概要
|
651系・E653系といった交直流車両が使用されている常磐線特急用に新製された交直流特急車両で、常磐線の特急「ひたち」「ときわ」に投入されている。
特筆すべきは定期列車での運用開始前の2012年3月3日に臨時特急「復興いわきフラガール号」として先行デビューしたことである。このようなデビューの仕方は異例のことであり、JR東日本社内でも反対意見が出たというが、福島県復興の旗印にしたいとの思いで実現した。
定期列車としては、2012年3月17日のダイヤ改正時に「スーパーひたち」「フレッシュひたち」に70両が投入され約4割を置き換え、さらに2012年11月前半に160両が製造・投入され、651系の置き換えが完了。また、2013年3月16日の改正で全列車がE657系で運行されていたが、同車に指定座席のLEDランプ追加内装工事を行う関係で、半年後に651系が「フレッシュひたち」として復活するとは誰も予想しなかっただろう。
これに伴い「フレッシュひたち」で運用されていたE653系は、当初いわき駅~仙台駅間で新名称の特急運用に就く事になっていたが、東日本大震災等による常磐線全線復旧の目途が立たなくなったため、結局基本7両編成が「特急いなほ」、付属4両編成が2015年3月14日以降「特急しらゆき」として同新潟支社エリア路線に転属となった。
上野東京ライン開業による品川延伸で1編成、2019年7月5日の常磐線全線再開による仙台乗り入れ復活に伴い2編成が増備され19編成190両体制になった。
車体は、E259系ベースのアルミニウム合金のダブルスキン構造であり、前面デザインがつり目の宇宙人っぽい顔(あるいは歌舞伎顔とも称される)が印象的。ボディカラーは赤みがかった白と濃いピンクのラインで偕楽園の白梅と紅梅をイメージ。
鉄道車両メーカーは、デザインが近畿車輛が手がけて製造、他に日立製作所が651系では実現しなかった「日立製のスーパーひたち」を実現。さらにJR東日本の子会社となった総合車両製作所は、同車両製造が親会社の特急形電車第1号として記念式典をやったくらいだから、各社ともに結構な思い入れがあるのではないかと想像に難くない。
分割併合が可能な651系やE653系と異なり、同車は10両固定編成となった。グリーン車は横4列シートだが、巨大な多目的トイレや車販準備室と同じ車両のためほぼ半室しかなく定員は651系よりも6名少ない30名となった。
最高速度は、現行の651系・E653系と同じ130km/hだが、勝田での分割・併合がなくなり、所要時間も最大9分短縮された。
先頭車とグリーン車にフルアクティブサスペンションが搭載され、乗り心地が向上している他、全座席にコンセントが完備されたほか、WiMAXにも対応しており、2012年4月現在上野駅~勝田駅間で使用可能である。
E657系は、2013年10月から「指定席の発売状況を確認できるような各座席上方にLEDランプを取付るための改造工事」を2015年3月までに完了する予定で、この改造工事に伴う代替として651系が復活することになった。
E657系投入に伴い置き換えられた651系の処遇については、登場から20年以上経過しているものの、485系などの国鉄車両よりは新しいため、485系のように大規模リニューアルが施される可能性が高くなり、その後直流化されて「あかぎ・スワローあかぎ」「草津」に転用された。
2015年3月14日からは、上野東京ラインを経由して品川駅までの直通をはじめとして、愛称も速達型「ひたち」・停車型「ときわ」と変更されるほか(スーパー・フレッシュひたちの廃止)、”未指定座席券”をはじめとした新たな着席サービスを実施。このために、前述のLEDランプ取り付け工事が実施された(■)。
長らくの間は運用区間はいわき駅が北限であり、いわき駅〜仙台駅間はE653系が運用に就く予定であったため、同区間をE657系が走行する予定はなかった。しかし、常磐線全線再開にあたって「ひたち」を仙台駅まで延長することが決まり、2020年にはE657系はついに仙台駅まで乗り入れを達成。
なお、臨時列車としてはさらに東北本線に乗り入れる列車、それから2020年代に入り伊豆方面への乗り入れが設定されている。
2023年10月にかつてE653系フレッシュひたちの塗装をE657系でリバイバルを行い、鉄道ファンを沸かせた。
※ちなみに、E657系に関しては過去に三菱電機から情報が漏れて鉄道ファンを驚かせた事がある。
関連動画
関連コミュニティ
関連項目
- 1
- 0pt