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この項目は、Nゲージに25年以上触れていない編集者がたたき台として作成したものです。全面改修、または加筆・訂正をして下さる協力者を求めています。 |
Nゲージとは、鉄道模型における規格の一つである。
概要
縮尺1/140~1/160の鉄道模型を9mm軌間のレールの上で走行させ、速度や進行方向、ポイントの切り替えなどをコントロールすることでリアリティのある運行シミュレーションが可能である。
細部まで作りこまれた鉄道模型をリモコンで操作できる、大人向けプラレール、と言えばイメージし易いかもしれない。乾電池駆動で自走するプラレールの車体に対し、Nゲージの車体は金属製のレールから電力が供給されこれを動力に変える。レールにはパワーユニットと呼ばれるコントローラーを接続し、ユーザーが任意で出力を調整することで車体の走行スピードを操る仕組みとなっている。
駅舎や山岳、鉄橋などの周辺環境を再現するためのキットも数多く販売されており、この点でジオラマ・箱庭と密接な関係にあるホビーである。
尚、上述のプラレールはトミー(現タカラトミー)の商品であり、Nゲージ製品は同社からTOMIXブランドで1976年ごろから発売された(現在は子会社のトミーテックに移管)。日本国内においてはこのほか関水金属・グリーンマックス・ワールド工芸などがプロダクトを持つ。
主なメーカーと特徴(かなり主観入ってます)
- TOMIX
日本のNゲージメーカーではかなりの老舗。113系や115系などの近郊型に定評がある。
走行性能も申し分なく、KATO程ではないがラフな使用にもある程度耐える。
JRの車両は大半手がけているが、蒸気機関車だけは車種が少ない。
しかし、最近発売されているC57シリーズは概ね高評価であり、製品化発表されたC61 20号機の
出来にも期待が寄せられている。
そして、私鉄車両は大手私鉄の特急車両が中心のラインナップ。通勤型の製品化例は非常に少ない
細かなディテールに目を惹かれるが、ユーザー取り付けの部品が比較的多い上に値段も少し高め。(特にHG製品)
常点灯システムに対応した車両が大半を占めるが、高出力パワーパックの線路で故障したという報告アリ。
また、一部のセットを除き、基本的に電車や客車等の車両番号はインレタで転写させる必要がある。 - KATO
同じく老舗のNゲージメーカー。ラインナップの殆どを国鉄・JR車両が占める。
一応、東京メトロや近鉄、富山ライトレール等の私鉄・三セク車両も発売されているが、極めて少数派である。
TOMIXと比べるとリーズナブルだがその分ディテールは少し劣る部分もある。
例を挙げると、TOMIXの113系はクーラーやベンチレーターが別パーツで交換可能だが、
KATO製は屋根と一体整形となっている。他にもいろいろと劣る点はあるが挙げていくとキリが無いので割愛。
走行性能に関しては文句のつけようが無く、連続運転にも余裕で耐えうる耐久性を誇る。
高出力のパワーパックも製造しており、長大編成も難なく走行可能。
ただし、登坂力に関しては他社と比べると少し劣る事もある。長大編成のセットでも動力車が1両しかないケースが多いので、空転しやすいのがその理由。
最近は蒸気機関車のリニューアルが盛んで、D51やC62の完成度の高さは目を瞠るものがある。
車両番号は殆どの車両で印刷済みとなっている。チマチマしたインレタ転写をしなくて済むが、単品売りの客車等も
番号が印字済みのため、大量に増備すると番号がエライ勢いで被ってしまうのが困りどころではある。 - グリーンマックス
通称GM。KATOとは反対に、ラインナップの大半が私鉄車両で占められている。
通勤型から特急型まで何でもゴザレ。このメーカーだけでとある私鉄の車両が全種揃う・・・なんてことも。
走行性能に関してはお世辞にも良いとは言えないというのが正直なところ。未だにフライホイール未実装なのはここぐらいである。
走行性能を求めるのなら、KATOやTOMIX、マイクロエースで同型車があるなら間違いなくそちらを買った方が良いだろう。
そんな動力だが、何故か急曲線には強く小型レイアウトでも走行可能な車両は多い。
