概要
古英語のþū、中英語のþouの流れを順当に受けた二人称単数主格代名詞。中英語に英語に導入された親称敬称の体系は近代英語まで続いていた。近代英語初頭ではthouが親称、現代英語における二人称単数主格代名詞youが敬称を担っていた。だが、17世紀初頭にはyouとthouの機能的対立が消滅しつつあり、そこでyouが二人称単数主格代名詞の無標となっていったことで、thouは標準代名詞体系の中から消滅した。さらに、thouと結びついてた動詞の二人称語尾"-est" もそれと同じうして消滅。現在では古風、古式、古典、宗教、方言において用いられるのみである。
なお、この単語には動詞としての意味もあり、動詞として使用した際には、「"thou"で話しかける」という意味になる。
発音
/ðaʊ/
曲用表
| 主格 | 所有格 | 目的格 | 所有代名詞 | 再帰代名詞 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 単数 | thou | thy, thine | thee | thine | thyself theeself |
| 複数 | ye | your | you | yours | yourselves |
対応する動詞の活用
thouは動詞の語尾に"-(e)st"を取る。但し、一部の動詞、助動詞に関しては特殊な活用を取る。
| 動詞 | 意味 | |
|---|---|---|
| be | thou art(thou'rt) | you are |
| was | (直説法)thou wast (接続法)thou wert |
you were you were |
| have | thou hast(thou'st) | you have |
| thou hadst(thou'dst) | you had | |
| will | thou wilt(thou'lt) | you will |
| would | thou wouldst(thou'dst) | you would |
| shall | thou shalt(thou'lt) | you shall |
| wit | thou wost | you wit |
関連項目
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