Scarborough Fair(スカボロー・フェア)とは、イギリスの伝統的なバラッド、またはそれを基にしたポピュラー・ソングである。
概要
Scarborough Fairは16~17世紀頃に元々エルフィンナイト(妖精の騎士)と呼ばれた別のバラッドを元にして作られ吟遊詩人達によって歌い継がれていたもののひとつと推定されている。Scarboroughは英国ノース・ヨークシャー州に現存する海沿いの街であり、中世期は交易の拠点として栄えていた。毎年夏にFair(市)が開催され、歌詞にある様なパセリ、セージ、ローズマリー、タイムといったハーブも売買されていた。この様な背景でバラッドとして詠われたものが受け継がれているとされるが、具体的に誰がどう作ったかについては正確な記録は残されていない。そのような状況であるため、Scarborough Fairの「原曲」は確認が困難である。イギリスのサウンド・アーカイブで現存している紙に書かれた最古の資料は1670年頃のもので、最古の音源は、1947年に録音されたEwan Maccollという歌手によるバラッド形式による独唱である。1960年代にはフォーク歌手のMartin Carthyがギターによる弾き語りの形式を発表している。
歌詞の前半は「スカボローという街で開かれている市に行く人に対して、ある男がスカボローに住む女性への伝言を頼んでいる」という内容。そして後半は「スカボローに住む女性から頼まれた伝言を男に伝えている」という内容である。歌詞の内容から、この男女は昔は恋人同士だったと推測される。
サイモン&ガーファンクル版
1966年に2ndアルバムの冒頭曲として収録された「スカボロー・フェア~詠唱」は、ダスティン・ホフマン/キャサリン・ロス主演の映画「卒業」の挿入歌として起用された事により、1968年にはシングル・カットされてビルボード総合シングルチャート11位まで上昇した。尚サイモン&ガーファンクル版は、2小節目のメロディが「B-C-B-A」であり、Ewan MaccollやMartin Carthyによる「D-E-D-A」から変化している事や、反戦をテーマに取り入れた「Canticle(詠唱)」という曲を重ねたアレンジになっている事など、受け継がれていた曲に新たな解釈/アイディアが盛り込まれている。
関連動画
多数のバージョンが存在する。
サイモン&ガーファンクル版
アナザー版
上記サイモン&ガーファンクル版のメロディが世界的に有名であるが、それと異なる、いわゆるアナザー版のメロディも日本を中心に歌い継がれている。
歌ってみた
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関連項目
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