ぶっちゃけ、他所が製品化してないから買う、そんなメーカー。そして値段は結構高め。足元見やがって…
また、旧型国電や旧客、荷物電車等の未塗装組立キットも製作しているが、いずれも組立難易度は高い。
名鉄850系など、素組みできないものまで存在する(現物合わせの切り継ぎ必須)。
塗装済キットも存在するが、こちらは大手私鉄の通勤型がメイン。組立難易度もかなり下がっている。 - マイクロエース
それなりに歴史のある模型メーカー。アリイと言えばピンと来る人もいるだろう。JR私鉄関係なく、幅広いラインナップを誇る。
バリエーションもかなりり多いが、「腰高」と言われる蒸気機関車をはじめ、ディテールはあまりよくない部類に入っていた。
最近の製品はディテール、走行性能共にかなり改善されてきており、KATOやTOMIXに匹敵するほどの製品もリリースされている。また、かなりマニアックなラインナップが特徴で、試作車両や時期によって異なる仕様の列車の初期バージョン、一時期のみ走っていたジョイフルトレインなど、他のメーカーがあまり作っていないような製品も多い。C63のように設計図しか存在していない車両がラインナップされてるのはここくらい。
まぁ蒸気機関車は相変わらずの腰高スタイルだが…(9600やC52、C54等の例外は存在)。
が、たまに地雷が混ざっているので予約購入はオススメしない。
しかし、基本的に再生産しないので、欲しい製品は発売日に店頭でしっかり吟味して買うべし。(但し、製品発売当日でも事前予約のみで完売するケースがあり、店頭に並ばない場合もある。ケースバイケースってことだねー)
急曲線も難なく曲がる車両も多いため、小型レイアウトもそれなりに走行可能。C56やC62でもミニカーブレールを走行できたとの情報も。
こちらも値段はグリーンマックスほどではないが高め。 - MODEMO
こちらもそれなりに歴史のある模型メーカー。ハセガワと言えばピンと来る人もいるだろう。
以前は、キハ30系シリーズやJR東海313系、小田急RSE車などを販売していたが、
現在は江ノ電や箱根登山鉄道、名鉄美濃町線や東急世田谷線等の小型車・路面電車がラインナップの中心になっている。
走行性能は並だが、急曲線にかなり強いので小型レイアウト、路面レイアウトのお供に最適。
連接車はR140程度が限界だが、路面電車はそれよりも急なスーパーミニカーブやユニトラムすら通過可能な車両も多い。
値段も小型車はかなり安価だが、ヘッドライト等の点灯機能がない車両が大半。
中の人曰く、古い製品も順次ヘッドライト点灯化等のリニューアルをしていきたいとのこと。 - ワールド工芸
上記5社と違い、金属製の模型を制作している。金属製ならではの細かなディテールが特徴。
ラインナップとしては昭和前半のレトロな車両がメインで、現役の車両の製品化は非常に少ない。
塗装済み完成品、未塗装組立品の2種で販売しているが、金属製だけあってどちらもかなり値が張る。
一番高い製品で…なんと8万円弱。 - 天賞堂
同じく金属製の製品がメインの会社。NよりもHOゲージやZゲージのほうが製品が充実している。
Nゲージでは蒸気機関車のみ製品化されている。ディテールに関しては最高峰と言って良い…が
値段が超高い。機関車1両で10万円突破するのはここぐらい。ワールド工芸の完成品でもここまで高くないぞ。 - リアルライン
比較的新しめの会社。D51のラインナップが豊富。というかD51以外作っていない気がするぞこの会社…
肝心のディテールだが、スケールは1/150になっており良い線を行っているものの、技術不足なのか組み付けのアラが目立つ。
まぁそれでも腰高のマイクロエースよりは遥かにマシであるが…。ただし、曲線通過性能に難ありとのこと。
今後の発展に期待したいメーカー。 - 河合商会
主に国鉄時代の貨車を製造している会社。多種多様な貨車を製品化しており、タンク車に至っては各荷主毎の塗装を
しっかり再現しているという手の込み様。貨車のラインナップで右に出るものはいない。
国鉄時代のデコボコな貨物列車を再現したいなら、ここの製品をオススメする。
2012年に廃業。鉄道模型製品は鉄道模型店のポポンデッタが事実上引き継いだ。 - (オマケ)鉄道コレクション
