Dappiとは、Twitterの有名アカウントである。法人(東京都内のウェブ関連企業)が発信しているとされる。
概要
インターネット上の短文投稿・コミュニケーションサービス「Twitter」で活動しているアカウント。日本語で発信している。
2021年10月30日現在のTwitterユーザー名は「Dappi」、Twitterスクリーンネームは「@dappi2019」。TwitterユーザーID は「1142343524999782406
」。これは2019年6月に作成されたアカウントだが、以前のアカウントがこの頃にTwitterから凍結処置を下されてしまった後に作成された「転生」アカウントである。凍結される前のアカウントは「DAPPI」(@take_off_dress)
というもので、こちらのアカウントは2015年1月に作成されていた。
サングラスの画像をユーザーアイコンに使用しているが、これは上記の前アカウント「DAPPI」だった頃でも初期に、刑事ドラマ『西部警察』の登場人物でサングラスをかけた「大門圭介」(演:渡哲也)の画像を使用していた名残である[1]。ユーザー名の「DAPPI」(だっぴ)もこの登場人物の名字「だいもん」をあだ名っぽく捩ったものかもしれないが、明確な由来は不明。
いわゆる保守派/右派的なスタンスからの投稿をしており、また反対の立場の者に対して強く批判も行う。その材料として国会中継やテレビのニュース番組、あるいは『虎ノ門ニュース』などのインターネットニュース番組、さらには新聞記事などをウォッチしており、「自らが賛同する部分や、逆に批判する部分を引用して紹介投稿する」というスタイルによって多くのフォロワーを集めている。2021年10月30日時点でのフォロワー数は17.4万人。
国会議員やタレントなどの有名人のTwitterアカウントが「Dappi」のツイートをリツイートするなどして紹介することもあるほどで、匿名かつ明確な肩書きがないにもかかわらず、ネット上で大きな影響力を持ついわゆる「インフルエンサー」や「ネット論客」的な立ち位置にある。
運営法人について
2018年ごろの指摘
旧アカウントであった2018年中に、DAPPIアカウントからのツイート投稿のパターンについて
- 「平日の8~21時台」「日曜の朝9時台(その時間帯にウォッチ対象のニュース番組が放映されていた)」にきっかり集中して投稿している
- 上記の時間帯内においては、かなりの頻度・期間で投稿を続けている
- スマートフォンやタブレット用のTwitterアプリではなく、ずっとウェブブラウザ内クライアント「Twitter Web Client」を通じて投稿している
といった「個人ではかなり困難/不自然な投稿パターン」になっていることに気づいた人々により、「個人ではなく会社などの組織が、仕事としてシフトを組んで、「勤務時間」を定めて投稿しているのではないか」と指摘されたこともあった。
ただしこの時はこの「投稿の特徴」という状況証拠的な材料しかなかったため確定的ではなく、大手マスコミに取り上げられるようなことはなく、一部のネットメディアが記事にした程度だった。
- ネットメディア「Buzzap!」の記事
(元記事ページが削除済みの為、インターネットアーカイブ「Wayback Machine」に2021年9月7日付で保存された版へのリンク。元記事は2018年4月22日付)
2021年の発覚
発端は2020年10月25日にDappiアカウントから投稿されたとあるツイート(産経新聞の紙面の画像が入っているため、著作権の配慮からこの記事への直接の引用掲載は避ける)。
これは、作家・ジャーナリストの「門田隆将」が『産経新聞』に寄せたコラム「新聞に喝!」の紙面の画像とともに、その要約として「杉尾秀哉と小西洋之(どちらも2018年当時、民進党の参議院議員)が近畿財務局職員を1時間吊るし上げ、翌日にその職員が自殺した」といった趣旨の文章を投稿したツイートだった(※後述するが、杉尾秀哉/小西洋之の両議院はこれが嘘のツイートであると主張して後に訴訟している)。
このDappiアカウントによるツイートは、例えば弁護士/タレントの「北村晴男」が引用ツイートして紹介して数千の「リツイート」や1万の「いいね」を集めるなどして注目を集め、杉尾秀哉と小西洋之の両議員に対するバッシングの声が少なからず挙がった。
