K200とは、大韓民国陸軍が配備している装甲兵員輸送車である。但し、K200は別名をKIFV、“Korean Infantry Fighting Vehicle(韓国歩兵戦闘車)”と名乗っている。名前の由来は後述。
概要
元々はアメリカのFMC社(吸収合併を繰り返し現在はBACランド&システムズ社を名乗る)が輸出向けに開発した『AIFV[1]』が始まりである。装甲兵員輸送車であるM113を元にした立派なIFVで、25mm砲を搭載した砲塔を載せていた。AIFVそのものはオランダ軍など5カ国に採用されたのだが、韓国ではこのAIFVを元に自国の国情に合った車両を作ることにした。こうしてK200は開発された。IFVを元にしたからIFVを名乗ってるんですな。
解説
AIFVとの最大の差は砲塔が屋根のないオープントップの12.7mm機関銃座になっちゃったことである。この開放型砲塔のせいでK200は世間的にはIFVではなくAPCで扱われている。何でこうしたのかは不明だがK200は安く作るのが命題だったらしく、そのせいでオミットしたのかもしれない。25mm砲は高いって話も聞くし。ちなみにお値段は約150万ドル、1980年代後半の日本円換算で1両3億円ぐらい。89式装甲戦闘車が7億円だからずいぶん安く仕上がっている。なお、火力の不足はロシアから買った携帯対戦車ミサイル9M117M『メチスM』を車内に積むことで補っている。
車体はアルミ合金製(M113と一緒)、その周りに増加装甲としてポリウレタン(要するにスポンジ)を充填した空間装甲(スペースドアーマー)をボルト付けしている。空間装甲とは装甲と装甲の間に文字通り空っぽの空間を設けた仕組みの装甲で、HEAT弾に対し絶大な効果がある。なお、装甲の能力としては前面と側面は12.7mm機関銃弾を防ぎ、後方は7.62mm小銃(≒AK47)弾を防ぐという。薄い? いやいや。場所によっては正面からでも機関銃で穴が開くBMP-1よりははるかに優秀ですよ。
前面は増加装甲を兼ねたトリムベーン(整流翼)がついており、これを前に倒すことにより時速約6kmで水上走行が可能。推進方法は履帯で水をかく方式。
乗員は3名で兵員9名を積載可能。実はこの部分、元にしたAIFV(6名)より優秀。後部にはガンポート(銃眼)があり車内から小銃で攻撃が可能。ガンポートはABC戦闘時に不利だとか榴弾の破片が飛び込むとかあって最近は塞がれる傾向があるのだが、そこらへんは韓国は必要だと思って付けてるんだろうしダメだろとか一概には言えない。
K200A1
1994年出現の改良型。NBC防御を身につけエンジンを強化。トランスミッションはイギリス製半自動変速機からアメリカ製全自動変速機に進化。現在韓国にいるK200はすべてこれに改良されている。
K200は韓国は背伸びさえしなければ優秀な兵器を作ることができるという証明である。自走迫撃砲車とか対空戦車とかのファミリー車両を含めると2,000両以上も作られ、海外ではマレーシアが採用している。
しかし、1970年代の思想で作られ陳腐化が目立つようになると、韓国は次期兵員輸送車として『NIFV』計画を立ち上げる。その産物であるK21歩兵戦闘車については……現在XK-2並みかそれ以上に絶賛大々々々炎上中である。基礎フレームに根本的欠陥があって渡河中水没[2]するって何よ。
ただしである。余談になるが中国の63式水陸両用戦車は荒天時の水上走行能力に難があるらしく訓練中2両水没、8名死亡という惨事が発生したといわれている。水上航行能力の付与というのは開発の負担が大きく善し悪しなのかもしれない。
関連動画
1:20ぐらいから数秒出現。
関連商品
さすがにないようです。
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関連項目
脚注
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