GQuuuuuuX(ジークアクス)とは、アニメ『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』に登場する架空の人型兵器・モビルスーツ(MS)である。
名称について
「ジーク・ジオン!(ジオン万歳!)」の掛け声が存在するガンダムシリーズということもあり、初見では「ジーク・アクス(GQ・uuuuuuX)」と区切って読む人が多いだろうが、厳密には「ジー・クアクス(G・QuuuuuuX)」と区切るのが正しい。
「クアクス」の発音も、より英語に寄せたカナ表記をするなら「クァクス」「クァックス」になる。山下デザイナーも本機について言及する際には「ジークァクス」の表記でほぼ一貫している。
「QuuuuuuX」は「メタ構文変数」に由来すると考えられる。詳細は当該記事を参照してほしいが、ざっくばらんに言うとプラグラミング上の仮表記(公的書類の記述例として書かれる「山田太郎・花子」的なもの)のことである。
通常「foo」「bar」「baz」「qux」の順に使用される。変数が5種類以上必要になった際には「qux」の「u」の数を増やすことで以降の数字を表現することがあり、それに従うとQuuuuuuXの場合は「9番目の仮ネーム」を指すこととなる。実際に作中でも仮コードであることは言及されている。
概要
SPEC | |
---|---|
型番 | gMS-Ω |
頭頂高 | 18.0m/18.2m(頭部展開時) |
重量 | 42.1t(本体) / 48.8t(全備) |
搭乗者 | エグザベ・オリベ アマテ・ユズリハ |
兵装 | 頭部バルカン |
ビーム・サーベル×2 | |
ビーム・ライフル | |
シールド | |
トメノスケ・ヒート・ホーク |
型式番号「gMS-Ω」。またの名を「ガンダム・クアックス」。gMS-αとして知られる「赤いガンダム」の発展形と思わしき機体。一年戦争後にジオン公国軍が開発した最新鋭機だったが、紆余曲折を経てクラン・ポメラニアンズの所有機となる。
赤いガンダムに試験搭載されたサイコミュの発展版「オメガ・サイコミュ」の実験機であり、それを示すように機体各所には「gMS-omega」の表記が入っている。
Ωサイコミュは従来の機体操作補助として用いられるサイコミュとは違い、完全にニュータイプの思念のみで機体を操作・戦闘行動が出来る、いわば高精度版のサイコミュである。ただし、ゼクノヴァ事故を考慮して使用は厳重に管理されており、起動するには専用デバイスをコクピットに差し込む必要がある。パイロットによってはそもそも起動すら出来ないのだが……。
「よくわかんないけど……なんかわかった!」
……が!何故かマチュ/アマテ・ユズリハはこのシステムを起動できてしまう。おかげでMSの操縦がわからない筈のマチュでも、動きたいように考えるだけで機体を動かせるようになってしまった。
Ωサイコミュが起動すると、通常の操縦桿は格納され、サイコミュ対応のコンソールが出現する。本機のプログラムには機体の自爆トラップも含めたプロテクトがかけられているため、ポメラニアンズの設備では元に戻せず、メインパイロット・ジェジーにも操縦出来なくなってしまった。一介のクランにはいささか手に余る代物であったが、アンキー社長の鶴の一声でマチュごと所属が決定する。
デザインの話
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https://twitter.com/ikuto_yamashita/status/1881181962871935073
「ガンダムカンファレンス WINTER 2024」における杉谷勇樹(カラー・プロデューサー)の「エヴァンゲリオンのデザイナーがガンダムをデザインしたらどうなるか(が、コンセプトの一つ)」というコメント通り、山下デザイナーの癖が存分に発揮されており、従来のMSよりも稼働域と合理性が追及されている。
機体関節は骨組み的なモノコック構造で構成されており、良くも悪くもスカスカな組み合わせの中に最小限の動力関節が配置されている。生体パーツが多いエヴァでは実現できなかったメカ構造の露出が山下デザイナーこだわりのポイント。足裏に至っては「むき出しの推進器に付けられた囲い」といった状態で、基本的にスラスター機動を前提としたデザインになっている。
頭部の赤いカバーはΩサイコミュ発動時に展開し、従来のガンダムらしいV字アンテナ状になると同時に、その下の2対のカメラアイが露になる。その下のあご部分は「歯」のようにも見える複雑なディティールが特徴。山下デザイナーは「どのみちエヴァガンダムって言われる」と念押ししたが、杉谷Pが一押ししたとのこと。
小形尚弘(サンライズ・プロデューサー)は「(RX-)78と並べることでデザインの素晴らしさがわかる」とコメントしている。
武装
- 頭部バルカン
シリーズお馴染みの機関砲。 - ビーム・サーベル
後ろ腰に2基を懸架。ナックルガード状のビーム発振部が取り付けられており、サーベルというよりはブレード、マチェット的なリング状ビーム刃を形成する。ビームの色は緑。
マチュが乗り込んだ際には非搭載だった。 - ビーム・ライフル
スマートにまとめられた砲身短めのビーム銃。
こちらもマチュが乗り込んだ際には非装備だった。 - シールド
左腕を覆うような形状の小型防御装備。 - トメノスケ・ヒート・ホーク
ジェジーのザクから流用した近接武器。赤熱化した刃で敵を溶断する手斧。純粋な軍用品ではなく、民間系サプライヤーによる複製品である。
イメージイラストにも描かれている、GQuuuuuuXを象徴する武装。物語序盤の主兵装となる。
作中の活躍
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宇宙世紀0085。行方不明の赤いガンダムを捜索する強襲揚陸艦「ソドン」の艦載機として登場。作中描写から推察する限り、ソドン側から参謀本部に願い出て運用人員ごと借り出したものらしい。サイコミュの不使用が貸与の条件だったが、ソドン側責任者のシャリア・ブル中佐にあっさりと無視され、サイド6宙域で遭遇した赤いガンダムを捕獲するべく、エグザベ・オリベ少尉の操縦で出動した。
……が、虎の子のサイコミュは起動せず、赤いガンダムに翻弄された挙句にライフルとサーベルを喪失し、イズマ・コロニーに墜落。通常操縦系がエグザベの操作に耐えられずオーバーヒートしていたところ、偶然本機を見つけたマチュが乗り込み、サイコミュが起動してしまう。以降はそのままマチュに持ち去られる形で、クラン・ポメラニアンズの所有機となった。乗り逃げされたエグザベは不法入国&破壊行為でサイド6軍警に現行犯逮捕された。
関連動画
余談
- ガンプラの商品名などでの表記は「ジークアクス」のみ。ガンダムタイプが商品化される場合、作中でガンダムと呼ばれていない場合でも「××ガンダム」や「ガンダム・○○」などと表記されるのが通例だっただけに、当初はファンの間で「ジークアクスは『ガンダム』ではないのでは?」と予想されていた。
- 初期イラストなどから斧使いの印象が強いガンダムであるが、ガンダムシリーズで「斧」といえばザクを彷彿とするファンも多い事だろう。その為かはわからないが、斧をメイン武装としたガンダムは闘士ダブルゼータガンダム、ランバーガンダム、龍機ドラグーン、ガンダム・グシオンリベイク、典韋マスターガンダム等、シリーズ全体を通しても少数派である。
映像作品の主役機である本機が斧を使うというのはある種の革命と言えなくもないのではないだろうか。機体のルーツを考えればヒートホークはある意味違和感がないのだが。
関連項目
親記事
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兄弟記事
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