aprilia(アプリリア)とは、イタリアのノアーレに本社を持つオートバイ製造メーカーである。
概要
第二次世界大戦後の1945年に、アルベルト・ベッジョが自転車製造企業として創業した。1968年にアルベルトの息子のイヴァーノ・ベッジョが24歳の若さで会社を継いだ。
イヴァーノ・ベッジョの代になって小型オートバイを作り始め、1974年に本格的なモトクロッサーを製作。モトクロス世界選手権に参戦する際に日本人ライダー鈴木都良夫(とらお)を起用し、1977年にレプリカモデルを発売、成功を収め事業を拡大する。
1985年からMotoGPに参戦し、1990年代から250ccクラスや125ccクラスで好成績を収めるようになった。それと同時にスクーター等の実用的バイクも生産するようになり、レースで獲得した知名度を武器に販売を急拡大し、1990年代の末にはイタリア国内2位のオートバイメーカーになった。
2000年に多額の資金を投入してモト・グッツィやラベルダといったオートバイ製造企業を買収したが、この買収の効果は今ひとつ上がらなかった。さらにレース活動の資金膨張により財政難に陥り、2004年からはイタリア国内首位のオートバイ製造企業であるピアッジオ社の傘下に入った。2005年にはBMWとの事業提携が締結された。
MotoGPにおいて、ヴァレンティーノ・ロッシ、マックス・ビアッジ、原田哲也、坂田和人など数多くの有名ライダーが所属していたこともあり、日本国内でもドゥカティと並び知名度の高いブランドである。
会社のイメージカラーは、黒と赤である。アプリリアがレーシングチームを保有してレースを行うとき、黒と赤を基調としたカラーリングになる(画像)。
車種
※2010年10月現在発売されているモデルを記載しています。
- RSV4
V型4気筒エンジンを搭載する大型スーパースポーツモデル。廉価版の"R"と、豪華版の"Factory"の2モデルがある。
- マーナ850
CVT搭載のオートマチック大型ネイキッド。スズキ・アクロスやホンダ・NS-1のように本来タンクがある部分にはメットインが備わる。日本の免許制度では大型オートマチック限定免許では運転できない。日本専売モデルの、足つきの良いローダウン仕様や、ハーフカウルを装備した"GT ABS"も用意されている。
- シヴァー750
Vツイン750ccエンジンに、トラスフレーム・攻撃的な顔付きの異型ヘッドライト等を装備したネイキッドモデル。これも日本専売モデルのローダウン仕様や、ハーフカウル付きの"GT ABS"も用意されている。
- ドルソデューロ750
大型モタードバイク。エンジンはシヴァー750とほぼ同一仕様。電子制御スロットルを採用している。廉価版の"ABS"と、豪華版の"Factory"の2モデルがある。
- スカラベオ
フロントに16インチ、リアに14インチ(125は16インチ)という大径ホイールを搭載したビッグスクーター。400cc・250cc・125ccの3モデルがあり、250ccのみローダウン仕様も用意される。
- スポーツシティキューブ250
前後15インチのホイールを採用した中型スクーター。コンパクトで取り回しが良い。
- SR50ピュアジェット
殆どのメーカーが排ガス規制のため生産を打ち切っている2ストロークエンジンに、燃料噴射装置(インジェクション)を取り付けて規制をクリアした原付。346,000円。高級原付である。
本社所在地
イタリア北東部のヴェネト州ヴェネツィア県ノアーレに本社がある。ノアーレは人口1万6千人程度の小さな田舎町である。
社屋は2階建てで背が低い。その中にショールームがあり、スペースの半分を使って歴代レーシングマシンをずらりと展示している。
社名の由来
創業者のアルベルト・ベッジョは、当初、自分の名字のBeggioを社名にしたが、響きの悪さに不満を覚えた。そこで、1937年から1949年にかけてランチアという自動車企業が生産したApriliaという名車の名前を借用し、社名にした。
ちなみに、ランチアのApriliaは、イタリアの首都ローマから近いこの場所にあるラツィオ州ラティーナ県アプリリアという町の名前が由来である。2011年時点の人口は7万1千人である。かなり新しい町で、1930年代になって世界恐慌に対抗するための公共事業として都市建設が始まり、森林を伐採して湿地帯を排水し、1936年4月25日に新規に設立された。町に命名したのは当時の最高権力者であるベニト・ムッソリーニだった。名前の由来は女神アプリリア(Venus Aprilia)で、豊穣の女神(Venere Feconda)をラテン語名に言い換えたものである。
※この項の資料・・・RACERS vol.15 88ページ、イタリア語版Wikipedia記事、イタリア語版Wikipedia記事、イタリア語版Wikipedia記事
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関連項目
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