しかし翌年の2021年9月3日、小西洋之議員の公式Twitterアカウントにおいて、「『TwitterアカウントDappiのツイートが名誉毀損に該当する』と主張して、プロバイダに対して発信者情報開示を求めて訴訟していた。東京地方裁判所からの判決があり、開示が認められた。」といった内容の報告ツイートがなされた。
ツイートを読み込み中です
https://twitter.com/konishihiroyuki/status/1433650304386359296
さらに同年10月6日には、同じく小西議員公式Twitterアカウントから「東京地方裁判所の発信者情報開示を認める判決を受けて、プロバイダからTwitterアカウントDappiの発信者情報(法人名、所在地等)が開示されたので、発信者に対し損害賠償等を求める訴訟を東京地方裁判所に提起した。」といった内容の報告ツイートが投稿された。
ツイートを読み込み中です
https://twitter.com/konishihiroyuki/status/1445685875380133889
この訴訟の影響なのか、Dappiアカウントからの投稿は2021年10月1日をもって停止した状態となっている(2021年10月30日現在)。
さらに同月13日に小西議員が明らかにしたとして産経ニュースなどが報じたところによると、小西洋之/杉尾秀哉の両議員が「Dappiアカウントの嘘のツイートで名誉を傷つけられた」として東京都内のウェブ関連会社を訴えたとのことであった。
この事件によって「Dappi」アカウントの発信の責任者が「法人」であったことが初めて確度の高い情報として知れ渡り、様々なニュースサイトでこの「法人」について報道し始めた。
- 【安倍晋三】野党攻撃のツイッター匿名アカ「Dappi」は法人運営 独自取材で見えてきた自民党の“影とカネ”|日刊ゲンダイDIGITAL
(2021年10月12日付)
- 岸田首相はDappi疑惑を放置して衆院選を戦うのか|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
(2021年10月16日付)
- Dappi騒動、更に明らかになる自民党との怪しい関係 取引先企業に3年間で1億円以上の支払い | デイリー新潮
(『週刊新潮』2021年10月28日号掲載分)
- 小渕優子氏の資金管理団体も…自民党が「Dappi」運営会社に759万円支出していた | 文春オンライン
(『週刊文春』2021年10月28日号掲載分)
これらの報道の中には、この「法人」たるウェブ関連企業(一部のニュースサイトでは社名も掲載している)と自由民主党の間には金銭のやり取りがあったと報じているものもあり、具体的には
- その企業の情報を調べると、「主要販売先」として自由民主党の名前があった
- 「自由民主党東京都支部連合会」の政治資金収支報告書の2017~2019年分を調べると、「宣伝事業費」などの名目で毎年数十万円がこの企業に支出されている
等と言った内容を記している。
つまり「自由民主党のステルス政治工作、いわゆる「ステマ」(ステルスマーケティング)の政治工作目的の業務を請け負っていたアカウントなのではないか?」と疑う論調のサイトが複数あるようだ。
もちろん「取引先を応援するため、または私的な政治信条から、特に自民党からの依頼などはないままにその企業が自主的にアカウントを運営していた」と言う可能性は残るので、決めつけることはできないが。
関連リンク
- DAPPIのセイジコウサツ
(ブログ。Twitterで書き足りないことを記載する場とされていたが、2021年10月30日現在時点では、2020年9月16日の投稿を最後に更新が停止している)
- 一面新聞
(Dappiが運営している「一面のみの新聞」の形式をとった政治ニュース系サイト。2021年10月30日現在時点では、ちょうど小西議員が「Dappiの発信者情報で法人名が明らかになった」とツイートした当日である2021年9月3日を最後に更新が停止している)
関連項目
脚注
- 5
- 0pt
- ページ番号: 5638431
- リビジョン番号: 2969211
- 編集内容についての説明/コメント:
https://dic.nicovideo.jp/t/a/dappi