「B小町」とは、『【推しの子】』に登場するアイドルグループである。
概要
原作:赤坂アカと作画:横槍メンゴによる漫画作品『【推しの子】』内に登場する、女性アイドルグループ。芸能プロダクション「苺プロ」に所属している。
作中には初代の「B小町」と、初代が解散してから十年ほど後に襲名デビューした「B小町」の2つが登場している。後者は前者と区別するために、作中で「新生『B小町』」と呼ばれることがある。
後者は「再集結」と言うわけではなく全く新たなメンバーによるもので、後者のメンバーに前者のメンバーは一人も含まれていない。
名称について
「B小町」というグループ名の由来は作中で語られていない。
「B」については、所属事務所が「苺プロ」なので、苺(ストロベリー、strawberry)のような小型で柔らかい果肉をもつ果実を指す言葉「ベリー」(berry)の頭文字を取ったものではないかと考察する作品ファンもいる。
「小町」は、美女であったとの説がある平安時代の歌人「小野小町」にちなんで美しい娘を指す美称であり、実在のアイドルグループの名称にも使われることがある言葉。
(初代)B小町
最初の「B小町」。
『【推しの子】』の作者2名のうち原作を担当している赤坂アカが執筆した公式の短編小説『45510』(本記事「関連リンク」節を参照)によれば結成メンバーは4名で、「弱小事務所(※明言されていないが、おそらく当時の苺プロ)の中学生モデルたちの寄せ集め」としてスタートしたという。その後、メンバーの増減はあったようでクビになったメンバーもいたようだ。
詳しいメンバー数の変遷は作中で描写がないが、全7名で活動しているシーンがある(第二話、アイが活動休止から復帰して初の仕事だった歌番組「Nステ」出演シーン)。
メンバー中、絶対的エースで不動のセンターは「アイ」。アイの苗字は「星野」だが、この苗字は公表していないためあくまで活動時の名前は「アイ」である。「結成から4年」の時期に16歳だったので、上記の「中学生モデルたち」という情報が「アイも中学生」だという意味だったとすれば結成当時のアイは誕生日を迎えていない中学1年生で12歳だったと思われる。
結成から4年経過してアイが16歳になるまでに、じわじわと人気を上げてきてメディアの露出も増え、武道館のステージに立つなど人気のアイドルグループとなっていった。アイの20歳の誕生日を控えたころ(つまり結成から7年ほど)には、東京ドームでのライブ開催を予定するところまで行った。「新生『B小町』」の時代には「伝説的グループ」などと呼ばれている。
だが、アイがストーカーに殺害されたことによってこの東京ドームライブは中止されている。アイというスターを失ったB小町は、その後も活動を続けたものの2年で解散した。
代表曲は『サインはB』『STAR☆T☆RAIN』など。もちろん他にも多数の曲があったようで、新生B小町のメンバーの台詞によれば「映像で残ってるフリ付きの曲が全部で30曲」とのこと。ヒット曲を連発したアーティスト/作曲家の「ヒムラ」が『STAR☆T☆RAIN』をはじめ多くの楽曲の作曲を手掛けていたとのことで、楽曲制作面についても恵まれていたようだ。
この『サインはB』『STAR☆T☆RAIN』は『【推しの子】』のアニメ版にて実際に楽曲化された。また、アニメ版では『HEART's♡KISS』という楽曲も制作されている。ただしアニメ版で使用されたのは『サインはB -アイ Solo Ver.-』『STAR☆T☆RAIN -アイ Solo Ver.-』『HEART's♡KISS -アイ Solo Ver.-』というタイトルのアイのソロバージョンであり、アーティストクレジットも「B小町 アイ(CV:高橋李依)」となっていて、「B小町」全体としてのバージョンではない。これらは「TVアニメ「【推しの子】」キャラクターソングCD Vol.1」に収録されている(本記事「関連商品」節を参照)。
アイ以外のメンバーについて
『【推しの子】』が星野アイやその関係者を中心に据えた物語であるため、同作の前半ではそれ以外のメンバーについてはあまり描かれておらず、台詞も非常にわずかなものしかないし名前もほとんど登場しない。しかし前述の『45510』では結成メンバーが仲間内で呼び合うときの呼称が「高峯、ニノ、アイ、渡辺」であったことが記されており、また『45510』はこのうちアイ以外のだれか1名(明言はされない)の視点から記されている。
