E235系とは、東日本旅客鉄道(JR東日本)が導入した、一般形電車である。
概要
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JR東日本は、2014年7月2日の社長定例会見
において本系列新造を発表。山手線用のE231系500番台の置き換え用に製造される予定。ちなみに山手線以外にも導入計画があるとされる。
2015年3月に量産先行車が落成、2015年11月30日より営業運転を開始した。なお、E235系は11両編成となったが、量産先行車は1両(10号車)は他形式(E231系500番台の10号車(4600番台))からの魔改造車となる[1]量産車については、2017年春~2020年春にかけて49編成を投入(一部編成は10号車も新造する)。
E231系500番台からの変更点として、中間車の優先席増設、車いす・ベビーカー用のフリースペース設置、前面・側面行先表示装置のフルカラー化、情報提供装置のデジタルサイネージ化などが挙げられる。
E231系500番台で順次導入が進んでいる山手線トレインネットはE235系にも導入された。
また、E233系を基に安全性・安定性を向上させている。戸締装置は荷物が挟まれても引き抜きやすいように改良されている(スクリュー式からラック式に変更)。列車情報管理装置はTIMSに代わって、列車内通信速度が約10倍となるINTEROSを採用。このほか、列車状態監視機能や地上設備状態監視機能も導入される。コンプレッサーは油を不要とするオイルフリーレシプロ式を採用する。
ユニット編成についても2両に1台の制御装置がある2両ユニット式から1両に1台の制御装置がある独立M車方式に変更されている。
デザインについては209系から始まったJR車シリーズから一変して、前面が緑と黒の2色となった。側面についても帯はなくなり、ドア部分に緑色が採用されている。これについては山手線のホームドア設置により、車両の帯が見づらくなったことに対する解決策だと思われる。
Q. 全密閉モーターなのにモーター音がE233系とあまり変わんないんだけど?
A. E235系の主電動機は電磁石が4極の誘導モーター、小田急4000形の主電動機は6極の誘導モーターである。音の違いは電磁石の極数によるものであり、全密閉モーターそのものとは無関係。
量産先行車の試運転及び臨時列車
2015年3月23日、本系列製造元の総合車両製作所新津事業所において第1編成(東京総合車両センター所属 トウ01編成)がロールアウトし、信越本線新津駅-羽生田駅間において公式試運転が(■
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)、同年3月26日に配給輸送が実施され(■
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)、同年3月30日山手線構内において本格的な試運転が開始された(■
)。
2015年10月13日、JR東日本より同年11月30日(大崎駅15:18発の外回り)より運行開始することが発表された。なおJR東日本は、中吊り広告をデジタルサイネージ導入で全廃する予定だったが、広告主がわがままで存続要望を受けたこと等を考慮し、掲示箇所を6ヶ所に減らした上で存続させることとなった(■
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)。
2015年11月29日、JR東日本では系列会社びゅートラベルサービス商品「E235系初乗り 鎌倉への旅・品川への旅」にて品川-鎌倉・横須賀間で初めて一般客を搭乗させ、団体臨時列車として運用された(■
)。
山手線営業運転開始とその後
2015年11月30日、営業運転を開始したが、初日にも関わらずハプニングが発生。目黒駅でのオーバーラン(1周目)や大崎駅でのホームドア点検、山手線トレインネットで混雑率や車内温度が正常に表示されないなど、トラブルがいくつも発生し、最終的に大塚駅で車両のトラブルが発生したため、同駅で運転を打ち切った。
その後、JR東日本は新たに開発した、列車制御装置の不具合でブレーキの利きが悪くなったと発表。修理などのために12月1日以降の営業運転を見合わせることとした。
2015年12月24日、報道各社を通じてトラブルの原因が発表された。原因は「INTEROS」という情報管理システムに非常ブレーキやデータの送受信に関係する部分に問題があり、その部分の修理を行った。
試運転は、同月27日から30日にかけて夜間に2周ほど、2016年1月6日から9日にかけて日中に3周ほど行い(■
