FC大阪とは、大阪府東大阪市をホームタウンとするJリーグ所属のサッカーチームである。
FC大阪は、大阪から3番目のJリーグ入りを目指し、地域と共に地域社会の成長と発展に向けた原動力となることをミッションに掲げるクラブです。
概要
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元々はセールス・プロモーションをメインとしている広告代理業の会社「アールダッシュ」の社員らが集まって結成された草サッカーチームであった。2023年にJリーグに加盟し、大阪府3つ目のJリーグクラブとなる。
クラブ名の「FC」は単にフットボールクラブという1つの意味ではなく、様々な領域(Field)、基礎・基板(Foundation)、人々のため(For people)の頭文字の「F」と、地域貢献(Community contribution)、協調(Cooperation)、信頼(Confidence)、創造(Creation)の頭文字の「C」を組み合わせたものである。
クラブマスコットは水の妖精をモチーフとした「えふしくん」と、人間の女性をモチーフにした「リーナ」、白虎をモチーフにした「ガーディアン・ティグレ」。
ブラジルの名門グレミオFBPAと提携するとともに、現地に育成部門の組織を編成。同時にポルトガルのCSマリティモなどとも業務提携を図るほか、FC大阪に在籍した経験のある日本人選手のマネジメント事業にも取り組んでいる。
歴史
設立から10年過ぎた後、大阪府リーグ1部で4度の優勝を果たして関西リーグ2部に昇格。以降、2部では参戦1年目で優勝し1部昇格、1部では参戦1年目で優勝・2年目で2位と、早くも関西リーグの強豪として名を馳せることになった。なお、自らを「プロチームである」との宣言は既に関西リーグ時代にしており、また関西リーグ在籍時の地域リーグ全体を見渡してもプロチームであったのはFC大阪だけであった。
その後、2014年に関西リーグ1部2年目で全国社会人サッカー選手権大会本選を制したことで全国地域サッカーリーグ決勝大会の出場権を獲得、決勝ラウンドまで進んで準優勝した結果JFL参戦を決めた。
2019年に株式会社FC大阪(後に株式会社F.C.大阪に改名)を設立し、チームの運営を移管。J3リーグ参入に向けてJFL参入して5年目の2019年11月26日に「Jリーグ百年構想クラブ」の申請書類を提出し、翌年承認された。同時に東大阪市をホームタウンにすること、東大阪市花園ラグビー場をホームスタジアムとして承認された(スタジアムの詳細は後述)。
2022年、J3リーグ参入の条件となる「総合順位4位以内」・「百年構想クラブの上位2番目以内」・「J3ライセンス保有」を満たし、残りは「1試合の平均観客動員2,000人以上」をクリアするだけという状況になった。11月20日に行われるホーム最終戦である対MIOびわこ滋賀戦で3,732人以上を動員すればこの条件をクリアとなるため、選手が無料招待券を街頭で配るなどのPR活動を行い、最終的に12,183人を動員し条件を全てクリア。2023年からのJ3リーグ参入を確定させた。リーグ戦は2位でフィニッシュ(1位は長年共に戦ってきた奈良クラブ)。
J3初参戦となった2023年は、J3昇格に導いた塚原真也がS級ライセンスを持たないため強化部ダイレクターに就任。前ヴァンラーレ八戸監督の志垣良が後任となる。堅い守備で粘り強いサッカーを見せ、第26節には2位に浮上するなど上位争いに顔を出す。だが、10月の審査結果によりJ2ライセンスが交付されず、昇格の可能性が消滅する。それでも残り2試合の段階まで数字上は2位入賞の可能性を残していたが、最後の4試合未勝利だったことにより最終順位は11位となる。
2024年は前鹿児島監督の大嶽直人が監督に就任。前年から24人が退団し、23人が新加入となった中で開幕3連勝と好スタートを切ると、堅守とハードワークを売りとしたサッカーで上位を維持し続け、前半戦を3位という予想以上の好成績で折り返す。ところが、7月・8月の7試合勝利から遠ざかり、一時は12位にまで順位を下げる。だが、9月に入ってから持ち直すと、J2ライセンスが付与された10月には3連勝。第37節ではPO圏を争う相模原との直接対決を制し、6位以内が確定。最終的に6位でPOに進出。得点はリーグ5番目に少なかったが、失点31はリーグ最少であった。