第一話には、B小町のファンである少女「天童寺さりな」が「で…!この子がめいめい! ダンスが良いの!」「歌はありぴゃんときゅんぱんが良いんだけど」と話す台詞がある。
ちなみに第百三十二話では「たかみー」(上記の「高峯」であると思われる)と「ニノ」について問われた「星野ルビー」(天童寺さりなの生まれ変わり)が「初期メン組は正直あんまし… めいめいとかきゅんぱんならテンション爆上げだったんだけど…」と答えるシーンがあるので、少なくとも「めいめい」「きゅんぱん」は設立メンバーではないらしいことがわかる。
作中、第十話にて「B小町の仲はそこまで良くないし」と語られている。また第十一話にて「B小町の時もアイばっか人気だったもんだから贔屓って……」「あっ思い出したら胃が……」という台詞とともに、アイを(あるいはアイを贔屓する運営スタッフを?)ジト目で見ている他メンバー2名を描いた回想ゴマがある。また、第百三十二話では「ニノ」自身の告白として、アイに妬みや嫉妬を抱いており嫌いだったこと、アイに面と向かって「死んでくれ」と言ったことすらあることが語られている。
こういった不仲描写については『45510』にて詳しい事情が語られており、「B小町の人気の殆どは、アイによって支えられていた。 ライブの時もセンターはアイに固定で、他のメンバーも常にアイを引き立てるバックダンサーのような扱いを受け、運営も露骨にアイを贔屓していたし、アイを中心に全ての企画が動いていた。」と語り手によって回想されている。
そういった状況であるため、結成直後の時期以外はアイ以外のメンバーはアイに嫉妬するようになっており、表面上は仲良くしようとしていたが妬みは滲んでしまっていて、おそらくアイもそれに気づいていたという。前述の「クビになったメンバー」も、妬みが高じてかアイの化粧品を盗んだり他メンバーの前でアイのある事ない事を話したりしたのが苺プロの当時の社長(斉藤壱護か)にバレて即解雇されたもの。
『【推しの子】』のアニメ版第1期のオープニング主題歌『アイドル』の歌詞の一部は『45510』を原作としており、「特別なあの子」について僻みつつ自分たちを「おまけ」「引き立て役B」と自虐するフレーズなどはこの「アイ以外のB小町メンバー」の気持ちを表現したものと思われる。
テレビアニメ第1期の第1話を少し拡大して劇場先行上映した作品『【推しの子】Mother and Children』の第3週入場者プレゼントとして配布された赤坂アカ描き下ろし小説『視点B』では、とある初代B小町メンバーの視点からの回想が綴られる。B小町は結成から5年の時点で「5人が辞めて7人が入った」「割とメンバーの入れ替えが多いグループ」とのこと。
この『視点B』の語り手は「黄色がメンバーカラー」「特技はピアノだが、とびぬけて上手くはない」などの情報が語られるが、名前は明かされない。アイと特別仲が良かったわけではなかったが、ある夜に偶然出会ったアイと珍しく素直な会話をすることになる。後日、インタビューで「一番仲のいいメンバーは誰ですか」と問われたアイはこの語り手の名前を回答したらしい。
この語り手以外にも『視点B』内では「カナン」「芽衣」といった初代B小町メンバーと思われる名前も登場する。「カナン」は地方のアイドルグループに1年くらい所属した後にそのグループが解散してからB小町に入った、結成から通算で11人目のメンバーで、語り手と雑談する仲。「芽衣」は「こないだの曲、芽衣ちゃんが作詞してたでしょ」などと話題に上がった人物で、前述の「天童寺さりな」の台詞中の「めいめい」を思わせる名前だが、同一人物なのかどうかは不明。
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(新生)B小町
星野アイの娘である星野ルビーがアイドル志望であり、彼女の熱意に応えて苺プロの社長「斉藤ミヤコ」が結成したアイドルグループ。
メンバーは「ルビー」(苗字は表記されない)、「有馬かな」、「MEMちょ」の3名。
