AFCチャンピオンズリーグエリートとは、毎年アジアで開催されるサッカーのクラブチームによる大陸別選手権大会である。略称は「ACLE」「ACLエリート」。UEFAチャンピオンズリーグと区別するために「アジアチャンピオンズリーグ」とも呼ばれる。
2023-2024シーズンまでは「AFCチャンピオンズリーグ(ACL)」という大会名だったが、AFCのクラブコンペティション改革に伴い、名称が変更された。
概要
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アジアサッカー連盟(AFC)に所属する各国リーの上位クラブが競う大会である。アジアサッカー連盟という枠組みで行われるため、2006年にアジアサッカー連盟に加盟したオーストラリアのチームも参加する。
1967年12月にアジアチャンピオンクラブズトーナメントとして第1回大会が開かれ以後1969年1月、1970年4月、1971年4月と4度開催された。1985-86年にアジアクラブ選手権として再開され、1年に1回アジアNo.1を決める大会として定着するようになる。
かつては各国リーグ戦(日本の場合はJリーグ)上位チームによるアジアクラブ選手権の他に各国カップ戦(日本の場合は天皇杯)優勝チームによるアジアカップウィナーズカップ、そしてこれら2つの大会の優勝チームが争うアジアスーパーカップが並存していたが、2002年に3つの大会がが統合されAFCアジアチャンピオンズリーグとなった。
AFCチャンピオンズリーグに大会名を改めてから日本勢は、2007年の浦和レッズと、2008年のガンバ大阪の2大会で優勝している。前身となる大会を含めると、日本勢初の優勝は1986-87シーズンの古河電工(現:ジェフユナイテッド市原・千葉)まで遡る。
かつての開催時期はJリーグと同じく年度ごとの春秋制となっていたが、2023-24年大会より秋春制に移行している。
2024-25シーズン以降
2023年8月14日に行われたAFC実行委員会において、2024-25シーズンよりACL及びAFCカップを以下の3階層に再編することを決定。トップカテゴリーとなる従来までのACLは「AFCチャンピオンズリーグエリート(AFCE)」と名称を変更。ランキング東西1-6位の12協会から24クラブが出場する新フォーマットとなる。
新たにできるリーグフェーズステージでは、各チームが毎試合異なる相手と8試合ずつを行う。そこから各グループの上位8チームずつ(合計16チーム)による決勝トーナメント(最終ステージ)が一発勝負としておこなわれる。
ちなみに、日本からはJ1リーグ優勝チーム、天皇杯優勝チーム、J1リーグ2位チームの3チームに出場権が与えられる。また、J1リーグ3位のチームは下のカテゴリーに当たるAFCチャンピオンズリーグ2(ACL2)に出場する。
なお、従来の外国人枠が撤廃され、新たにホームグロウン選手の登録が義務付けられている。
また、ランキング東西1-12位の24協会から32クラブが出場する「AFCチャンピオンズリーグ2」、ランキング東西11位以下の協会から20クラブが出場する「AFCチャレンジリーグ」の3つのコンペディションに再編することも決定している。
出場枠
AFCクラブコンペティションランキングの東西各地区1位から6位までの協会に出場枠が与えられる。
本大会出場枠は、東西各地区1位の協会に3枠、2位と3位の協会に2枠、4位から6位までの協会に1枠が与えられ、予選出場枠は、2位から4位までの協会に1枠が与えられる。
また、前シーズンのACLE優勝チームには本大会出場枠が、前シーズンのACL2優勝チームには予選出場枠が与えられる。
日本からは前シーズンのJ1リーグ上位2チームと天皇杯優勝チームの3チームが出場できる。
現在のレギュレーション
東西12チームずつが1つのリーグを形成するリーグステージ方式となり、リーグステージでは、各チームは異なるチームとホームとアウェーで4試合ずつ計8試合を行い各リーグ上位8チームずつがラウンド16に進出。
ラウンド16は、同地区の相手とホーム・アンド・アウェー方式で実施。準々決勝以降は、東西両地区を混合して集中開催でのトーナメント(準々決勝は、別の地区のチームと対戦)で行う。
大会結果
シーズン | 優勝 | 準優勝 | 最優秀選手 |
---|---|---|---|
アジアチャンピオンクラブズトーナメント | |||
1967 | ハポエル・テルアビブ | セランゴール | - |
1969 | マッカビ・テルアビブ | 陽地 | - |
1970 | タージ | ハポエル・テルアビブ | - |
1971 | マッカビ・テルアビブ | アル・ショルタ | - |
アジアクラブ選手権 | |||
1985-86 | 大宇ロイヤルズ | アル・アハリ | - |
1986 | 古河電工 | アル・ヒラル | - |
1987 | 読売クラブ | アル・ヒラル | - |
1988-89 | アル・サッド | アル・ラシード | - |
1989-90 | 遼寧東葯 | 日産自動車 | - |
1990-91 | エステグラル | 遼寧東葯 | - |
1991 | アル・ヒラル | エステグラル | - |
1992-93 | パース・テヘランFC | アル・シャバブ | - |
1993-94 | タイ・ファーマーズ・バンク | オマーン・クラブ | - |
1994-95 | タイ・ファーマーズ・バンク | アル・アラビ | - |
1995 | 一和天馬 | アル・ナスル | - |
1996-97 | 浦項スティーラース | 天安一和天馬 | - |
1997-98 | 浦項スティーラース | 大連万達 | - |
1998-99 | ジュビロ磐田 | エステグラル | - |
1999-00 | アル・ヒラル | ジュビロ磐田 | - |
2000-01 | 水原三星ブルーウィングス | ジュビロ磐田 | - |
2001-02 | 水原三星ブルーウィングス | 安養LGチータース | - |
AFCチャンピオンズリーグ | |||
2002-03 | アル・アイン | BECテロ・サーサナ | - |