J2昇格プレーオフ準決勝では3位の富山と対戦するも1-1の引き分けに終わり、規定により敗退。J2昇格は果たせなかった。
主なタイトル
現在の所属選手
背番号 | Pos. | 国籍 | 選手名 | 生年月日 | 加入年 | 前所属 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
- | 監督 | 大嶽直人 | 1968.10.18 | 2024 | 鹿児島ユナイテッドFC 監督 | ||
1 | GK | 山本透衣 | 2001.5.13 | 2024 | 京都産業大学 | ||
3 | MF | 川上竜 | 1994.10.25 | 2025 | FC岐阜 | 【完】 | |
4 | DF | 山下諒時 | 2000.5.11 | 2025 | SC相模原 | 【完】 | |
5 | DF | 水口湧斗 | 2000.6.16 | 2024 | SC相模原 | 【完】 | |
6 | DF | 舘野俊佑 | 1993.5.19 | 2016 | 松江シティFC | ||
7 | MF | 木匠貴大 | 1993.4.7 | 2016 | 京都産業大学 | ||
8 | MF | 芳賀日陽 | 2000.7.30 | 2024 | いわきFC | 【完】 | |
9 | FW | 島田拓海 | 1996.8.25 | 2023 | ヴァンラーレ八戸 | ||
10 | FW | 久保吏久斗 | 1997.1.23 | 2021 | MIOびわこ滋賀 | ||
11 | MF | 利根瑠偉 | 1993.2.15 | 2023 | ヴェルスパ大分 | ||
13 | DF | 美馬和也 | 1997.12.1 | 2020 | 京都産業大学 | ||
14 | MF | 住田将 | 1999.8.19 | 2025 | 松本山雅FC | 【完】 | |
15 | DF | 黒﨑隼人 | 1996.9.5 | 2025 | 栃木SC | 【完】 | |
16 | DF | 橋本陸 | 2000.6.16 | 2024 | SC相模原 | 【完】 | |
17 | FW | 和田育 | 2000.12.19 | 2025 | アスルクラロ沼津 | 【完】 | |
18 | MF | 夏川大和 | 2001.9.19 | 2024 | 京都産業大学 | ||
19 | MF | 増田隼司 | 1998.8.13 | 2024 | SC相模原 | ||
20 | MF | 堀越大蔵 | 1996.9.15 | 2025 | カヤFC・イロイロ | 【完】 | |
22 | DF | 林田魅斗 | 2001.8.29 | 2024 | 筑波大学 | ||
23 | DF | 秋山拓也 | 1994.8.26 | 2024 | AC長野パルセイロ | ||
24 | MF | 佐藤諒 | 1997.9.24 | 2025 | 愛媛FC | 【完】 | |
25 | MF | 武井成豪 | 1998.4.15 | 2024 | FC今治 | ||
26 | FW | 李東烈 | 2003.5.4 | 2025 | OKFC | 【完】 | |
27 | FW | 澤崎凌大 | 2002.3.21 | 2024 | 大阪学院大学 | ||
28 | FW | 石橋克之 | 2002.1.10 | 2025 | 抱川市民FC | 【復】 | |
29 | MF | 申東旻 | 2004.5.21 | 2025 | 崇実大学 | 【完】 | |
30 | GK | 古賀貴大 | 1999.3.1 | 2025 | SC相模原 | 【完】 | |
31 | GK | 菅原大道 | 1995.8.10 | 2025 | 藤枝MYFC | 【完】 | |
33 | MF | 禹相皓 | 1992.12.7 | 2022 | サイゴンFC | ||
