exeゲームとはPCゲームの一ジャンルを指す俗称である。タイトルらしいタイトルがなく、実行ファイル名をそのままゲーム名とするものや、その形式を踏襲してタイトルの末尾に拡張子「.exe」を付加しているものなどをこのように呼ぶ。
普通のゲームとは一味違う内容のためゲーム実況動画界隈の一部で人気を集めつつあるが、基本的に内容が悪趣味なので苦手な人には注意が必要である。
主な特徴
主な定義は冒頭の通りだが、基本的には海外で制作されているものが多く、内容は主に人気なゲーム(例として『スーパーマリオブラザーズ』や『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』など)のクローンや、アニメ(海外で言うところの『マイリトルポニー』など)の二次創作で、かつホラーゲームであることが多い。
さらに言えば、プレイヤーに対して悪意に満ちた演出や動作を行うことも特徴。プレイヤーの否応なしにフルスクリーンで起動し、原作の雰囲気をブチ壊しにするような陰鬱な雰囲気を演出してスプラッタ表現をこれでもかと多用、そして唐突な叫び声とともに衝撃的な画像を表示するのが大体のお約束である。そればかりか、唐突にゲーム自体が終了したかと思えば実はバックグラウンドプロセスを密かに残すことがあり、そのまま大量のファイル(画像やテキスト)のコピーを生成したり、強制的にOSをシャットダウンさせたりとウイルス紛いの挙動をすることも少なくない。ものによっては突然CDドライブを開けさせるような古典的でお茶目な驚かせ方をすることもある。
ホラー作品としてはかなり安直で、上記のようなスプラッタ表現、ジャンプスケア(驚かせ)演出の多様もさることながら、「本来の主人公(あるいは健全な存在だったメインキャラクター)が殺戮者と化し、ほかの登場人物から憎悪・恐怖されている」という改変設定がやたらと多用される傾向にある。クローンゲームであることからバグが発生しているかのように演出して恐怖を煽ることも多い。
ただし、上記のような特徴を多く併せ持つexeゲームというのはあくまでも典型的なものに過ぎず、変化球としてフルスクリーンにならないものもあれば、オリジナルの作品もある。多くの人が同じようなゲームを作ることによるパターン化が大きく、そうしたものを好まないプレイヤーは自分の好みに合うものを玉石混合の中から探して遊ぶしかない。
ゲーム性
演出面はどのゲームでも似たり寄ったりな一方、ゲームとしての性質は作品によって様々なものがある。例として、ジャンルは主には2Dアクションが多いが、一人称視点の3DゲームもあればRPGもあるほか、ゲームの形ではなく、ただウィンドウを開く、ギミック・ビックリ要素を出すだけのものもある(その例として『Rosalina.exe』や『Ben.exe』などはゲームと呼べるかすら怪しい)。
また、操作性が悪いもの、ステージ難易度が高くてストレスの溜まるものもあり、exeゲームの初出とされる『Sonic.exe』の構成を真似るだけの粗製濫造も問題視される。原因としては、ホラー・ビックリ要素ばかりが重視され、ゲームとしての操作性やプレイ時間・難易度は重要でないという風潮のためと思われる。もしくはゲームを作る練習としての土台にされているのかもしれない(『Gumball.exe』や『BEN.exe』のパクリはさすがに酷いが…)
ニコ動などでの扱い
日本では広まった経緯からよく「呪われているゲーム」と言われることがあるが、呪いは存在しない。
しかし、ゲームによってはCDドライブが不調になったり、PC自体の処理が遅くなったりすることもあるので、あながち間違いでもない…?
また『Imscared』や『Luna Game』などもexeゲームと思われがちだが、実際はその定義に該当しない。前者に関しては、作中に登場するホワイトフェイスがexeゲームの動画に使用されてキャラ付けされるなどして一人歩きした結果である。また、後者は特徴がある程度似ているだけに過ぎず、厳密には異なる。なぜなら、タイトルに「.exe」が付いているか、あるいはタイトルと呼べるものが実行ファイル名しかないことがexeゲームの最低限の定義とされているためであり、そうでないゲームというのは上記のように別の経路で生まれたゲームに過ぎない。
歴史
初出はcreepypasta(海外の創作都市伝説)の一作『Sonic.exe』だが、これを基にしたゲームが公開されると、さらにそこからいくつか要素を受け継いだゲームが次々と公開された。そして、有名なYoutuber達が『Sonic.exe』や『Uhcakip.exe』等のプレイ動画を公開していったことがきっかけでよりジャンルが有名になっていった。
日本では動画投稿者のLattice氏が『Sonic.exe』のゆっくり実況を投稿した辺りからexeゲームというジャンルが認知され始め、ここに他の動画投稿者としてスターアイランドやShota@Nなどが続いていった。やがて、2017年の話題作アニメ『けものフレンズ』を題材とした『けものフレンズ.exe』の存在によってさらにexeゲームの知名度は広まった。
なお、exeゲームから派生して『Sunky.MPEG』や『Mahreoh.gif』などといったパロディ作品も多数登場している。何故作られ始めたのかは不明だが、発音を少し変えたようなタイトルであったり、カートゥーンの様なデザインに変更されていたりする。ゲームの流れは元の作品を踏襲してはいるが、グロ・暗い要素は殆ど無く、キャラクターが死んでしまう事もない(死ぬことがあってもギャグ風味になっている)。exeゲームはバッドエンドが多いが、こちらはハッピーエンドばかりである。不気味なゲームに辟易したのであれば、こちらのゲームをプレイして癒されてみるのも良いだろう。
主な作品
- Sonic.exe - 『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』を題材とした。
- Sally.exe - 同上。
- Uhcakip.exe - ゲームボーイの『ポケットモンスター』を題材とした。通称『ウュチカピ』。
- Mario.exe - 『スーパーマリオブラザーズ』を題材とした。
- Ben.exe - 『ゼルダの伝説』シリーズを題材としたようだが、ゲーム性はなく、動画を延々と流し続ける。
- I HATE YOU.exe - 『スーパーマリオワールド』を題材とした。『ジェフ・ザ・キラー』の画像も登場する。
- Yoshi.exe - 『スーパーマリオ ヨッシーアイランド』を題材とした。
- Google.exe - ゲーム作品ではなく検索エンジンのGoogleを題材とした。
- Remember.exe - 従来のものとは違いクローンゲームではないが、『Ben.exe』の関連作品らしい。
国産品
関連動画
関連商品
関連コミュニティ
関連項目
- 何かサイト等があればここに記載してください。
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