dカードとは、NTTドコモが展開するクレジットカードである。
概要
NTTドコモが2006年5月26日からサービスを提供しているクレジットカードで、「iD」サービスの一つである。審査など一部の事業は旧カードは三井住友カード、新カードはUCカードに委託されている。
元々はDCMXというサービス名であり、「ドコモ(docomo)のクレジットサービスがこれから大きく羽ばたいていく(X=未知数・希少価値)」との期待を込めて付けられていたものである。2015年にドコモのカードという特色を強調すべく、「dカード」に名称を変更した。
タイプとしては、大別するとクレジット機能のないポイントカードと通常のクレジットカードがある。
クレジット機能なし
dポイントカード
dポイントがたまるだけのカード。特に審査とかは必要なく、普通にドコモショップやdカード加盟店(ローソンなど)で無料配布されている。ただし効率よく利用するにはdポイントクラブと紐付しないといけない。
dカード プリペイド
上記のdポイントカードにチャージ式のプリペイドカードの機能(iD及びMasterCardによる決済が可能)が追加されたもので、三井住友カードと提携している。2019年3月に三井住友カードとドコモとの提携は解消されたが、本カードの発行に関しては引き続き三井住友カードが担当している。
登場当初はApple Payに非対応であったが、現在は対応している。
dカード mini
いわゆるおさいふケータイでiD決済に対応。使った料金はドコモの携帯料金に上乗せされる。
クレジットカードなしに最大月1万円まで(利用状況に応じて3万円へ引き上げられることもある)の利用が可能。
クレジットカード
ドコモや三井住友カードのサイトには書かれていないが、カード発行の審査はかつては三井住友カードが担当している。こちらは三井住友カードが発行しているというより審査だけドコモからの外部委託となっていた模様。
2019年4月に三井住友カードとドコモの提携解消、さらに2020年3月にかつてdカードの姉妹カードであったNTTグループカードと提携していたUCカードとの提携を新たに締結したため、比較的新しい時期に新規発行したdカード発行の審査はUCカードが担当している[1]。
dカード(旧DCMXカード)
通常のクレジットカードでブランドはVisaかMasterCardを選べるほか、標準でiDが付帯している。
年に一度でも決済に利用すれば年会費が無料になるため、割と気軽に持てるクレジットカードとなっている。
基本的にはドコモユーザーのためにあるカードだが、ドコモにどっぷり浸かったユーザーの場合だとdカード Goldの方が有利な面も多いため、むしろドコモ回線を持たないユーザーがdポイントを貯めるケースの方が活用しやすい。
かつてはdポイントクラブのブロンズステージに優遇されていたが、2018年5月にdポイントクラブが改訂され、それと同時に廃止。ブロンズステージはあまり活用できる特典ではなかったものの、そもそも長期ユーザーの場合はそもそもランクが上のシルバーステージに優遇されていたというヲチがつくので、改悪といえば改悪とも言える。
なおAppleユーザー限定の話だが、Visaブランドは2021年5月まで対面加盟店でのiD以外の支払い方法が非対応だったため、かつてはApple Payを使うつもりならMasterCardで申し込む必要があった。
旧DCMXカード時代は不可能だったが、dカードになってからはドコモユーザー以外でも持つことが出来るようになった。dポイントを効率よく貯めたい場合は、通常のdポイントカードよりも優位のため、クレジットカードに抵抗のない人ならばデメリットはほとんどない。
かつては「d払い」利用時のd払いの200円=1ポイントの還元は他のクレジットカードであっても対象だったが、キャンペーンによる還元はdカードと紐付けた支払いでないと受けられないことが殆どであることから、ほぼ必須だった……のは過去の話。既に他社クレジットカードの支払設定では0.5%還元は受けられなくていたが、2025年8月25日の改定で他社クレジットカードで電話料金の支払い設定にしている場合、電話料金合算払いでも還元なしになるため、他社クレカ利用時にはd払い残高払いのみしか還元を受けられなくなる。他社カードでも設定できるだけマシという意見もあるにはある。
また2025年6月にでた電話料金の新プランが値上げされた影響で、dカードを電話料金支払いに設定した場合の割引額が187円から550円[2]とかなり増額されている。ahamo以外を契約するなら、電話料金支払いのクレジットカードにdカード系を設定しない場合は負担が増えているので、ドコモユーザーであるならdカードに対する潔癖症でもない限り、電話料金だけでもdカードで支払い設定をした方がいいだろう。
