Persephone Numbers Station単語

15件

ペルセポネナンバーズステーション

2.3千文字の記事

掲示板へ

記事編集

Persephone Numbers Station（ペルセポネ・ナンバーズ・ステーション、ペルセポネ乱数放送）とは、インターネット上で流布されている謎の映像の一つである。

概要

同名のニコニコ動画に存在する動画はYouTubeからの転載で、転載元の動画は2007年 10月31日にアップロードされた。2010年 6月上旬頃に日本でも話題になり、この時期にニコニコ動画へ転載された。

内容は、目を始めとした顔の一部を黒い正方形で塗りつぶされたモノクロの女性の映像である。女性は何かを話すかのような動きを続け、激しいチューニング音の後に、英語で数字を一つ一つ読み上げていく。

発言されている数字は以下の通り。

101 118 105 100 101 110 116 32 97 103 101 110 100 97

これはASCII コードで「ev ide nt age nda」と変換できるが、この言葉が何を意味するのかは全く不明である。

「Numb ers Station(=乱数放送)」という名前から、音声は何処かの乱数放送であるものと思われる。コントラストの強いモノクロ映像、さらに目を塗りつぶされているために女性の映像は幽霊や骸骨の類のようにも見え、意図が不明であることもあってホラー要素の強い「検索してはいけない言葉」の一つに数えられている。

余談

Persephone（ペルセポネ、ペルセフォーネ）はギリシア神話の登場人物としても知られる。
ニコニコ動画に転載された当時は「吹っ切れた」ブームの影響下であり、もちろんPersephoneも吹っ切れている。

実は…

この動画は、ABC（アメリカ合衆国）のテレビドラマシリーズ『LOST』の代替現実ゲーム（ARG）「The Lost Experien ce」（ザ・ロスト・エクスペリエンス）にて、ゲームの手掛かりとして流れるFlash ビデオが独自のタイトルを付けられて転載されたもの。このゲームはシーズン2と3の間の時期（2006年 5月）に公式サイトで公開されていたが、現在は公開されていない。

YouTubeの動画では説明文に出典が記されているが（2020年 5月29日現在）、日本のネット上では出典不明に近い形で広まった。意図の全く不明な動画に見えるのは本来謎解きゲームの手掛かりの一つに過ぎないから当然のことだが、そこに映像の不気味さも加わり、まるでいわく付きの動画かのように語られた。その発端と思われる有名な例が匿名掲示板「2ちゃんねる」でのやり取りで、実際の内容にかかわらず「裸の女がウネウネしながら行ったり来たりしている動画」に見えると言い出したもの^[1]が数々のまとめブログで取り上げられ、「その者にだけ違う映像が見えた」という都市伝説的なものとして流布されることとなった。なお、ニコニコ動画の転載動画（2007年 10月31日投稿）では、投稿者によって「オレの元母ちゃん」という意味深な説明が付されている。

ゲーム上での設定

設定上でのこの映像の発信者は、「The Lost Experien ce」のストーリー上での主役に当たる、レイチェル・ブレイク（Rachel Blake）という26歳の女性。彼女はペルセポネ（Persephone）を名乗るハッカーとしてハンソ財団のウェブサイトをハッキングし、財団の隠された真実を暴こうとする。

プレイヤーは複数のウェブサイトにアクセスし、ペルセポネが仕込んだものを初めとする数々の手掛かりを頼りに物語の核心へと進んでいく。手掛かりは2006年 5月3日から日ごとに更新されていき、中でもこの「乱数放送」は6月19日の手掛かりに当たる。

先述の「ev ide nt age nda（明確な予定）」は次の手がかりを入手するためのパスワードであり、これを用いて、ペルセポネのホームページのソースコードに記されているレイチェルのブログ（内容は休暇の旅行日記）から隠しページへアクセス。そこで明らかになるのは、彼女が大企業のウェブサイトをハッキングし、パスワード付きの映像を隠すという「明確な予定」であり、こうしてレイチェルのハッカーとしての活動が描写され始める。

なお、このモノクロの映像に映っている女性はレイチェル本人ではない。ゲーム内の他の動画で見られるレイチェルは白人女性だが、この「乱数放送」の動画に出てくる女性はアジア系の顔立ちをしている。ストーリー序盤でハンソ財団のホームページにある、財団の紹介動画に登場する女性に似ているとの指摘がある。

また、この「The Lost Experien ce」は『LOST』本編のストーリーとは平行に位置するもので、直接は関係しないが、本編の設定を補足する内容になっている。また、ゲーリー・トループの小説「バッド・ツイン」（竹書房文庫）の内容とも繋がっている。なお、本作以降にも『LOST』のARGは複数企画・公開された。