34 | FW | 古川大悟 | 1999.9.15 | 2023 | いわきFC | ||
37 | MF | 堤奏一郎 | 2001.10.5 | 2024 | 関西大学 | ||
39 | FW | 望月想空 | 2001.4.3 | 2024 | 関西学院大学 | ||
51 | FW | 西村真祈 | 2001.11.13 | 2024 | 関西大学 | ||
88 | FW | 松本孝平 | 1994.7.31 | 2025 | カターレ富山 | 【完】 |
※備考欄は【完】=完全移籍での加入、【レ】=レンタル移籍での加入、【復】=レンタル先からの復帰、【新】=新任の監督、【昇】=トップチーム昇格、【卒】=新卒での加入、【特】=特別指定選手、【2】=2種登録、【H】=ホームグロウン選手
過去に所属した主な選手
- 塚田卓(2010 - 2021)
- 川西翔(2013 - 2021)
- 四ヶ浦寛康(2012 - 2019)
- 天羽良輔(2014 - 2015)
- 須ノ又諭(2014 - 2020)
- ジュニーニョ(2016 - 2018)
- 永井文也(2017 - 2021)
- 池永航(2017 - 2021)
- 水谷尚貴(2017 - 2021)
- 水野匠弥(2018 - 2021)
- 前田悠斗(2019 - 2022)
- 附木雄也(2020 - 2021)
- 西矢健人(2022 - 2023)
- 板倉洸(2023)
- 古川大悟(2023 - 2024)
- 永井建成(2023 - 2024)
- 齋藤隆成(2023 - 2024)
- 田中直基(2023 - 2024)
歴代監督
国籍 | 監督名 | 在任期間 | 備考 |
---|---|---|---|
小川雅己 | 2007年 | 大阪府リーグ1部優勝(2007年) | |
森岡茂 | 2008年~2015年 | ・選手兼監督(2008年~2009年) ・大阪府リーグ1部優勝(2009年、2010年、2011年) ・関西リーグ2部優勝&1部昇格(2012年) ・関西リーグ1部優勝(2013年) ・JFL昇格(2014年) |
|
和田治雄 | 2016年~2019年 | ||
塚原真也 | 2020年~2022年 | J3昇格(2022年) | |
志垣良 | 2023年 | ||
大嶽直人 | 2024年~ |
ホームスタジアム
アールダッシュ時代は豊中市の服部緑地陸上競技場、大阪市東住吉区のセレッソ大阪のホームスタジアムであるキンチョウスタジアム(長居球技場・現ヨドコウ桜スタジアム)およびヤンマースタジアム長居(長居陸上競技場)、堺市堺区のJ-GREEN堺(堺市立サッカー・ナショナルトレーニングセンター)、東大阪市の花園中央公園多目的球技広場でホームゲームを開催していた。
2019年にホームタウンを東大阪市とした時に、東大阪市花園ラグビー場第2グラウンドをJ3基準を満たすように改修する計画を立てていた。しかし、2022年10月時点で、ボーリング調査が終了した時点で停滞している状態となっている。前述のとおり2022年のリーグ戦最終戦のホームゲームを第1グランドで開催したが、チームの社長である近藤祐輔氏はJ3に参入したらホームゲームの8割以上を第1グラウンドで開催する方向で調整を進めていることを表明した。
だが、5000席以上の新スタジアム建設を条件に、所有者の東大阪市から第1グラウンドを暫定的に使用を認めてもらっていたにも関わらず当時の経営者の急逝や資金難から新スタジアムの建設が進まず、期限の「23年3月末」を過ぎても第1の使用を継続しているような状況が続いていた。施設所有者の東大阪市から撤退を求められる事態となる。
詳細は『FC大阪・花園ラグビー場整備問題』を参照。
運営法人が持つノウハウを活かして
クラブ運営法人でもあるアールダッシュは、セールス・プロモーション業を行っていることを活かし、FC大阪そのものを広告コンテンツと捉えて様々なビジネスモデルの構築を行っている。FC大阪がUstream上で行っている『FC大阪TV』もその一環である。
