Comic Sans(こみっくさんず)とは、1986年にMicrosoftからリリースされた欧文フォントである。
概要
正式なフォント名は「Comis sans MS」。当時Microsoftに勤務していたVincent Connare氏がデザイン。手描き風で一見するとキャッチーで可愛らしいフォント。名前にコミックとある通り漫画の吹き出しや、子供向けの教材などのカジュアルな用途での使用を想定しているとされる。
このフォントが誕生した経緯には、1995年にコンピューター初心者用にMicrosoftが開発した「Microsoft Bob」というインターフェイスがきっかけ。このBobでは「アシスタント」というユーザーを手助けする犬のキャラクターが存在し、このキャラクターに喋らせるフォントとして最初はTimes New Romanを採用しようとした。しかし「それじゃ堅すぎる」としてアメコミを参考に制作したそうな。最終的にBobへの採用は見送られたものの、1995年にリリースされた「Windows 95」の拡張用パッケージ「Microsoft Plus! for Windows 95」にバンドルされた。現在ではWindowsにデフォルトで搭載されている。
評価
本フォントリリース後は正式な文書、サイン、広告、看板など様々な用途で使用された。しかし安直に濫用されてしまったが故に、そのカジュアルすぎるデザインの用途に合わない利用が目立ち「ダサい」と度々批判されてしまうこととなった。その後も悪名は途絶えることはなく、
- Comic sans撲滅を掲げる「Ban Comic Sans」といったサイトができた
- カナダの新民主党は禁止法案に「Comic Sansと呼ばれるフォントを禁止する」を挙げた
- Instagramが2020年8月にストーリー機能で使えるフォントを追加したが、一部フォントが「Comic Sansに似ている」との理由で不評の声が相次いだ
- ポーランドボールのコミックを投稿するReddit板(r/polandball
)にて、セリフにComic Sansの使用をルールで禁止される
といった感じに、ガチで嫌われている。この散々な扱いから「最も嫌われている書体」という不名誉な称号を背負うことになってしまった。
勿論逆に擁護する声も存在し、支持者によって「Comic Sans Project
」というページが作られたりもした。また識字障害(ディスレクシア)からは「読みやすいフォント」と評価されている。文字ひとつひとつに特徴を持つComic Sansは、文字を見分けやすいんだそう。
関連リンク
- Comic Sans - Wikipedia
- Comic Sans: 世界で最も嫌われているフォントの歴史を知る
- 不評のため使用禁止運動まで起こったフォント「Comic Sans」を作ったデザイナー - GIGAZINE
関連項目
- フォント
- HG創英角ポップ体 - 一時期Microsoft Officeに搭載され、ポップ広告以外でも使用されたことから「ダサい」と言われたフォント。
- MS ゴシック - よく海外映画の翻訳で使用されるが故にアンチが多い。動画編集の字幕でもよく「MSはやめろ」と言われるほどの嫌われぶり。
- Doge - キャプションを加える際によくComic Sansが使用される。
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