2004 | アル・イテハド | 城南一和天馬 | - |
2005 | アル・イテハド | アル・アイン | - |
2006 | 全北現代モータース | アル・カラーマ | - |
2007 | 浦和レッズ | セババン | 永井雄一郎(浦和) |
2008 | ガンバ大阪 | アデレード・ユナイテッド | 遠藤保仁(G大阪) |
2009 | 浦項スティーラース | アル・イテハド | 盧炳俊(浦頂) |
2010 | 城南一和天馬 | ゾブ・アハン | |
2011 | アル・サッド | 全北現代モータース | 李東国(全北現代) |
2012 | 蔚山現代 | アル・アハリ | 李根鎬(蔚山現代) |
2013 | 広州恒大 | FCソウル | ムリキ(広州恒大) |
2014 | ウェスタン・シドニー | アル・ヒラル | アンテ・コヴィッチ(W・シドニー) |
2015 | 広州恒大 | アル・アハリ | リカルド・グラール(広州恒大) |
2016 | 全北現代モータース | アル・アイン | オマル・アブドゥッラフマーン(アル・アイン) |
2017 | 浦和レッズ | アル・ヒラル | 柏木陽介(浦和) |
2018 | 鹿島アントラーズ | ペルセポリス | 鈴木優磨(鹿島) |
2019 | アル・ヒラル | 浦和レッズ | バフェティンビ・ゴミス(アル・ヒラル) |
2020 | 蔚山現代 | ペルセポリス | 尹ビッカラム(蔚山現代) |
2021 | アル・ヒラル | 浦項スティーラース | サレム・アル・ドサリ(アル・ヒラル) |
2022 | 浦和レッズ | アル・ヒラル | 酒井宏樹(浦和) |
2023-24 | アル・アイン | 横浜F・マリノス | スフィアン・ラヒミ(アル・アイン) |
AFCチャンピオンズリーグエリート | |||
2024-25 |
記録
クラブ別優勝回数
順位 | チーム | 回数 | 優勝年度 |
---|---|---|---|
1位 | アル・ヒラル | 4 | 1992,2000,2019,2021 |
2位 | 浦頂スティーラーズ | 3 | 1997,1998,2009 |
浦和レッズ | 3 | 2007,2017,2022 | |
4位 | エステグラル | 2 | 1970,1991 |
城南FC | 2 | 1996,2010 | |
アル・アイン | 2 | 2003,2024 | |
アル・イテハド | 2 | 2004,2005 | |
全北現代モータース | 2 | 2006,2016 | |
マッカビ・テルアビブ | 2 | 1969,1971 | |
アル・サッド | 2 | 1989,2011 | |
タイ・ファーマーズバンク | 2 | 1994,1995 | |
水原三星ブルーウィンクス | 2 | 2001,2002 | |
蔚山現代 | 2 | 2012,2020 | |
広州恒大 | 2 | 2013,2015 |
国別優勝回数
順位 | 国名 | 優勝回数 | 準優勝回数 | 優勝チーム |
---|---|---|---|---|
1位 | 韓国 | 12 | 7 | 大宇ロイヤルズ 城南FC 浦項スティーラース 水原三星ブルーウィングス 全北現代モータース 蔚山現代 |
2位 | 日本 | 8 | 5 | 古河電工 読売クラブ ジュビロ磐田 浦和レッズ ガンバ大阪 鹿島アントラーズ |
3位 | サウジアラビア | 6 | 10 | アル・ヒラル アル・イテハド |
4位 | イラン | 3 | 6 | エステグラル パース・テヘランFC |
中国 | 3 | 2 | 遼寧東葯 広州恒大 |
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イスラエル | 3 | 1 | ハポエル・テルアビブ マッカビ・テルアビブ |
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UAE | 2 | 3 | アル・アイン | |
8位 | カタール | 2 | 1 | アル・サッド |
タイ | 2 | 1 | タイ・ファーマーズバンク | |
10位 | オーストラリア | 1 | 1 | ウェスタン・シドニー |
日本勢の成績
※は繰り上げ出場。
AFCチャンピオンズリーグ2
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上述した2024年に創設した大会であり、略称は「ACL2」。ヨーロッパでいえばUEFAヨーロッパリーグに位置する第2階層の大会であり、従来のAFCクラブコンペティションランキング上位の国が出場するAFCチャンピオンズリーグ (ACL) と、下位の国のクラブが出場するAFCカップが再編されたものである。
AFC加盟国を東地区と西地区に分け、東西16クラブずつ32クラブが参加し、4チームずつの8グループ(東西4グループずつ)がホーム・アンド・アウェー2回戦総当たりのラウンドロビンを戦い、上位2チームがラウンド16に進出、ホーム・アンド・アウェー2回戦制(決勝のみ1試合制)によるトーナメントを戦うという、従来のACLに準拠したレギュレーションでおこなわれる。
各国の出場枠についてはAFCクラブコンペティションランキングを参考として決定され、東西それぞれ上位10ヶ国から1クラブずつが本大会に出場し、ランキング7-12位の国から1クラブずつがプレーオフに出場し本大会出場枠2枠を争う形となり、これにACLEプレーオフで敗退した東西2クラブずつが本大会に加わる形となる。
日本からは前年のJ1リーグ3位のチームに出場権が与えられている。
大会結果
シーズン | 優勝 | 準優勝 | 最優秀選手 |
---|---|---|---|
2024-25 |
日本勢の成績
シーズン | J1リーグ3位 |
---|---|
2024-25 | サンフレッチェ広島: |
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関連項目
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