地域リーグ時代の2013年では、当時のクラブ会長がこのように語っている。
単なる広告スポンサー契約ではなく、お客様の注文をつくる「顧客創注型」の営業を心掛けています。
あくまでもスポンサー契約はビジネスファミリーの入り口であり、スポンサーにとって魅力的な情報提供や利益を供与することを最大の使命とする考え方です。
支援する側、される側という単純な構図をつくるのではなく、FC大阪というクラブを必要としていただけるような、付加価値を提案しているつもりです。
サッカー人口の増加と地域経済の発展のために
ガンバ大阪とセレッソ大阪・・・この大阪の2大プロサッカーチームの領域に割って入ろうとしているFC大阪がJリーグ入りを目指す目的の一つとして「サッカー人口の増加」がある。
FC大阪の会長曰く『大学生だけをピックアップすれば関西学生サッカー連盟の登録者は約2700人いるが、毎年Jリーガーになるのは全国で高校生と大学生を合わせて130人ほどであり、関西の大学生からJリーガーになるのは約10人くらい』とのこと。その為に、もっとたくさんの人がプロサッカー選手としてプレーができる場を作ってあげようということと、高校生が高校卒業後にプロ選手を目指す、社会人がステップアップとしてプロ選手になる為の受け皿にもなりたいという想いを持っていると語っている。そしてそこからサッカー人口そのものの増加を図り、結果として競技人口の増加を狙っているという。
その一環だと思われるが、後述の育成チームとは別に、スクール活動を展開しており、小学生までを対象にしたサッカースクール、そして高校生以上を対象としたフットサルスクールを開講している。なお、このスクール、既に他のチームに所属している人でも気軽に参加できるので、拠点としている場所に行ける人たちは機会があれば「行ってみるのもよし」ではなかろうか。
そしてもう一つの目的として「Jリーグに参入するFC大阪を介して街全体に経済効果を生ませること」だという。
この2つがJリーグ入りを目指す最大の理由だとクラブ会長は語っている。
さて、JFL参入1年目にて、第95回天皇杯本選で大阪府代表として出場したFC大阪は早速、本選シードのJ2チームである同郷のセレッソ大阪に競り勝ってその名を十二分にアピールできた。今後、FC大阪の躍進がサッカー界のみならず、大阪府全体にどう反映されるのかが観ものであろう。
下部組織
- 育成チーム:FC大阪U-18/FC大阪Brazil(ブラジルのリオグランデ・ド・スル州を本拠地とするU-18チーム)
- その他のチーム:FC大阪CRAVO(女子チーム)/FC大阪VIDA(50歳以上が対象のシニアチーム)
その他、運営する高校サッカー部が名門チームとして知られる学校法人鹿島学園と提携して、「FC大阪高等学院」という通信制・定時制の高等学校を展開している。
関連動画
関連商品
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関連項目
- Jリーグ - Jリーグチーム一覧
- J3リーグ(2023年 - )
- JFL(2015年 - 2022年)
- 大阪府 - 東大阪市
- 関西
- FC大阪・花園ラグビー場整備問題
- 大黒摩季 - ホームゲームでチームが勝利したときに「熱くなれ」がかかる。
関連リンク
参考文献
- サッカーなう『【インタビュー】FC大阪会長が語る「共存共栄の地域密着型クラブ経営」』(注:リンク切れ)
- ビジネスジャーナル『Jリーグ参入目前のFC大阪、その異色経営の秘密~入場料無料でも高収益、新営業戦略』
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- アスルクラロ沼津
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- 栃木シティFC
- 奈良クラブ
- 福島ユナイテッドFC
- 松本山雅FC
- ヴァンラーレ八戸FC
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