AFCチャンピオンズリーグとは、毎年アジアで開催されるサッカーのクラブチームによる大陸別選手権大会である。略称は「ACL」。UEFAチャンピオンズリーグと区別するために「アジアチャンピオンズリーグ」とも呼ばれる。
概要
アジアサッカー連盟(AFC)に所属する各国リーの上位クラブが競う大会である。アジアサッカー連盟という枠組みで行われるため、2006年にアジアサッカー連盟に加盟したオーストラリアのチームも参加する。
かつては各国リーグ戦(日本の場合はJリーグ)上位チームによる大会と、各国カップ戦(日本の場合は天皇杯)優勝チームによる大会が並存していたが、2002年にこれらが統合されAFCアジアチャンピオンズリーグとなった。
AFCチャンピオンズリーグに大会名を改めてから日本勢は、2007年の浦和レッズと、2008年のガンバ大阪の2大会で優勝している。前身となる大会を含めると、日本勢初の優勝は1986-87シーズンの古河電工(現:ジェフユナイテッド市原・千葉)まで遡る。
最近の大会
シーズン | 優勝 | 準優勝 | 得点王 |
最優秀選手 |
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2018 | 鹿島アントラーズ | ペルセポリス | バグダッド・ブーンジャー(アル・サッド) | 鈴木優磨(鹿島アントラーズ) |
2017 | 浦和レッズ | アル・ヒラル(KSA) | オマル・フリービーン(アル・ヒラル) | 柏木陽介(浦和レッズ) |
2016 | 全北現代 | アル・アイン(UAE) | アドリアーノ(FCソウル) | オマル・アブドゥルラフマン(アル・アイン) |
2015 | 広州恒大 | アル・アハリ(UAE) | リカルド・グラール(広州恒大) | リカルド・グラール |
2014 | ウェスタン・シドニー | アル・ヒラル(KSA) | アサモア・ギャン(アル・アイン) | アンテ・コヴィッチ(Wシドニー) |
2013 | 広州恒大 | FCソウル | ムリキ(広州恒大) | ムリキ |
2012 | 蔚山現代 | アル・アハリ(KSA) | リカルド・オリベイラ(アル・ジャジーラ) | イ・グノ(蔚山現代) |
2011 | アル・サッド(QAT) | 全北現代 | イ・ドングク(全北現代) | イ・ドングク |
2010 | 城南一和天馬 | ゾブ・アハン | ジョゼ・モタ(水原三星) | サーシャ・オグネノフスキ(城南一和天馬) |
2009 | 浦項スティーラース | アル・イテハド(KSA) | レアンドロ(ガンバ大阪) | ノ・ビョンジュン(浦項) |
2008 | ガンバ大阪 | アデレード・ユナイテッド | ナンタワット・タエンソパ(クルン・タイ・バンク) | 遠藤保仁(ガンバ大阪) |
2007 | 浦和レッズ | セパハン | モタ(城南一和天馬) | 永井雄一郎(浦和レッズ) |
2006 | 全北現代 | アル・カラーマ(SYR) | マグノ・アウベス(ガンバ大阪) | - |
日本勢の成績
Jリーグでは2009年以降、Jリーグの上位3チームと天皇杯優勝チームの4チームに参加資格が与えられる。なお天皇杯優勝チームがJリーグで3位以内に入った場合はJリーグ4位のチームが繰り上げ出場となる。
シーズン | Jリーグ優勝 | Jリーグ2位 | Jリーグ3位 | 天皇杯優勝 |
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2019 | 川崎フロンターレ | 鹿島アントラーズ | サンフレッチェ広島 | 浦和レッズ |
2018 | 川崎フロンターレ:GL4位敗退 | 鹿島アントラーズ:優勝 | セレッソ大阪:GL3位敗退 | 柏レイソル(繰り上げ出場):GL3位敗退 |
2017 | 鹿島アントラーズ:ベスト16 | 浦和レッズ:優勝 | 川崎フロンターレ:ベスト8 | ガンバ大阪(繰り上げ出場):GL4位敗退 |
2016 | サンフレッチェ広島:GL3位敗退 | ガンバ大阪:GL4位敗退 | 浦和レッズ:ベスト16 | FC東京(繰り上げ出場):ベスト16 |
2015 | ガンバ大阪:ベスト4 | 浦和レッズ:GL4位敗退 | 鹿島アントラーズ:GL4位敗退 | 柏レイソル(繰り上げ出場):ベスト8 |
