Psychedelic Tranceとは
(おもにアナログ・)シンセサイザーのフィルター等のモジュレーション(変調)効果により、幻覚的なサウンドを特徴とするテクノ/ダンス・ミュージック。
これとつながるジャンルとしては、アシッド・トランス (Acid Trance)、ゴア (Goa)等があるが、それらの区分は曖昧である。それら複数の呼び名を総合的に「サイケデリック・トランス (Psychedelic Trance)」と呼ぶ傾向もあるようだ。
歴史的源流には諸説あるが、1988年・ロンドンでのアシッド・ハウス・ムーヴメントに端を発し、90年代前半のジャーマン・トランス等を経て、ゴア・トランス (Goa)から発展し、のちに統合していったものとされる。
ゴアトランスは多くの国において、他のジャンルのトランス音楽と比較すると、アンダーグラウンドな存在であり、ヒッピーのフェスティバルの流れを汲む野外パーティー(レイヴと呼ばれることが多い)やフェスで耳にすることが多い音楽であった。
サイケデリックトランスもその点ではゴアトランスを継承しているが、リスナー人口も増え、より円熟した、商業的なシーンとして成立している面もある。 両者の音楽性の違いはこのあたりにも起因するかもしれない。
野外パーティ(レイブ)とゴア / サイケデリックトランス
ゴアトランス、サイケデリックトランスと野外パーティ(日本ではレイブとも呼ばれる)は切っても切り離せない。それは単なるダンスミュージックのための集会という枠を超え、参加者たちにとってはひとつの祝祭であり、シーンにおいて最重要視される場である。
ゴアでは入植した西洋人により古くから野外でパーティが催されていた。その流れから、1960年代にヒッピーたちが集まるようになってからは彼らによって野外でサイケデリックロックなどのセッションが行われるようになり、パーティ・フェスが常時行われる「聖地」となっていった。
当時のヒッピーたちは自然回帰や東洋宗教への関心を強く持っており、彼らにとってはこうしたパーティはシャーマニズムや、ヒンドゥー教の秘教的な祝祭のオマージュであった。そのため、参加者たちは高揚感やシャーマン的なトランス状態を求めてLSDなどの薬物や大麻などを使用した。
ゴアトランスは、ヒッピー・ムーブメント以後もゴアで続いていた野外パーティにテクノ、トランスが持ち込まれていく中で生まれ、多くの面でその性質を継承することとなった。ただし、ゴアトランスのアーティストの多くはヒッピー・ムーヴメントを知らないテクノ世代であり、彼らがそのままヒッピー的な思想を継承していたというよりは、失われたヒッピーたちやインドのゴアという土地へのオマージュであったと推測される(ゴアトランス揺籃期のゴアには、ヒッピーの残党たちがまだ残っていたようだ。初期のトランスDJであり現在も第一線で活躍する GoaGillは、そうした人々の一人である)。
その後ゴアトランスのシーンはそのままサイケデリックトランスに取って代わられ、野外パーティもサイケデリックトランスが主流となっていった。
現代のサイケデリックトランスのシーンにおいてはヒッピー的な色はかなり薄まっているが、パーティは依然として参加者にとって一種の呪術的な祝祭である。このパーティを重要視するがゆえに、サイケデリックトランスでは、催眠的な状態を誘発するような刺激的な音が追及され続けているのである。
※Wikipedia参照
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関連項目
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