有馬かなは現役の実力派役者であってアイドル志望と言うわけではなかったが、「フリーランスで」「名前が売れてる割に仕事が無くて」「顔が可愛い」という理由からルビーの兄である「星野アクア」がスカウトを提案。有馬かな本人はあまり乗り気ではなかったが、アクアが目の前で跪いて「可愛い」と連呼して動揺させつつ頼み続ける、というゴリ押しによりほだされ、加入を了承した。
MEMちょは人気のユーチューバーにしてインフルエンサーだったが、恋愛リアリティーショーで一緒に仕事をしたアクアが彼女から「元々はアイドル志望だった」ということを聞き、新生「B小町」がメンバー募集中であることを彼女に伝えてスカウトした。
「B小町」と言う名前はアイドルグループを立ち上げると決めた時から決まっていたものではない。ルビーと有馬かながアイドル最初の仕事として苺プロ所属のユーチューバー「ぴえヨン」の動画に出演した際に、ぴえヨンからユニット名を聞かれて、ルビーがその場で決めたもの。要するに、事務所が同じとは言え、勝手に名乗った事後承諾だったと思われる。「アイが叶えるはずだった願いを引き継ぐ」というルビーの気持ちが込められているが、さらに「この名前であれば気づいてくれるはずの誰か」への思いを込めた名前でもある。
演じる楽曲としては『サインはB』『STAR☆T☆RAIN』などのかつての「B小町」の曲を使用。新生B小町としての新たな新曲の制作は劇中で描かれ、『STAR☆T☆RAIN』などを作曲した「ヒムラ」に依頼して作曲してもらった新曲第1弾『POP IN 2』は、楽曲自体の完成度とクリエイターの「アネモネ」が制作したMVのアート性により大きな注目を集めた。
アニメ版では、前述のアイのソロバージョン楽曲から再編曲した新アレンジ版である『STAR☆T☆RAIN -New Arrange Ver.-』『サインはB -New Arrange Ver.-』が第十一話「アイドル」にて用いられた。これらは「TVアニメ「【推しの子】」キャラクターソングCD Vol.2」に収録されている(本記事「関連商品」節を参照)。アニメ本編中では使用されなかったが『HEART’s♡KISS -New Arrange Ver.-』も制作されており、同CDに収録されている。
関連動画
- 【推しの子】STAR☆T☆RAIN/新生B小町【第十一話「アイドル」挿入歌】 - YouTube
アニメ版第1期の第11話「アイドル」にて、新生B小町がジャパンアイドルフェスのステージで『STAR☆T☆RAIN』を歌う場面の動画。アニメ版の公式アカウントが投稿しており、アニメ本編で入っていたキャラクターのモノローグなどを取り除いた特別版である。
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関連静画・イラスト
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関連商品
『STAR☆T☆RAIN -アイ Solo Ver.-』『サインはB -アイ Solo Ver.-』『HEART’s♡KISS -アイ Solo Ver.-』の3曲と、そのインストゥルメンタルバージョン、合計全6曲を収録。
『STAR☆T☆RAIN -New Arrange Ver.-』『サインはB -New Arrange Ver.-』『HEART’s♡KISS -New Arrange Ver.-』の3曲と、そのインストゥルメンタルバージョン、合計全6曲を収録。
『STAR☆T☆RAIN』『サインはB』『HEART’s♡KISS』の3曲それぞれの、「ルビー Solo Ver.」「有馬かな Solo Ver.」「MEMちょ Solo Ver.」、つまり合計全9曲を収録。
関連チャンネル
関連リンク
関連項目
- 【推しの子】
- サインはB
- STAR☆T☆RAIN
- 星野アイ ― 初代「B小町」メンバー
- 星野ルビー / 有馬かな / MEMちょ ― 新生「B小町」メンバー
- 斉藤壱護 ― 初代「B小町」の所属事務所社長
- 斉藤ミヤコ ― 新生「B小町」の所属事務所社長
- 天童寺さりな / 雨宮吾郎 ― 初代「B小町」のファン
- アイドル(YOASOBI)
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