Sansar(サンサール)とは、Wookey Project社が開発しているソーシャルVRプラットフォームである。
概要
LindenLab社がソーシャルVRプラットフォームとして2014年6月にブログメディアNew World Notesが報じ※1、2015年5月5日にProject Sansarとして正式発表し※2開発を開始、2016年招待制としてクリエイターに公開。2017年7月にオープンクリエイターベーター版としてリリースした。2012年から開発してきたPatterns(パターンズ)はこのサービスの開発に資源を集中させるのために開発を終了させた。2018年、Steamでも配信することを発表された※3。
関連機器サービス等の時系列を紹介するが、ヘッドマウンドディスプレイのOculusRift(オキュラスリフト)のプロトタイプ公開が2012年、開発者向け公開が2013年、一般発売が2016年。LindenLabが運営しているSecondLife(セカンドライフ)がOculusRift対応を予告したのが2013年※4、諦めたのは2016年7月頃※5である。
VRサービスを謳ってはいるが、蓋を開けると約75%ほどのユーザーがデスクトップPCにて利用しており、CEOまでも「事実上デスクトップPC向けサービスであろう」と公言する状態である。利用が低迷しており、「SecondLifeの利益をSansar開発に投入するのはいかがなものか」との疑問もあるが、CEOは両方とも大切なサービスで公平に末永く運営したい旨を語っていたが※6、2020年2月21日のSecondLife公式チャンネルのライブ配信で、Sansarの処遇を見直し引き続きサービスが続けられるよう譲渡先を探している、運営元であるLindenResearch社はSecondLifeとそのユーザー資金決済サービス「Tilia」に運営の重点を置くとのアナウンスをした。※7※8
※2
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https://twitter.com/LindenLab/status/595630008669995010
※3 We've come a long way together. We can't wait for what's next.
※4 Linden Lab、3D仮想空間「Second Life」にてVRヘッドマウントディスプレイ対応を予告
※5 Linden Lab、3D仮想空間「Second Life」のVR対応を中止 新たなVR仮想空間「Project Sansar」の開発に集中
※6 インタビュー動画:SecondLifeとSansarの将来についてLindenResearch社CEOエッベ・アルトベルグ氏が語る New World Notes 2019年4月5日
※7 SecondLife運営元エピソード14「2020年ロードマップについて」 SecondLife公式チャンネル 2020年2月21日
※8 リンデンラボがSansarの譲渡をアナウンス... New World Notes 2020年2月21日
Nexusアップデート
2019年9月に行われた大規模アップデート。アトラス(地図)に代わりコデックス(記録簿)に代わり、過去に訪問したワールドに簡単に行くことができるようになった。またSocialHUBが廃止されポータルワールド「Nexus」が設けられ、イベントやワールド、公式クエストの案内も行っている。
技術
特筆すべき部分は多くの開発会社がUnityやUnrealといったすでにあるゲームエンジンを採用するが、Sansarは独自開発のゲームエンジンであるとされる。今のところ美しい静的景観を作りだすことはできるが、物理特性や制御の仕組みは未完成である※1※2。これからの改良を期待したい。
※1 セカンドライフのLinden LabがVRシミュレーションのベータ版を公開 2017年8月2日 TechCrunch日本版
システム要件
システム要件はその利用方法により違いがあるが、デスクトップユーザー推奨を目標とした環境を整えるよい。Sansar公式サイト(2018年11月現在)より抜粋すると
- 64ビット版Windows7SP1以降
- DirectX11以降
- Intel Core i5 4590/AMD FX 8350相当以上
- 8GB以上のメインメモリ
- NVIDIA GeForceGTX760+2GB以上のグラフィックボード
参考までにSecondLife公式サイト(2018年11月現在)でのSecondLifeの推奨環境は
- 64ビット版Windows7、Windows8.1、Windows10
- 2GHz以上の64ビットx86CPU
- 4GB以上のメインメモリ
- NVIDIA9000シリーズ、またはGeForceGTX200シリーズ
となっている。
代用貨幣
サービス内の決済で使える代用貨幣として「サンサールドル(S$)」が実装されている。日本人ユーザーはクレジットカードまたはデビッドカードで購入が可能。固定相場制で100S$は約1米ドル。
ショッピング
公式運営のサンサールストアでデジタルコンテンツの購入が可能である。
共通シミュレーター
Home
アカウント1つに1つのHome(ホーム)が用意されている。ログインするとこの場所からスタートする仕組みで、最低限の操作を学ぶことができ、更衣室にもなる。またSocialHUBへのテレポーターも用意されている。
SocialHUB
運営が用意したコミュニケーションスペース。顔文字を含めた文字チャット(日本語対応)とボイスチャットが使用でき、その場にいるユーザーと交流ができる。2019年9月のNexusアップデートで廃止。
2019年5月現在公式クエストをすることで代用貨幣「サンサールドル」が得られた。
Nexus
SocialHUBの代わりに設けられた公式ポータルワールド。
ゲーム実況
運営によりゲーム実況は推奨されている。運営では下記のサイトを紹介している。※1
※1 Streaming Sansar 2019年5月30日
関連動画
関連商品
関連コミュニティ
関連項目
関連リンク
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