LTSとは、
当記事では1.について解説する。
概要
ソフトウェアがオンラインアップデート機能を備えることが一般化して久しいが、企業などではそのソフトウェアを用いてさらに高度なソフトウェアシステムを構築している場合があり、オンラインアップデートでソフトウェアの動作が変わってしまうと、たとえそれがバグ修正などの改「良」であっても、バグのある状態にあわせて制作されたソフトウェアシステム全体が動作しなくなる可能性がある。こういった企業にとってはソフトウェアアップデート機能は好感的に受け止められない。Windows 10の強制アップグレード機能など呪い以外の何者でもない。
一方でソフトウェア制作会社側にしてみれば、古くなったバージョンを何年もサポートしないといけないとなると運営上大きな負担になるから、ローリングリリースのように常に最新版しかサポートしない方式を取りたくなるところである。
こういった事情を折衷して生まれたのが、一般ユーザー向けの最新版と、企業ユーザー・開発者向けの長期サポート版に分ける方式である。人柱一般ユーザーは常に最新版を利用することができ、企業は長期サポート版ソフトウェアを利用して安定した開発を行うことができる。ソフトウェア開発側もサポート対象を最新版とLTS版の2つ(LTSのサポート期間によっては増えることがある)に絞ることができ、販売終了になった多数の旧バージョンのサポートを何年も続けなければならないといった事態から解放されるのである。
最新版の利用は無償だが、長期サポート版の利用は有償(あるいは長期サポート版のサポート期間延長が有償)というケースも珍しくない。アップデートすることにでなくアップデート「しないこと」に対してお金を払うということには釈然としないものを感じる人もいるかと思う。
事例
- Java: Java9から半年ごとの定期リリースと、3年毎のLTS版をリリースする方式になった。OracleのLTS版は有償。
- Node.js: 半年ごとに安定版と不安定版がリリースされる。サポート期間は不安定版が半年、安定版は3年である。
- Firefox: 1.5ヶ月周期の定期リリース以外に、法人向けにリリース間隔が1年のESR(Extended Support Release)版がある(無償)。
- Windows 10: 半年ごとのメジャーアップデート強制は悪名高い。Pro版だとメジャーアップデート強制を最長1年まで延期する機能がある。Enterprise版になるとサポート期間2〜3年のLTSC版を使用することができる。
- Ubuntu: 半年ごとのリリース以外に2年毎のLTS版が存在する。
関連項目
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