)、その後も試運転が実施された。
最終的に同年3月1日より営業再開することが発表された…が、この情報はFNNによる誤報だと同日に判明し、
実際の営業運転再開については3月4日に「7日午後から営業運転を再開し、8日は営業運転せず、その後も限定的な運用を続ける」と発表された(■
)。実際に7日15時32分大崎駅発外回り列車として久しぶりに営業運転を再開。今度は大きなトラブルも無く[2]無事に運用を終えた。
再開後2日目となる10日には16時04分大崎駅始発の内回り列車として出発。前回と同じく重大な支障は無く、内外双方にて営業運転を全うした。
上記対応後、特に重大なインシデントが発生されなかったことを受け、JR東日本では2016年6月8日の月例社長定例会見
において、2017年度より本系列539両(11両、49編成)の順次追加投入を公式発表。E231系500番台は、中央・総武緩行線に転属され、転属に向けた改造工事(ホームドア対応の保安装置設置等)も順次施工される(E231系の編成は、既に転属されている)こととなった。
2017年5月22日より量産車の運転を開始し、20年1月末までに山手線仕様車両50編成すべてを置き換えた。
2022年の鉄道150周年の際にはNetflixコラボで1編成に黒いラッピングが行われた。
2018年9月4日の月例社長会見において
、老朽化したE217系等を置き換えるため、2020年度より横須賀線・総武快速線及びJR東日本千葉支社管内(外房線(千葉~上総一ノ宮間)、内房線(蘇我~君津間)、総武本線(千葉~成東間)、鹿島線)に745両(11両51編成、4両46編成)投入することが発表された。編成はE217系と同じく11両+4両(MT比は6M5T+2M2T)で、普通車はオールロングシートで、グリーン車には防犯カメラ・無線LAN・各座席コンセントなどが設置される。
営業運転開始は、2020年12月21日(月曜日)から行われた。
こちらはグラデーションが下側の青と紺の部分に来ており、運転室下の黒と紺の部分はグラデーションは無い。こちらはスカレンジと呼ばれる事もある。
E235系1000番代は起動加速度は1.85km/h/sとやや遅めである。これは山手線と違い駅間が長いためである。
コロナによる運用見直しが行われた結果、横須賀線向けE235系は当初の投入予定両数の基本51編成 付属46編成(計745両)から30両減産した基本49編成 付属44編成(計715両)となった。
本系列の増備、今後の予定
2023年のダイヤ改正で山手線が朝ラッシュ時を中心に減便、コロナ禍明け後もあまり増発されず、一部編成が余剰になっている。こちらについて中央・総武緩行線のワンマン化に伴いワンマン対応の改造後こちらへ転属する見込みになっている。
また産経新聞
では、JR東日本では中長距離路線である東海道線(東京~熱海間)、東北本線(宇都宮線)・高崎線にも順次投入の方針と報じていた・・・がコロナ等の影響もあり、上記路線には2025年現在まで導入されず、代わりに房総地区・鶴見線・仙石線等にE131系が導入される流れになった。
E235系でなくE131系になった理由として「地方線区でE235系ではオーバースペックだから」と言う可能性が考察される。
2025年より歴代山手線のラッピングが行われる事になり、前面に103系・205系のラッピングを施した編成が目撃されている。
2025年9月より三菱電機製造の次世代VVVFを試験的に搭載して運用を開始している。従来機器に比べ60%の体積低減、約50%の質量低減を実現したものだと言われている。
関連動画
横須賀線
関連項目
外部リンク
- 新型通勤電車(E235系)量産先行車新造について
- JR東日本プレスリリース(2014/07/02) - 山手線用車両の新造計画について
- JR東日本プレスリリース(2016/06/08)
脚注
- *つまり、4600番台はE233系ベースのE231系として製造され、後にE235系に転用される変わった経緯を辿ることとなった。なお、量産先行車の10号車はトウ520編成から抜いた10号車が流用され、残った10両は中央・総武線各駅停車に転属(ミツA520)となった。最終的に山手線にいたE231系500番台はすべて中央・総武線各駅停車に転用された。
- *1周目に池袋駅出発直後に防護無線を受信して緊急停車したが、山手線の運行には影響が無いことが判明し、すぐに運転再開している。
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