FUJI ROCK FESTIVAL(フジロックフェスティバル)とは、国内最大級の野外ロック・フェスティバルである。運営会社は東京都を拠点に経営する株式会社SMASH。
概要
通称フジロック。1997年に誕生した国内最大級の野外ロック・フェスティバルで、「自然と音楽の共生」をテーマに掲げる。2017年で20周年を迎え、国内ロックフェスの先駆けにして「SUMMER SONIC」などと並ぶ歴史の深いフェスである。
第1回はその名の通り富士山の麓、山梨県富士天神スキー場で開催されたが、台風の直撃で2日目が中止になるアクシデントがあった。翌年の東京豊洲を経て1999年から新潟県の苗場スキー場での開催が定着、2019年で苗場開催20周年を迎える。「自分のことは自分で」「助け合い・譲り合い」「自然を敬う」の3原則に則ってライブを楽しむことになっている。
ライブ会場と施設
日本最大規模の野外音楽イベントだけあり、約200もの国内外ミュージシャンが苗場に集結する。演奏ステージは現段階で5種類用意されており、数十人程度の観客を迎え入れられる小規模ステージも多数存在する。最も大規模なグリーンのステージ以外は、観客が一定以上になると入場制限が掛けられることがある。自分が見たいアーティストのライブ鑑賞は計画的に。
海外の有名ミュージシャンが出演することで知られていて、これまでの出演者にはレッド・ホット・チリペッパーズ、フー・ファイターズ、ビョーク、エルヴィス・コステロ、ZZトップ、オアシス、ニール・アング、エミネム、コールドプレイ、レディオヘッド、そしてボブ・ディランが名を連ねている。
以下はフジロック参加アーティストによるライブが開催される施設について表記(2019年現在)。その他の詳しい施設については公式サイトを参照。
グリーン・ステージ
収容人数4万人を誇るフジロックの象徴。国内外のヘッドライナー達がこのステージで毎年記憶に残るパフォーマンスを披露してきた。観客スペースは緩やかな傾斜が多く、ピクニック気分でライブを楽しめる。後方には車いすスペースと優先テントを配備。
ホワイト・ステージ
収容人数は1万5千人の2番目に大きいステージ。実力のあるバンドが集結することから「裏メイン」とも称され、圧巻のパフォーマンスが楽しめる。
レッド・マーキー
入場ゲートから最も近い、フジロック唯一の屋内ステージ。5000人を収容できる。午前中から新進気鋭のバンドによる熱いライブが開催されるが、本番は深夜から早朝にかけてのナイトクラブと化したステージ。日中フジロックを満喫した観客がここに集い、早朝まで熱狂の渦を繰り広げる。
フィールド・オブ・ヘブン
収容人数5000人で、最もフジらしいステージとも言われる。フジロックのロングユーザーが数多く集い、国籍も世代も超えた独自の雰囲気の中ライブを鑑賞できる。日没後のイルミネーションの中行われるライブはこのステージのみの特権。
ジプシー・アバロン
山の斜面を利用したエリア、アバロンにあるステージで収容人数1000人。フィールド全体の電力をバイオディーゼルや太陽エネルギーなどのソフトエネルギーで賄っているエコなステージで、アコースティックライブが多い。アバロンではNGOテントやマッサージエリアを併設。フリーマーケットやワークショップが行われる。
カフェ・ド・パリ
パリに実在するキャバレー、ムーラン・ルージュをイメージした大人の社交場。ランチタイムからディナーまで、極上の雰囲気の中で国際色の豊かな時間を味わえる。
オレンジ・カフェ
フィールド・オブ・ヘブンの奥にあるエリアで、2014年まで展開していたオレンジ・コートの後継施設。屋根付きの飲食、休憩エリアのオレンジ・カフェで食事をするのも良し、ライブが開催されていない時間はバスカー・ストップとして、オープンステージと化したフジの舞台に立つのも良し。
デイ・ドリーミング
レッド・マーキー付近にある日本最長のゴンドラ「ドラゴンドラ」に乗って25分、山頂付近にあるエリア。デイ・ドリーミングではダンスミュージックを中心に、大パノラマの中音楽を楽しめる。併設されているサイレント・ブリーズでは家族連れでも楽しめるアトラクションを展開しており、絶景の中ラジオ体操をすることだって出来る。
ブルー・ギャラクシー
レッド・マーキーの隣にある、元はワールド・レストランを展開していた場所に設置されたブルーのテント。ジム・ウェストやサラーム海上を中心に個性的なDJが集い、幅広い年代や地域に対応したサウンドが流れる。周辺にはバーやフード販売もある。
木道亭
ホワイト・ステージとフィールド・オブ・ヘブンを繋ぐボードウォーク内にある、森林に囲まれたステージ。リラックスしたステージながらも、グリーン参加アーティストが飛び入りでパフォーマンスをしたり、森の中で大合唱が起こったりとサプライズに満ちた場でもある。
苗場食堂/ガン-バン・スクエア
入場ゲートからすぐの場所にある飲食スペースのオアシスを中心に、採れたての山菜を料理して提供、夜間はステージとなる苗場食堂、オフィシャルショップの岩盤テントを中心にステージと野外フロアを設置したガン-バン・スクエアが点在する。
パレス・オブ・ワンダー/ルーキー・ア・ゴーゴー/クリスタル・パレス・テント
