GTOとは?
- 藤沢とおる原作の漫画またはドラマ、アニメ。本項で解説。
- 三菱自動車がかつて生産していたスポーツカー。→三菱・GTO
- 2のGTOが誕生する10数年前に同じく三菱自動車が生産していたスポーツカー、三菱・ギャランGTO。
- イタリアのフェラーリ社が、かつてレースに出るためのホモロゲーションを取得するために付けられた名称。であったが、最新の599GTOは唯のロードカーとして、発売された。
- 4.に関連して、フェラーリ社が1984年~86年にかけて272台+α生産したMRのスポーツカー、フェラーリ・GTO。288GTOともいわれるが、フェラーリ社の公式呼称は「GTO」である。
- 米・GMが生産していた大型クーペ、ポンティアック・GTO。
- 電力用の半導体素子であるGate Turn-Off thyristorの略。⇒VVVF
- 静止トランスファ軌道。静止軌道に人工衛星を送る際に、一時的に乗せる軌道。遠地点が静止軌道と同じ高度の楕円軌道。Geostationary Transfer Orbitの略。
概要
藤沢とおるが1997年~2002年に週刊少年マガジンで連載していた漫画。単行本は全25巻。
2009年~2011年には続編となる「TO SHONAN 14DAYS」連載。単行本は全9巻。
2014年からは週刊ヤングマガジンにて「GTO パラダイス・ロスト」を連載中。単行本は2022年11月現在、既刊20巻。
元暴走族・五流大卒の男・鬼塚英吉が吉祥寺を舞台に、学苑の問題を持ち前の型破りさで解決していく物語。
鬼塚(22)は大学卒業を控え、無茶な欲望からマスコミ関係の就職を狙っていたが、途中、不純な動機で方針転換してグレートな高校教師を目指すことに。その後、紆余曲折を経てなぜか名門私立「東京吉祥学苑」の桜井理事長に目をつけられ、(中等部の)教師として奇跡的に採用される。
しかし鬼塚の採用には裏事情があった。吉祥学苑は表向きは名門として知られるものの、内実は生徒や教師による問題が山積み。その中でも特に中等部3年4組(元2年4組)は問題クラスとされていた。桜井はこれらの解決に、鬼塚の筋を通す発言や、採用試験で内山田教頭にかましたジャーマンスープレックスのような力技が必要だと説き、鬼塚を一番の問題クラスである3年4組の担任に任命するのだった。
元暴走族のヤンキーということもあり一般的な教師像に比べモラルが欠けている感は否めないが、そのギャップを含めて楽しめると、作品への評価は概ね高い。
作品タイトルの「GTO」はGreat Teacher Onizuka(グレート ティーチャー オニヅカ)の頭文字を取ったもの。
同じく週刊少年マガジンに連載されていた同作者の漫画『湘南純愛組!』の続編(スピンオフ)であるが、ストーリー上の繋がりはほぼ無く、あったとしても回想や解説台詞が入るので未読でも楽しめる。(とはいえ、湘南純愛組!のキャラクターが登場したり、読んでおく事によって感慨深くなるシーンは存在する。)
GTOの知名度が高すぎて、逆にスピンオフ元の『湘南純愛組!』が知られていない気がしなくもない。
テレビドラマ(1998年反町版・2012年AKIRA版)、映画
GTO人気にさらに拍車をかけたのが、1998年フジテレビで放送されたテレビドラマ版である。
GTOの名を一躍轟かしたヒット作だが、学苑(「武蔵野聖林学苑」)や登場人物の名称・年齢といった設定が変更されるなど、原作とは異なる点が多く、特に生徒達は中学生ではなく高校生という設定である。鬼塚の年齢もこれに合わせ、3歳上の25歳(大学既卒)に引き上げられている。
鬼塚英吉役を反町隆史、冬月あずさ役を松嶋菜々子が演じたことで話題を集め、高視聴率を記録。その後反町と松嶋がリアルで結婚したのは周知のとおり。
小栗旬が吉川のぼる役でドラマ初レギュラーを得た作品でもあるが、当時高校生だったことやいじめられっ子役ということもあり、現在の彼のイメージとはかなり異なる。また、冬月の部屋には竹野内豊のでかでかとしたポスターが飾られているが、竹之内はGTOの1年前にドラマ「ビーチボーイズ」で反町と、1年後の1999年にはドラマ「氷の世界」で松嶋と共演している。
そのほか希良梨(水樹ナナコ)が下着姿になったり、鬼塚が見ていたアダルトビデオの映像がおっぱい丸出しでそのまま映ったり、小栗(吉川)がブリーフ一丁になるなど、時代を感じさせる。