かつてはローソンにおいて無料でもてるクレジットカードとしてメリットが大きいカードだったものの、iD決済の3%割引が廃止されたことからドコモユーザー以外ではローソンで享受できる優位性が無くなった。逆にauユーザの場合はau Payを紐づけしたau Payカードで貯められるPontaの方が確実にお得である。それ以外のユーザーであればかつてはdカードが選択肢に上がったが、コンビニ利用でローソンが圧倒的に多い場合はローソンが独自発行しているローソンPontaプラスの方がローソンのみの決済においては優位性が高い。
それ以外のケースではdポイントとPontaにおける優位差は無くなっており、ローソンのみで使う場合はあまり気にならないことが多い。最もローソンではdポイントカードとPontaカードが双方無料配布されているので、どっちでもいいと考えてる節がある。
ただしコンビニでポイントを使い分けるのが面倒という場合、ファミリーマートでもdポイントが貯められることから、決済を集約させる意味ではdカードには高い優位性がある。ファミリーマートも単独利用では独自発行のファミペイカード(旧ファミマTカード)によるポイント還元が非常に強いものの、同決済はファミマ以外の決済の還元率ではローソンのPontaプラスPonta同様に貧弱なので汎用性は低い。
非ドコモユーザーが所持するには妙味が少ないカードではあるが、実はキャリア系(dカード、楽天カード、PayPayカード、au Payカード)のクレジットカードは、いずれも無料カードかつ複雑な条件なしに100円ごとに1%還元、さらにポイントも共通ポイントですぐ使えるといったように、全クレジットカードでなかなか見ない優良カード[3]なので、ここ数年で台頭したポイ活マニアやクレジットカードを複数持つのに抵抗が無い人なら4枚全部揃えている人もいるだろう。
dカード GOLD(旧DCMX GOLDカード)
dカードのゴールドカードにあたるクレジットカード。クレジット決済の還元率や基本機能はdカードと同様。
ドコモの一般/ヘビーユーザーやドコモ光、home 5Gの契約者向けのカード。dカード Goldでドコモの端末を一括払いで購入した場合のみだが、端末が修理不可能になるなどのケースに当てはまった場合だと、最大で10万までの端末交換費用を3年間に渡って保障してくれため、極端な話になるが端末によっては高額になるドコモの端末保障プログラムに加入しないという手段をとることもできる。他にも標準的なゴールドカードとしての機能は網羅している。
またahamoユーザでも優遇されるが、ahamoの月額が安いために通信費のみにおける年会費の回収が難しいことから、ahamoには全く持って向かない。パケット増量やら通信費10%還元などの優遇措置を大きく宣伝しているが、冷静に考えればそれ込みでも大半の人が通信費のみでは年会費は回収は到底不可能である。ahamoに限らないが、年会費をちゃんと回収するには別途dカード Goldで年間100万以上の決済をするか、ドコモを通して携帯回線だけでなく固定のインターネット回線を契約しないと単純計算は赤字になる。
ちなみに年会費を軽減する方法こそないが、年間100万以上使うことでdポイント10000に相当するギフトと無条件で交換可能のため、メインカードとして使うなら実質無料にすることも可能だが、この条件は一般人だとメインカードに据えない限り厳しい条件である。かつては年間200万以上の決済で20000ポイント相当のギフト特典がもらえたが、2024年を最後に廃止され評判を落とす一端となった。なお年間200万決済以上の優遇は新設されたプラチナカードに引き継がれている。
dカード同様にドコモユーザーでなくても申し込めるが、ドコモユーザーでないと単なるゴールドカードの一般的な機能しか持たず、年会費(税抜10,000円)を直接軽減する手段もないことから単なる割高なクレジットカードとなってしまう。また以前はdポイントクラブのゴールドステージに優遇されていたが、2018年5月にステージのシステムが改訂され、同時にdポイントクラブにおける優遇も廃止された。そのためドコモ回線を持たないユーザーにとっては所有によるメリットがさらに減少。そのため非ドコモユーザーなら基本無料のdカードにするのが無難。
かつてはドコモのヘビーユーザーだけでなく、一般ユーザー向けでもカードでもあったが、通信費の度重なる値下げやシェアパックの廃止などが重なったため、通信費のみである程度の年会費を回収する場合は最低でも携帯回線+固定回線の両方をドコモで契約することがほぼ必須となった。ドコモ光やhome 5Gの契約がなく、かつメインカードにも据えてない場合は年会費の回収が見込めないため、dカードにダウングレードすることも考えた方がよい。2024年のカード番号強制変更騒ぎやポイント還元ギフトの改悪でさらに評価を落とし、ドコモ回線切り捨てやゴールドカードのダウングレードどころかdカードすら解約したという話もちらほら聞くが。