2014 | サンフレッチェ広島:ベスト16 | 横浜F・マリノス:GL4位敗退 | 川崎フロンターレ:ベスト16 | セレッソ大阪:ベスト16 |
2013 | サンフレッチェ広島:GL4位敗退 | ベガルタ仙台:GL4位敗退 | 浦和レッズ:GL3位敗退 | 柏レイソル:ベスト4 |
2012 | 柏レイソル:ベスト16 | 名古屋グランパス:ベスト16 | ガンバ大阪:GL4位敗退 | FC東京:ベスト16 |
2011 | 名古屋グランパス:ベスト16 | ガンバ大阪:ベスト16 | セレッソ大阪:ベスト8 | 鹿島アントラーズ:ベスト16 |
2010 | 鹿島アントラーズ:ベスト16 | 川崎フロンターレ:GL3位敗退 | ガンバ大阪:ベスト16 | サンフレッチェ広島(繰り上げ出場):GL3位敗退 |
2009 | 鹿島アントラーズ:ベスト16 | 川崎フロンターレ:ベスト8 | 名古屋グランパス:ベスト4 | ガンバ大阪:ベスト16 |
「アジアで勝てない日本」
日本勢の優勝は2008年が最後で、それ以降、決勝に行くことすら出来ていない。2009年の名古屋など、ベスト4まで行くのが限界で、年によってはベスト16で全滅してしまっていた。
このことに関し、Jリーグはアジアで勝てない、弱いと批判を受けることが多い。
その理由としては多くのことが叫ばれるが、代表的なものとして以下があるだろうか。
- ACLに対するモチベーションが低い…ACLはリーグ戦の合間に行われ、近いところでも韓国、遠くではオーストラリアまで遠征することを要求される。このことにより、ターンオーバーをするにしても選手の疲労の蓄積具合は非常に痛いものである。それだけでなく、中韓の反日思想や、東南アジア系の未熟さ故のラフプレーによる負傷のリスクが、良くも悪くもフェアプレー精神が強いJリーガーには大きなストレスとなる。それでいて、優勝賞金はたったの2億2000万(AFCから1億8000万、JFAから4000万)。2017年以降のJ1優勝賞金の5分の1である。
一応、2018年以降は4億5000万になるなどAFCも徐々に賞金を上げているが、GL出場で1勝でもしようものなら中小クラブの経営が一瞬で安定する…は大げさだが、クラブの規模によっては運命を変えてしまうほどの莫大な収入のあるUCLとは天地の差である。 - ACLで勝つための補強をする余裕がない…日本ではスポーツビジネスという考え方が認知されておらず、広告に対してリターンを求める思考があり(野球のような特別な税制優遇はない)、大金を出してくれるスポンサーが見つかりにくい環境となっている。また、日本人は全体的にスポーツに対する関心が低いため、浦和など一部クラブを除けば観客動員も恵まれているとは言えない。結果としてクラブ収入が増加することが少なく、ACL行きが決まっても客足が伸びるわけでもないため、ACLでも活躍できそうな選手だったり、バックアップ要員だったりを補強しにくい状況である。
- 諸外国クラブの圧倒的な資金力…上記のようにJリーグは予算的余裕がない。その一方、昨今のアジアのリーグでは、ビジネスで成功したビッグオーナーが私財をつぎ込んで大規模補強を敢行してくる。中国Cリーグの広州恒大がそのいい例で、年間予算だけでもJ1チームをいくつ運営できるか?というほど。欧州や南米フル代表の主力を確保できるだけの金があるわけで、そりゃあ破格の戦力が揃うというわけだ。その資金は当然設備投資にも使われるわけで、Jリーグより遥かに恵まれた環境で選手のトレーニングを行えるので、レベルアップも早いだろう。東南アジアのクラブでもその傾向がみられる。
これらに対してJFAは指を咥えて眺めているだけ、というわけではない。日程面で優遇したり、ACLでの賞金をJFAが追加で出したりしている。それでも中々ACLで勝つことが出来ないでいるのが現状だろう。
2017年以降はJリーグ機構がDAZNと結んだ10年2000億円超という巨額の放映権収入を背景にJ1優勝賞金が10億超えとなるなど大幅に増加、
さらに2019年からは外国人枠も3+1から5に拡大されて積極補強を見せるクラブが大きく増加している。
このDAZNマネーを当て込んだ強化が実ったのか、浦和レッズと鹿島アントラーズが2017、2018のACLを勝ち取っている。
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