トミーテック(TOMIXもここのブランド)が展開している『ジオコレ』の一種。通称鉄コレ。
別売りの動力ユニットかトレーラー化パーツに換装することで鉄道模型として走らせる事が可能となる。
ブラインドパッケージの通常シリーズとオープンパッケージ版が存在し、通常シリーズは、既に引退した地方鉄道の旧型車、地方私鉄に移籍した大手私鉄の中古車がラインナップの大半を占める。
オープンパッケージ版は、移籍元の大手私鉄の車両やカラーバリエーション、後述する限定品の地方私鉄譲渡仕様、果ては101系や201系10両編成まで、多種多様なラインナップがある。ぶっちゃけ公式サイト見たほうが早い。
また、イベント限定品、販売箇所限定品等も多数存在するが、大半の製品は動力組込を想定されていない。
公式サイトでの販売アナウンスも殆ど無いため、各私鉄やイベント等のホームページで情報収集する必要がある。
なお、中の人の趣味なのか、製品化される鉄道会社に結構偏りがあったりする。
具体的には、大井川鉄道、豊橋鉄道、富士急行、銚子電鉄、一畑電車、秩父鉄道などの製品化例が非常に多い。
これらの鉄道会社は大手私鉄からの譲渡車の割合が多く、バリエーション展開させやすいというのも理由の一つかもしれない。
中古車の供給元である大手私鉄(東急、京王、名鉄、西武等)も限定品だったりはするものの、製品化例は多い。
余談になるが、この鉄コレ動力、安価かつ高性能なため、他社製キットや自作車両等の動力に組み込まれる事も多い。
GM動力から鉄コレ動力に換装なんてのは日常茶飯事である。 - (もいっちょオマケ)Bトレインショーティー
バンダイから発売されている組立キット群。スケールは1/150だが、長さ方向をデフォルメした独特のスタイルをしている。
これもバンダイ、KATO両社から動力ユニット、トレーラー化台車が販売されており、これらに換装することで走行可能となる。
ショーティーなだけあってスーパーミニカーブレールも余裕で通過できるほど小回りが利くが、模型の性質上、普通のNゲージ車両と混在させないほうがいいだろう。
小さな専用レイアウトを作り、そこをトコトコ走らせるのがベターかな?癒されるぞ~。 - (さらにオマケ)アンレール
㈱赤い電車が展開している鉄道模型…のようなもの。第二の鉄コレになれなかった存在。
現状、仙台空港鉄道SAT721系、JR東日本E721系500番台、そして名鉄&会津鉄道キハ8500系…のようなものをリリースしている。
初期のマイクロエース以下なディテール、ボッテボテの塗装、再塗装としようと思ってIPAにぶち込んだら車体崩壊…
楽しみにしていた鉄道ファンを地獄のどん底へ叩き落した罪は重いぞテメーラ
そして今度は何をトチ狂ったかアンレールネクストなるシリーズの製作を宣言
専用動力を誂えてもらうのはいいが、最初の生贄製品がよりによって名車、東急5000系青ガエルの地方私鉄譲渡仕様…
無駄にバリエーションだけは多いがやっぱりディテールは以下略…大人しくマイクロエース製買っておきましょう。
それかTOMIXが青ガエル再生産予定なのでそれまで待ちましょう。
また、マイクロエースからキハ8500系の発売も予定されている。市場に残っているアンレールのキハ8500系…のようなものは見向きもされなくなるだろう。ざまあみろ。
ここまでボロクソに言われるメーカー、ここ以外では今は無き東京堂ぐらいなもんである(あそこもいろんな意味で酷かった…)。
いろいろな楽しみ方
Nゲージの楽しみ方には主に「車両を走らせる」「車両を集める」「レイアウトを作る」「車両を作る」の4つがある。
車両を走らせる場合も駅舎や踏み切りなどを組み込んだレイアウトを作成して走らせる場合もあるが、関連商品にあるセットを購入すればNゲージに初めて触れた人でも買ったその日に車両を走らせる事が出来る。また、TOMIXからはカメラを搭載したキハ187系も発売されている為、自分のレイアウトをテレビに映す事も出来る。
ただ、どの楽しみ方であっても本気になるとかなりのお金が必要となるので、家族の理解がないと難しい面もある。
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関連項目
- 6
- 0pt