NSAとは、略称を表すことに使われる英単語、TLAの一種である。
- アメリカ国家安全保障局 (National Security Agency)
- アメリカ全国規格協会 (National Standards Association)
- NATO規格局 (Nato Standardization Agency)
- 日本SC遊園協会 (Nihon Shopping Center Amusement Park Operator's Association)
- 日本ソフトウエア産業協会 (Nippon Software industry Association) → のちに東京都情報産業協会(IIT)に改名
- 日本サーフィン連盟 (Nippon Surfing Association)
ここでは、国家安全保障局を意味するアメリカの機関について説明する。
アメリカ国家安全保障局
No Such Agency (そんな機関はない)
NSAとは、情報通信や諜報活動を扱う、アメリカの主要機関の一つである。
組織の存在が長いあいだ秘密にされていた事から、実はけっこう不明な部分も多い。
そんな概要はない
公式では海外情報通信の収集と分析を主任務としている(あくまで公式によるプレス)。日々、膨大な量の暗号解読、および情報通信の収集を行っている。また、政府の情報通信システムを、(他国の情報機関、敵意を持つ勢力、犯罪者など)敵の手から防御することも任務の一つに入る。
CIAがスパイなど人間を使った諜報活動を行うのに対し、NSAは電子機器を使った情報収集を行う。つまり、CIAが人間相手、NSAが情報通信相手という棲み分けがなされているが、その性質上、高度な機密を扱うため、組織の活動内容や予算についてはあまり追求されていない部分も多い。規模・予算ではCIAを3倍以上も上回るといわれている。
設立された頃はそもそも存在そのものがなかった事にされていた。そのため「Never Say Anything(何も喋るな)」、「No Such Agency(そんな機関は存在しない)」の略だと皮肉られる事もある。
そんな関連機関はない
- CSS(中央保安部)
- NSAと共同で情報活動を行なう機関である(1972年の大統領命令によって設立)。陸軍情報保安コマンド、海軍保安部、空軍情報部、海兵隊、沿岸警備隊とNSAが共同作戦を展開し、NSA長官が指揮を執る。なお、NSAは陸軍情報保安コマンド、海軍保安部、空軍情報部に対して監督権も持っている。
- AFSA(軍保安局)
- 1949年に国防総省の部局として設置されたNSAの直接の前身。軍情報部隊、陸軍保安局、海軍保安群、空軍保安部)の情報通信を指揮監督することになっていた……が、AFSAは能力不足であり、調整機能が不足していたため解散。1952年にNSAが設立された。
- MI-8(米国務省情報部)
- NSA、AFSAよりも前、第一次世界大戦時に設立された対外諜報機関。長官ハーバート・ヤードレーの指揮の下にワシントン会議(1922)などで実績をあげるが、当時は情報戦略の重要性に対する認識がまだ低く、"紳士的でない行為"を嫌った国務長官に閉鎖されてしまい、理解も評価もされなかったことにブチキレたヤードレーが、通信傍受していた事実を載せた暴露本を出版してしまった(日本でも出版され当時の日本人に読まれている)。現在はNSAがそのノウハウを引き継いでいるとされる。
通称「ブラックチェンバー(直訳の意味:闇の会議室)」。通称の由来は、ヤードレーが出版した暴露本のタイトルより。
そんな関与はない
NSAの暗号やセキュリティ技術に関してはその研究内容は秘密にされることが多いが、いくつかは広く一般に使われている。しかし、NSAが関わった暗号・セキュリティ技術については、バックドア(開発者がプログラムに仕込む"裏口"のシステム)の存在が疑われており、NSAが暗号やセキュリティ技術を一般に使わせているのは、その気になればいつでも解除できる仕組みが用意されているからだという疑念がある。
また、米国内におけるセキュリティ事情についても、政治、経済など色んな面で介入やストップがかかるなど、NSAが深く関与している影響が見受けられる。
- 1990年代に、個人PC用の暗号ソフトと、ネットスケープ社のSSL暗号ルーチンに対し、128ビットの製品を輸出することを禁止し、海外輸出向けに40ビット製品を作らせた(長い鍵を使われた場合、NSAのコンピュータ処理量が膨大になるため)。
- アメリカ国立標準技術研究所の前身「NBS」の公募に対してIBMが提出した暗号アルゴリズムを、鍵の長さを短縮したうえS-BOXの内容を変更した(暗号解読法に対する耐性を持たせたということだったが、説明なしに行ったので批判があった)
- 次期標準暗号方式として公開で選定された「AES」では、NSAが技術コンサルタントとして関わっている。
- 現在でも高度な暗号化技術に対しては、輸出制限が掛かっている国がある(暗号系の製品は重要な情報戦略なので、アメリカでは法律で輸出が禁止されている)。
- ハッシュアルゴリズムSHAもNSAが開発している。Linuxに対するセキュリティーモジュール「SELinux」も、NSAが中心となって開発されたものの一つである。
- Windows Vistaのセキュリティ機能の開発・検査に関してもNSAが関与している(Microsoftも認めている)
何も見るな
何も買うな
そんな関連項目はない
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