LRTとは、
- 軽量軌道交通(機関)Light Rail Transit(ライトレール)のこと。
- マレーシアやシンガポールで走っている、ゴムタイヤ式自動案内軌条式の交通システム”Light Rail Transit”または”Light Rapid Transit”の略。
- リトアニア国営放送の英語名(Lithuanian Radio and Television)の略。
ここでは1.について説明する。
概要
1980年代初頭、アメリカやヨーロッパで登場した次世代型路面電車システム。「LRT」という言葉はアメリカ連邦交通省都市大量輸送局(U.S. Urban Mass Transit Administration 略してUMTA)で名付けられた。日本においても1980年代初頭に、従来の路面電車からデザインや性能を一新させた「軽快電車」を登場させ、さらに環境負荷の削減、道路交通を補完する公共交通として、国土交通省が導入を支援している。
また、実際のモデル車両として、鉄道総合研究所の「Hi-tram」や川崎重工業の「SWIMO」などがあり、札幌市電などで長期実証実験に供されていた。
長所として
- 道路の車線とは分離された専用レーンを走ることで、自動車の渋滞に巻き込まれにくい。
- 地下鉄よりも安く敷設できる。工期も短い。
- バスよりも一度に多くの人を運べる。
- 超低床式電車を路上交通として直接導入することで、乗り降りが簡便になる。停車場へのアクセスについても、階段や昇降機器をほとんど必要とせず、純粋なバリアフリーにもつながる。
- 直接排ガスを出さず、環境にやさしい。
などがある。一方、短所や課題は
- 車両が高価。
- 専用線路が必要なため、必然的に既存の自動車の車線が減少する。都市部への自家用車交通の絶対流入量もコントロールする必要がある。
- 保安上、有人運転は必須となる(運転士が安全確認、道路交通法に即した運転、適正な運賃収受、旅客への接遇、サービスまで兼務させるのは、いささか酷とも言える)。
- 併用軌道区間における運賃収受(これは既存の路面電車、乗合バスが抱える問題でもある)。近郊電車であれば改札口を設け、そこに人員や各種機器を設け厳格に運賃収受すればよいが、長編成で郊外からやってきたLRTが中心街に入った途端に「降車は前扉から(=先頭扉からに限定させる)」などといった制限を設けると、いわゆる「運賃ほ脱」はなくなるが、定時運転が困難になる。「信用乗車方式」(IC乗車カードが普及すれば、車内はもちろん停留所に無人駅Suica/ICOCAリーダのようなものを配置する方式。広島電鉄は採用の方針)などの別方式が我が国の国民性に合致するかも考慮、実証する必要がある。
などがある。
日本では、富山市を走る「富山ライトレール」が代表的で、我が国における本格的なLRT導入第一号と称されている。その他、各地にある既存路線の延伸、結節構想(札幌市電など)、また宇都宮市(宇都宮ライトレール)などでも導入が検討されている。
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