識したのか白いプレシジョンベースを使用。 - シド・ヴィシャス(Ba)
ジョニーの幼馴染で、シドという名前はジョニーの飼ってるハムスターの名前から付けたあだ名で、本名はジョン・サイモン・リッチー。
元はピストルズのファンで、グレンが居なくなった後にジョニーの推薦で加入するが、ベースをちゃんと弾くことはあまりなく、ステージ上では首からぶら下げたまま、客と喧嘩したり酒を飲んだりしてばかりだった。
(ただ、ピストルズ加入前は別のバンドでドラムを担当しており、加入当初は下手ながらも真面目にベースを弾いている。「Bodies」という人気のある曲を作曲していたりするので音楽的な才能もちゃんとあった)
解散後はソロ活動を開始するもヤク中でボロボロになってマトモに音楽が出来ず、恋人のナンシー殺害容疑で逮捕されたりと波乱万丈な人生を送り、最後は麻薬のやりすぎで死亡してしまう。
ライブ中に客と殴り合って血まみれになったりと無茶苦茶な行動を取るが、本来は大人しくて優しい性格だったそうで、ジョニーはインタビューなどで彼の事を語る時にいつもボロボロと泣いている。
ツンツンに立てた髪、半裸に革ジャン、革パン、南京錠のペンダント、その破壊的な生き方は、パンクといえばシド、という位現在のパンクのイメージを定着させた人物だが、その格好だけ真似だけする人はファッションパンクと批判されることが多い。 使用凶器ベースは白ボディに黒ピックガードのフェンダー・プレシジョンベース。選んだ理由はシドがファンであったラモーンズのベーシスト、ディー・ディー・ラモーンの影響だとか。
その他関連人物 - マルコム・マクラーレン
不良少年達を集めてピストルズを結成させ、後に彼らのマネージャーとなる。
メンバーからはペテン師扱いされたり、バンドを注目させる為に、とにかくセンセーショナルな話題作りに奔走したり、バンド内の対立を煽ったりと滅茶苦茶な戦法を取ったが、実際にそれは成功して注目され、今でいう炎上商法が上手いオッサン。
その後は自分も音楽活動をしたり、ドキュメンタリー等でピストルズについて語ったりしていたが、2010年に中皮腫により永眠。ジョンやウェストウッドから追悼コメントが出された。
- ヴィヴィアン・ウェストウッド
マルコムと一緒にブティック経営をしていた女性。
ジョニーのアイデアを元に、SMの要素を加えた反抗的な服をデザインし、ピストルズ人気と共にパンクファッションを世界中で流行らせた。
その後は伝統的な中にポップの要素を備えた路線に変更し、今では世界中にストアがある人気ブランドとなっているから大したものである。
関連動画
結成当時
再結成後
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関連項目
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