君は、RPGツクールというタイトルのプレイステーション2用ソフトをご存知であろうか?
2004年12月16日に発売された、2011年時点では最後の据え置きハードのコンシューマRPGツクールである。
ナンバリングがないが、通算6作目にあたるため、便宜上RPGツクール6と呼ぶことも可能。
可能というだけであって、別にどこかでささやかれたわけではない。むしろささやかれるほど流行らなかった。
概要
ニコニコ動画で検索する際は「RPGツクール」「PS2」の二つで検索すると数少ない動画が出てくる。
幻のRPGツクールと呼んでも差し支えないほど知名度に欠ける、コンシューマ据え置きツクールシリーズ最終作であり、一応現時点の最終作ということで覚えてもらっているようなものであろう……。
発表当時、本作に対するユーザーの期待度は高かった。
RPGツクール5以来、ほぼ二年ぶりのツクールというだけでもwktkせざるを得なかった。ツクラーが夢としていた「PS以降のFFみたいな本格3D+等身高めのゲームが作れる」と称されていたからである。
広大なフィールドマップ、美しい街並み、そして本格3Dバトル。
期待するなというほうが無理なほどの新要素を引っさげてきた超本格ツクールソフトである。
こういった要素のゲームを作ることに関しては、あのRPGツクール2000やRPGツクールXPにも成し得ないことだろう。
……だのに!
このゲームはツクラーの中でもその存在をおぼろげにしか覚えていないユーザーが多い。
何が悪いPS2版
ユーザーが口を揃えてまずあげる不満はロード時間の長さである。
3D化した弊害として、製作時・プレイ時のロードが半端ないものになりい、ただでさえ膨大な製作時間を要するツクールにおいてさらにロードで足止めを食らってしまうのである。
この二点だけでこのツクールを投げたというユーザーも少なくないはず。そう、そこのあなたも。
その他にもダメポイントは多い。
- 文字入力がシリーズ随一の面倒くささ。これでUSBキーボード使用が可能であれば面白いビジュアルの入力画面なのだが、何故か5からこれが受け継がれず、ただ面倒で癖の強いものになってしまった。
- キャラクタービジュアルが悪い。これはツクールを海外向けにもアプローチ出来るようにするため洋ゲーの要素を取り入れたためだと思われる。しかし……どいつもこいつも微妙なグラフィックである。
- まず主人公、サンプルゲームではこの主人公らしきグラフィックが使用されている。設定上は少年だが、どう見ても少年には見えない。というかなんでヒゲ生やしてるんですか。
- せっかくの3Dなのに移動画面ではたいしたイベントは作れない。これは前作の5とは極めて対照的な部分である。
- よってイベント会話場面は比較的アドベンチャーゲーム風になりがち。しかしその時の顔グラが洋ゲー全開。
- バトルがRPGツクール4同様のアクティブタイムバトルシステムだが、ツクール4のようなテンポの良さなどは一切ない。むしろ一回一回のリズムが悪く、戦闘に入るまで途轍もないロードが入る。ツクール4はバトルに入るまで時折外部データを使っていなくても時間がかかる場合があるが通常はスムーズに導入するためギャップが激しい。
- 移動システムも面倒くさい。ダッシュしてもイマイチ走ったような感覚を得られない。
- フィールド自体は壮大で世界観が広く見えるものの、面倒な移動システムのせいで道に迷いやすい。
- 素材数が極めて少ない。
- 今作はイベントで村やダンジョンに登場させる人物を設定するのではなく、主人公などを含めて「人物」としてまとめられている。しかしその上限がたったの100人。このおかげでかなりゲーム制作の幅が狭くなっている。
など……新機軸をどんどん盛り込もうとしてコケてしまっている感が激しく強い。
ここはいいよPS2版!
- もはや駄目ツクールではお決まりとすら言いたくなるが、とにかくBGMが傑作揃いである。
- PS2版は特に群を抜いてクオリティが高い、何故なら今までのゲームサウンド全開の曲調とは違い、三留一純作曲による、シリーズではPC版込みで唯一のオーケストラさながらの壮大なBGMを取り揃えているからである。もうサントラだけくれよと言いたくなるが、そこはツクール……滅多にサントラなんて出ないから仕方ない……と思いきや、ツクールストア版[RPGツクールXP VALUE!+]のダウンロード版に、使用されているBGMのデジタルリマスター版がRPGツクール用のおまけ素材として同梱されているので、これからRPGツクールXPを始める方は一考の価値あり。
ただし、ツクール用素材として使用する際にはRPGツクールXP VALUE!+のユーザー登録が必要。 - 3D+八頭身のキャラクターを作れること。素材ははっきりいって駄目すぎるが、ツクールは「ここまでいける」ということを示したのは大きい。(続編来なくなったけど)
- 顔などがブサイクな感は否めないが、基本的にグラフィックはかなり美麗。自分で作ったフィールドでキャラをテスト走行させるだけでもその満足感は計り知れない。
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関連項目
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