pixiv問題とは、以下にあげるpixiv内で発生した諸問題とその後の経緯である。
東京幻想による個人サイトの写真盗用問題(2008年8月)
東京幻想という名の投稿者(フォトショッパー)が「HIROSHIMA幻想」というタイトルで原爆ドームの写真を個人サイトから盗用し、エンボス文字まで消し、加工したものを投稿した。権利者が問い合わせた際のpixivの対応は「権利者の個人情報を弊社に知らせよ」→権利者は何故個人情報が必要か尋ねる→一ヶ月pixiv側は放置→「『HIROSHIMA幻想』という作品はすでに存在しないのでこれ以上の問い合わせには対応できない」
以上のやりとりはぱふぅ家のホームページ - pixivとのやりとりで全文公開されている。
インテリアイベントの著作権侵害問題(2009年10月)
インテリアショップとのコラボレーションイベント「AOYAMA JACK!! pixivフェスタ@C on C.C」において、参加者のイラストが利用許諾した範囲を超えて無断で使用されていたことが判明した。
インテリアショップによって無許諾で傘が作られたほか、パンフレットには無断加工された画像、および利用許諾を出していないラフ画像からトレスで描き上げたイラストが使用されていた。
個人情報流出(2011年5月)
株式会社ウッドベルが主催する同人イベント「VOCALOID FESTA 02」のpixivとのコラボ企画にて、応募者の年齢がカタログに掲載されてしまうという事件が起きていた。
pixivがウッドベルへ提供した個人情報が「作品応募時に入力いただく「個人情報」は、主催者からの入賞者へのご連絡、緊急時のご連絡として使用いたします。主催者は、これら参加者の個人情報をその他の目的に使用したり、第三者に開示・提供をいたしません」との応募規約にも関わらず、年齢が無断で公開されたことで、pixivの個人情報管理体制への不信へ繋がった。
カオスラウンジ問題(2011年7月)
カオスラウンジは代表がpixiv内でメンバーを募り結成された美術集団である。
そうした経緯もありpixivと共にメディア取材を受けるなど懇意な関係を築いており、またピクシブ株式会社取締役である青木俊介が所属する「チームラボ」がカオスラウンジをプロデュース、美術手帖という芸術誌にカオスラウンジと合同で記事を出すなど支援を行っていた。
しかし他者の著作物をコラージュと称して破壊するカオスラウンジの表現手法が問題視されたことで、彼らの立脚地となったpixiv側への非難も強まった。
第七回博麗神社例大祭イラストコンテストの受賞作品が、カオスラウンジメンバー梅ラボの作品に無断使用されていることが指摘されるもpixiv運営は削除を行わず、その応募規約に「透過png画像」「著作人格権の放棄」「自社の認める第三者への提供」とあったことから、このイラストコンテストがカオスラウンジの素材集めとして行われたのではないか、との疑念が生じた。
梅ラボのアカウントに対しては停止処理が行われたが一旦復活。7/26に再度の停止、7/28に梅ラボ含むカスラジメンバー3名がpixivを自主退会する結果となった。[1]
しかしながら「停止されていたにもかかわらず画像ファイルへの直接リンクで梅ラボの作品が閲覧できた(現在は不可能)」「pixivIDを使用しているdrawrのアカウントがそのままになっている」「通常pixivIDを削除した場合そのアカウント名義での登録が可能なのだが、umelaboでのアカウント取得が不可能である」といった事柄から未だに運営がカスラジを特別扱いしているのではないかという疑いがある。
現代アートタグ騒動
上述の騒動と並列して起こっていた騒動。
カオスラウンジのコラージュがpixiv運営によって削除されなかったことから、コラージュであろうがどんな作品も規約によって守られると思った人々がコラージュ作品に「現代アート」タグをつけて大量投下。ピクシブ大百科の「現代アート」の記事でも編集合戦が起こった。
するとpixiv運営は「現代アート」の記事を不可視にし、同時に現代アートタグが付けられた作品をコラか手書き、二次創作か否かを問わず削除・アカウント停止し続けた。
結果として運営が削除基準を恣意的に運用しているとの非難が強まる結果となった。
pixivによる声明
一連の騒動からpixivへの非難が高まったことで、公式に声明が発表された。
カオスラウンジとの協力体制はないこと、個人情報流出に対する謝罪、著作権侵害作品に対する措置の説明が行われたが、カオスラウンジと無関係とは言いがたいこと、現代アートタグ騒動での恣意的な削除基準など、声明では説明の付かない部分もあり、不信感を払拭するには至らなかった。
難民の発生
この騒動の余波によって、これまでpixiv一強状態だったためユーザーの少なかったTINAMIやPiXAといった他のイラスト投稿サイトへの新規登録が急増した。
ピクシブ百科事典での対応
2018年3月現在、ピクシブ百科事典において「pixiv問題」の記事がpixiv運営によって不可視にされている。なお編集履歴に直接アクセスする
ことで内容を知ることは可能である。
関連項目
関連リンク
脚注
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