1999年にはそのまま同じタイトル「GTO」で映画化。鬼塚(反町)以外のドラマキャストは一切登場せず、ヒロインの冬月(松嶋)も例外ではない。代わりに藤原紀香や田中麗奈、ブレイク前の妻夫木聡などが出演している。
2012年7月には、上記ドラマのリメイク版が放映。鬼塚役がEXILEのAKIRAになる等、前放送から14年経ったこともあり配役はほぼ全て変更されている。
アニメ
1999年から2000年にかけてアニメ版が放映。が、「これ、ゴールデンでやっていいのか?」と思わせる描写がいくつかあった(むしろ原作の方が遥かに過激であり、アニメではそれよりソフトな表現に抑えている)。
設定変更は多少あるものの、ドラマでは無きものにされた神崎らもちゃんと登場。ドラマのように舞台が中学から高校になるような大きな変更は少ない。内容は原作の修学旅行編(13巻辺り)まで+オリジナル展開の最終回。このため原作で夏休み明けに登場する和久井繭などのキャラは出てこない。
元々は水曜に放送していたが、日曜に枠を移動した。しかしその結果、野球のナイター中継、FNSの日27時間テレビ、特番の乱発によって放送回数が極端に減ってしまい、ヒットする事はなかったとされる(wikiより)。ちなみに原作よりも二年ほど早く終了している。
オープニング・エンディングには、L'Arc~en~Ciel「Driver's high」やポルノグラフィティ「ヒトリノ夜」などを採用。なお初期のエンディングを担当したKirariは、1998年ドラマ版に水樹ナナコ役で出演している。
テレビ放送時は原作のネタに連動させた楽曲BGMが随所に使用され、ガンダムのBGMや中島みゆきの「世情」などが流れるシーンがある。ただしDVD版では著作権料の問題からか、別のBGMに差し替えられている。
さらに沖縄編に登場する「ガンダム三兄弟」の声優には、ガンダムシリーズの各主人公を務めた声優らが出演する(白井木馬[しらいもくば]を古谷徹、時田晴男[ときたはるお]を関智一、三島軍人[みしまぐんじ]を緑川光)。
さらに原作者の藤沢が受験生役で特別出演している。また、中学生にこだわりがあり、ドラマ版の高校生から中学生に設定が戻ったことを喜ぶとともに、(原作の内容から放送時間が)もっと夜中に回されると思っていたらしい。
→アニプレックス公式サイトのインタビュー https://www.aniplex.co.jp/GTO/interview.html
主な登場人物とアニメ版声優
下記キャラクター名は全て原作準拠。
1998年のドラマ版では名称が変更されているキャラクターも多く、神崎、藤吉、草野、上原らに至っては代替キャラに差し替えられたり元々いないものにされたりで登場しない。
- 鬼塚英吉(おにづか えいきち) 声:高木渉
- 冬月あずさ(ふゆつき あずさ)声:折笠富美子(折笠のデビュー作。2012年のBeeマンガでは今井麻美)
- 村井國男(むらい くにお) 声:関智一 (98年ドラマのみ「村井国雄」)
- 菊地善人(きくち よしと) 声:緑川光 (98年ドラマのみ「菊池善人」)
- 神崎麗美(かんざき うるみ) 声:三石琴乃
- 野村朋子(のむら ともこ) 声:川澄綾子
- 吉川昇(よしかわ のぼる) 声:岡野浩介 (98年ドラマのみ「吉川のぼる」)
- 藤吉晃二(ふじよし こうじ) 声:諏訪部順一
- 草野忠明(くさの ただあき) 声:柳知樹
- 相沢雅(あいざわ みやび)声:野田順子 (98年ドラマのみ「相沢みやび」)
- 上原杏子(うえはら あんこ) 声:岡村明美
- 桜井良子(さくらい りょうこ) 声:岡本嘉子 (98年ドラマのみ「桜井あきら」)
- 内山田ひろし(うちやまだ ひろし) 声:長島雄一(現芸名:チョー)
関連書籍
- 鬼塚のヤンキー時代を描いた前作『湘南純愛組!』(全31巻)
- 鬼塚の中学時代を描いた前々作『BAD COMPANY』(全1巻)
- 映画版の原作である小説『GTO Live in 北海道』(上下巻)
- 2009年から2011年にかけて連載された続編『GTO SHONAN 14DAYS』(全9巻)
- 鬼塚の悪友である警察官、冴島俊行を主人公としたスピンオフ『井の頭ガーゴイル』
- 『湘南純愛組!』における鬼塚の相方、弾間龍二を主人公とした番外編『GT-R』
- 鬼塚が刑務所に収監された場面から始まる2014年連載開始の『GTO ~パラダイス・ロスト~』
関連動画
関連リンク
関連項目
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