入場ゲート前にあるテント施設群、パレス・エリア内にあるステージ。主に深夜から早朝にかけてライブが行われ、ルーキー・ア・ゴーゴーは駆け出しバンドの登竜門的ステージとして知られている。クリスタル・パレスにあるバー、ブラック・ベルベットはフジロックの夜をワンランク上で楽しむには最適。
オールナイトフジ
金曜日の深夜に開催される、とんねるず人気を上昇させた同番組の空気を復活させたステージ。Bryan Burton-Lewisプロデュースによる悪ーいオジさんのためのディープな時間を楽しむならココ。
ピラミッド・ガーデン
キャンドルアーティストのCandle JUNEプロデュースによる、ツアーバス専用キャンプ場に併設されたステージ。朝ヨガに始まり、家族でも楽しめるワークショップ、夜を彩るキャンドルの中でのアンビエントライブなどが繰り広げられる。こちらも飛び入りなどのサプライズがあるかも。
前夜祭
毎年フジロック前日の木曜日には、地元の湯沢町の人々と交流を深め、本番に向けての英気を養う前夜祭が開催されている。この日は盆踊りや抽選会などのイベントが開催され、成功祈願と開会を宣言する打ち上げ花火が実施されるのが定番。
レッド・マーキーもこの日から開放され、DJ達によるオープニングパーティーの会場となる。もちろん参加アーティストによるオープニングライブもサプライズで行われるので、前日に会場入りする人は覗いてみると良いだろう。
キャンプサイト、オートキャンプ場
フジロックの会場は苗場スキー場。この期間中はスキー場の斜面部分を利用し、大規模なテント設営エリアを展開している。その数は多い年で1万7千にも及び、色とりどりのテントで埋め尽くされるのが風物詩。
キャンプ場は2種類あり、元ゴルフ場に展開した平面部分のキャンプサイト「ピラミッド・ガーデン」、斜面分にテントを設置できるオートキャンプ場の「ムーン・キャラバン」がある。平面部分のテント設営は前日組ですぐ埋まりやすいので、初日以降に会場入りする際は斜面部分を利用すると良いだろう。犬同伴の場合は斜面部分のみ使用可能。周辺にはドッグランなどができる施設、どん吉パークがある。
なおキャンプサイト使用の際には、専用のチケットが必要となる。特に平面のムーンキャラバンチケットは売り切れ必死の人気アイテムなので、早めの購入を。
チケット、アクセス
チケットは2度の先行販売、一般販売、当日券があり、前売りだと1日券、2日券、3日通し券と参加期間に応じたチケットを販売している。3日通し券は1次先行で39000円と値は張るが、どっぷりフジロックを満喫するならマストな手段だけに売り切れも早い人気アイテム。入場の際に必要なリストバンドは購入の際に自宅まで発送する事が出来るので、入場から即ライブに行く際はこちらがお勧め。ちなみに中学生以下は保護者同伴なら無料。家族連れにも安心である。
会場へのアクセスは以下の通り。車でのアクセスは駐車場の場所によって2種類のルートがある。
オフィシャルツアー
フジロックに行きたい!…けど初めてだし、キャンプもやったこと無いし道具も時間もない…そんな時は公式が毎年行っているオフィシャルツアーを利用するのが得策。
全国22都市から発着、苗場会場周辺の宿泊も付いたツアープランが用意されており、入場券購入やリストバンド交換所に購入したグッズを自宅に配送するための宅急便受付所も利用できる。移動手段はバス、新幹線の2種があり、苗場プリンスホテルをはじめとした宿泊場所も多く用意。さらに22歳以下対象やファミリー向けのセットもあり、様々なニーズに対応している。
オフィシャルツアーの各種プラン購入は抽選制のため、会場に近い宿泊所ほど抽選倍率は高い。予算と来場人数をよく吟味して抽選に臨もう。より詳しい内容は下記のオフィシャルツアー公式サイトを参照に。
よりフジロックを楽しむための”OSAHO”
“ルール・マナー”でもない、規制でもない。快適で気持ちよいフジロックをつくるのは、参加者ひとりひとりの気持ちが大切。国境を越え、文化を越え、フジロックから始まるあたりまえのエチケットを、あえて -OSAHO-(お作法)と呼び、キャンペーンを展開いたします。
-フジロック公式YouTube:FUJI ROCK FESTIVAL《 OSAHO 》- Festival Etiquetteより-
上記リンク先の動画にもある通り、フジロックを楽しむには一人一人のマナーが必要不可欠。下記のようなマナーを守り、みんなでフェスを完成させよう。もちろん、無事家に帰るまでがフジロックです。
- ゴミは紙、プラスチックなどに分別。直接のポイ捨て厳禁!
- シート、椅子での場所取りは観客の妨げに。移動する際は片付けてスペースの譲り合いを!
- 喫煙は専用エリアで。歩きたばこはケガの元、吸い殻ポイ捨ては山火事の元!
- 傘を差すと周りに当たって危ないし、後ろの人がライブが観れなくなっちゃう。雨天時の鑑賞の際は雨ガッパを着用だ!
公式配信/関連動画
YouTube公式チャンネルではソフトバンク提供の元、毎年フジロックの模様を2チャンネルに分けて配信している。仕事や予算の都合上苗場に行けない人は忘れずにチェックしておきたい。配信アーティストやタイムテーブルについてはフジロック公式サイトを参照。
関連項目
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