dカード PLATINUM
dカードにおける最上位カードで、2024年11月25日から発行。基本的にはゴールドカードにおけるポイント還元ギフトの改悪などを補てんするカードで、ゴールドで消滅した200万のほか、300万と400万の単位でもギフトカードに交換できるのが最大の違い。地味にドコモで端末を購入した際の一括決済時における端末保障の上限が20万にまで増額されており、スマホ高騰のこのご時世においては準ハイエンドまでカバーできるので付帯サービスとしては破格である。他にもドコモのサービスにおけるポイント還元(投資信託[4]やポイ活プランなど)でちょくちょく優位になる。
ただしポイ活プランに関してはキャンペーンで下位カードでも還元率が全く同じなので、はっきり言ってポイ活プランのためにプラチナにグレードアップする旨味は全くない。受け付けが停止した旧プランであるeximoポイ活こそキャンペーンが終了したが、ahamoを含むそれ以外のポイ活プランでは継続中である。ソフトバンクやau[5]においてゴールドカードの普及率がドコモに及ばないことや、そもそもプラチナカードが存在しないなどの理由から、キャンペーン自体が事実上無期限であることは留意したい。
また、年会費も29700円と他社のプラチナカードと同水準と言えるほど高くなっている。事実上年会費の回収には最低でも年間300万以上の決済は必須。それ以下の場合はドコモユーザーであれば年間200万の決済を超えるようであればゴールドよりはお得になるので、その場合も検討に値する。
他社のプラチナカードでよくある「コンシェルジュ」サービスは提供されていない。
余談
姉妹カードに近いクレジットカードとしてNTTグループカードがあり、こちらにもゴールドカードがある。ただしドコモユーザーの場合はよほどヘビーなNTTユーザーで、かつ積極的にクレジット決済をしない限りは還元率が低く、基本的にはdカードの方が還元率ではお得となっている。
ちなみにNTTグループカードゴールドは年会費は5400円と安いが、標準的なゴールドカードの機能は網羅しており、中でも保険・保障制度が充実しているため、万が一のことが起きた時に便利なカードとなっている。年間100万円以上の利用で年会費が無料になるが、これは一般人ではメインカードに据えないと厳しい条件なので、ややオマケに近い。
またスタンダード・ゴールドの両カードともに何故か出光系のガソリンスタンドで値引き特典があるので、出光系のガソリンスタンドを使うならお得なカードとなっている。
こちらの審査はVisaブランドは三井住友カード、MasterCardブランドはUCカードが外部委託されているのだが、審査基準がdカードよりも緩めなので、dカードの審査が落ちるケースでも通ることがある。
が、2023年1月に夏でのサービス終了を告知し、移行先としてdカードを案内。同年夏に付帯サービスを含めてサービスを終了した。
関連サイト
関連項目
脚注
- *そのため内部的に三井住友カードとUCカードが混在している形になっていたが、2024年におけるdポイントおよびdカードの再編に伴いUCカード系への切り替えをdカードの特典などをある意味人質にする形でほぼ強制的に進めている。それだけならまだしも内部処理の関係でカード番号が変わってしまうため、三井住友系の旧カードを使っていた人にはきわめて悪評が立ってしまう羽目になった。
- *本来は550円はゴールドカード以上の割引特典で、dカード自体の割引は220円なのだが、キャンペーンとして550円に増額されており、廃止した場合の他社競争との悪影響も無視できないと思われることから事実上無期限である。
- *これ以上に還元率が高い無料カードはリクルートカード(1.2%)ぐらいだが、キャンペーンや優遇措置はほとんどなく、相互互換のポイントであるPontaにするにもひと手間掛かるのでシンプルに還元率が高いカードと言える。
- *投資信託(マネックス証券)はカード発行から日が浅いためか現時点では破格の倍率に設定されているが、三井住友カードの専用プラチナカードよりも優遇されているという非常識な優良さなことから、そう遠くないうちに使い物にならないレベルまで改悪される可能性がかなり高いので、少なくとも非ドコモユーザーの場合は投資信託の還元率を目当てでこのカードを取得しようと考えない方がいいだろう。
- *楽天カードには上位カードが3枚あり、最上位カードが事実上のプラチナカードなのだが、かつてはブラックカードの名を冠する通りブラックカード並に審査が厳しかったため、楽天の優良顧客でも取得難易度が極めて高いクレジットカードと言われていた。2024年7月に審査基準が公開され可視化されたことで取得はしやすくなったが、プラチナカードとして考えれば敷居の高さは健在である。
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