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JCBとは、日本のクレジットカード会社、およびその会社が提供するクレジットカード、国際ブランドの名称である。
概要
JCBは、日本ダイナースクラブに次いで日本で二番目に設立された、クレジットカード会社である。三和銀行と東洋信託銀行、日本信販の出資で1961年に創業しており、50年以上の歴史を有している。
また、まだ国際ブランドのVISA / MasterCardも形作られていなかった1965年には、早くもAmerican Expressと提携して海外旅行者向けの期間限定カードを会員に発行するなど、国際展開に早い段階から着目していた会社といえる。
そののち設立されたクレジットカード会社、住友クレジット(住友銀行系)やダイヤモンドクレジット(三菱銀行系)などは国際展開にあたり、アメリカ発祥のVISA / MasterCardのいずれかのネットワークに加わることを選択した。一方でJCBは1981年、日本発の独自の国際ブランドとして国際展開を図ることを決定した。
同年香港に現地法人を設立したのを皮切りに、87年にはアメリカ合衆国、88年に英国、89年にはイタリア・ドイツ・オーストラリア・グアムへと順次現地法人を置いていき、2014年の段階では20ヶ所以上の海外拠点、190カ国・2900万件(うち日本は約700万)の加盟店と、約9000万人(うち日本国以外の会員は869万)の会員を有するに至っている。
中華人民共和国から銀聯(Unionpay)が登場するまで、カードの国際ブランドでアメリカ合衆国以外を発祥とするものはJCBのみであったことから、JCBはサムライカードという異名で呼ばれることがある。
アメリカではDiscover Cardと提携しているため、同社提携の店でも使える(だが、現地の人がそれを知らない場合があるので、その場合は深追いしないほうがいい。また、JCB公式サイトからは証明書発行もできる)。また、中国の銀聯とも提携しているため、アジアではかなり使い勝手が良くなっている。
一方で、JCBは他社より高額な契約料に設定されているため、国内でもJCB非対応の店舗は少なくない。そのため、海外発のVISAやMasterは使えてもJCBが使えない…なんて本末転倒の事態も起きている。また、JCBカード所持は審査が必要であり、更に所持するだけで年間使用料が発生する(買い物に使えばよい)。
またJCBは東京ディズニーリゾートのオフィシャルスポンサーとしても知られる。1990年代まで園内ではVISA / MasterCardなどが利用できず、JCBブランドのカードのみが利用可能であった。現在も園内店舗では「JCB」の文字が店内で大きく表示されている。
電子マネーとしてはQUICPayを開発し、自社発行カードの一部に標準搭載している。
2013年10月に、すでにVISAやMasterCardなどが先行していたデビットカード事業に正式参入することを発表。2014年以降、千葉銀行など地方銀行や楽天銀行で発行を開始し、海外でもデビットカードの発行を始めている。
また2015年6月からはプリペイドカードにも参入。コメリ、ローソン、そしてLINEなどと提携しカードの提供を始めている。
JCBカードの分類
自ら国際ブランドとなることを選んだJCBであるが、同じ国際ブランドでもVISA / MasterCardはそのブランド提供会社がカードの発行を行なっていないのに対し、JCBはAmerican Expressと同様、そのブランド提供会社もカードの発行を行う形態をとっている。
それゆえひとえに「JCBカード」といっても、以下の3種の発行形態をとっているカードが存在する。JCBというカード会社が提供するサービスを得られるか否かの違いがあるため、狭義では1.ないし1.と2.のみを「JCBカード」と呼ぶこともある。また「JCBグループ」と呼ぶ場合は、1.と2.のカード発行会社をさす。
カードタイプ | 内容 |
---|---|
本体発行カード | |
フランチャイズ発行カード |
JCBとフランチャイズ(FC)契約を結んだ会社の発行するカード。本体発行のJCBカードに準じたサービスが受けられるほか、そのフランチャイズ会社が独自に提供するサービスを受けることも出来る。 JCBグループのほとんどは銀行本体やその関係会社であるが、JCB本体に次ぐ国内2位の会員数を誇ったさくらカードが同じSMFGのセディナと合併して消滅したため、セディナは信販系でありながらグループの一員として名を連ねている。 ただし、セディナがさくらカードから引き継いだ三井住友銀行のキャッシュカード一体型クレジットカード(SMBC JCB CARD)は、FC契約からJCBブランド開放に変更されている。 また、三菱UFJニコスの発行するMUFGカード JCBは加盟店開放によるJCBブランドのカードなのだが、現在は新規発行を停止しているUFJ JCBカードはこのFC契約のカードであった。 |
加盟店開放型カード |
カード会社がJCBと加盟店開放契約を結び、「VISA」や「MasterCard」と同じように国際ブランドとして「JCB」を付帯させ、発行するカード。この場合の「JCB」は、JCBの加盟店で利用できることのみを示し、そのサービスはカード発行会社のものとなる。 クレディセゾン、オリエントコーポレーションなどがこの形態でJCBブランドのカード発行を行なっている。 ただし加盟店開放型カードでも、VISAやMasterCardと同じように、JCBがブランド提供会社として行うサービスを受けることは出来る。海外におけるJCBプラザの利用、JCB海外お買い物保険の適用などが該当する。 |
またこのような事情から、JCBのCMはその自社発行カードを宣伝するものと、JCBの国際ブランドを宣伝しているものの二種が存在する。更には、JCBのFC会社が自社の発行するJCBカードを宣伝するものも存在する。
最近の事例だと、二宮和也を起用して「買い物は世界を救う」というキャッチコピーを掲げたCMは、「JCBブランド」を宣伝しているものである。よってJCB以外にも、JCBブランドのカードを発行する会社がこのCMに関するグッズを配布する入会キャンペーンを実施していたりする。
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