An-225(ウクライナ語・ロシア語:Ан-225)とは、旧ソ連のアントノフ設計局(現:アントノフ)が設計・製造した世界最大の輸送機である。
概要
愛称は夢(dream)を意味する「ムリーヤ」(ウクライナ語:Мрія)。世界に1機(機体記号:UR-82060)しか存在しない。
ソ連版スペースシャトル「ブラン」を輸送するため、同じくアントノフが製造したAn-124(ルスラーン)の設計を発展させて設計・製造された。6基のジェットエンジンを搭載し、84mの全長・88mの横幅を誇り、300t以上の貨物を積載できるという正に化け物のような輸送機である。
ただ、ソ連崩壊による宇宙開発計画の衰退によって機体上部にブランを載せて飛行するという当初の目的が達成されたのは1回だけであり、その後はしばらくスクラップ同然として放置されていた。しかし、大型貨物輸送需要が見込めることから近代化改修を実施した上で民間貨物機として再就航した。企業や政府機関等からの依頼を受けて運航するチャーター便としての利用がメインで、欧州を中心に世界各地に飛び回っている。日本へは自衛隊ハイチPKO派遣(2010年)の重機輸送のほか、東日本大震災(2011年)の救援物資輸送で飛来したことがある。
2022年2月にロシアがウクライナに侵攻し、現地時間2月27日にウクライナ政府が「キエフ近郊の空港でロシア軍によって破壊された」と発表している。[1]
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機体
An-124の胴体を7メートル延長し、両側にエンジン1基を搭載した新設計の中央翼の外側にAn-124の主翼とエンジンを取り付けた。尾翼は機外搭載物の後流を避けるために新設計の双垂直尾翼式となっており、胴体後部の貨物扉は撤去、主脚は脚柱が左右2本ずつ追加されて計14本となっている。[2]
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関連項目
脚注
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