RPGツクール2とは、RPGツクール SUPER DANTEの続編である。
スーパーファミコン用ソフトで、サテラビュー対応作品。
概要
後のツクールと比較した場合、本作は前作のSUPER DANTEのアップデート版的な立ち位置にある。
とはいっても、中身はほとんど別物と見て差し支えはない。
次作であるRPGツクール3に繋がる良作的要素が盛り込まれており、前作の反省はほとんど反映されている。
しかしスーパーファミコンというプラットフォームであり、加えてサテラビュー(8Mメモリーパック)対応という仕様から
中古販売された本作やメモリーパックに、前所有者のデータが残っている可能性があり、
ニコニコでは黒歴史を晒す動画「他人ツクールシリーズ」が主流。
完成された作品がそのまま残っていた事もあり、時に視聴者を大きく驚かせた。
余談だが、サテラビューのサービス終了後にもメモリーパックをスタンドアローンで活用できた(R/Wできた)SFCソフトは
「ツクール系3作品(本作・かなでーる・サウンドノベルツクール)」"のみ"である。
8Mメモリーパックはフラッシュメモリで、静電気にさえ気を付ければ半永久的な保存が可能。
データの消えてしまった(あるいは新品の)8Mメモリーパックの末路を救った勇者でもあり、
ターボファイルの電池管理から救われたヒロインでもあったのだ。
スーパーファミコンという点を考慮すれば、続編の3よりも2のほうが出来が良いという声も多い。
理由は以下のとおりである。
進化点や見所
- 等身が上昇、以降4までほぼこの等身が継続される。
- 容量の増加。イベント容量は約2.5倍。大作を作れるには十分な容量を誇る。(1Mbit)
- 前作では出来なかったフィールドマッピングを実装。
- アイテムが(ファイナルファンタジーのように)共有式に変更。
- 装備品を買う際に、装備可能者が表示されるシステムを導入。(3では廃止、4では機能劣化で復活)
- スーパーファミコンのコンローラーを熟知した操作システムの充実・効率化。
- マップチップがわかりやすくなり、種類も増加。
- 敵グラのカラーが4種類変更可能に。
- BGMの評価が全体的に高い。
- ロードが大変少なく、快適な制作環境であること。
- ターボファイルツイン(2Mbit)・8Mメモリーパック(8Mbit)対応。
(公式ガイドブックでは8Mメモリーパックの使用が推奨されている。詳しくは下記参照)
惜しい点・バグ
RPGツクールには付き物な残念仕様・バグが本作にもある。致命的なものもあるが他と比べて目立つものは少ない。
- 敵がフィールド用・ダンジョン用・イベント用に最初から分けられており、それらが合計で96体となる。
この制限のせいで若干自由度が下がっている他、作れる敵も結果的には減った形となっている。 - 防御計算の仕様や、魔法防御の概念が無い(魔法ダメージが固定)なのでキャラの個性が作りづらい。
- SFCだから仕方ないとはいえ、漢字がほとんど使えない。
- エンカウント率がキツめ。
- ゲーム中、メッセージが表示されてる時にソフトをリセットするとバグり、リセット時にいたマップを放棄せざるを得なくなる他、最悪イベントを消さないといけなくなる。本作的にはなかなか致命的な事態に陥る。
- イベントにより経験値が増えてレベルが上がった際に、該当者の装備が剥がされる。
「サテラビュー対応カセット」
本作最大の特徴であり、そしてカートリッジなツクールでありながら3と甲乙付け難い状態とされる理由でもある。
- 本作のカートリッジにおけるバックアップメモリは「1Mbit」。つまり、8M(8Mbit)メモリーパックを使用すると「8カートリッジ分」が保存可能となる。
データ編集の際には「カートリッジにロードしてから編集する方式」であり、PS版やPC版のように容量の拡張もできず"2つ合わせて5.0倍!"等の芸当はできないが、それでも当時としては「8部作もの超大作を1つのカートリッジで最後まで作り上げられる」夢のような環境であった。
なお、1Mbitを下記のかなでーるコンバートデータに裂いたとしても「オリジナルBGM最大32曲を入れた6~7部作を1カートリッジで作れる」(※かなでーる演奏データで1Mbit裂くと6作品。演奏データを消してしまうとミスが発覚しても修正や再コンバートはできなくなるので注意を要する)。
[余談であるが直接メモリーパックからロードしてプレイすることも可能であり、1~8部を完成させ、最終章完成後に絶対に編集用のロード画面から1~8部をうっかりロードしない自信があれば「理論上は最大9部作」ですら可能であった。つまり、(最終章だけ1~8部の主人公の各データを最終章データに手打ちする必要があるものの)「LIVEALIVEの疑似再現版・パロディ的な物を作る事すらできた」のだ。もちろん、作業量はその分増えるので「エターナらなければ」の話ではあるが。] - 衛星放送によりキャラグラフィック・BGMが受信できたり、「ゲーム内容・グラフィック・BGMの全て」がプレイアブルな状態で配信された事もあった。
- かなでーる用の演奏データも配信され、これをコンバートして使うという芸当もできた。コンシューマツクールでのデータ配信は2のスーパーファミコンアワー以降、DSのツクール城まで行われていない。
- メモリーパックはフラッシュメモリであり、扱いさえ気を付ければ半永久的に保存可能。スーパーファミコンアワーによる放送サービス終了後においてメモリーパックの運用価値を高めた。
- 上記メモリーパックを使用した連動により、かなでーるの自作曲をコンバートし32曲までRPGのBGMとして使用可能。連動は「かなでーるxツクール2xノベル」・「かなでーる2xツクール3xノベル2」・「かなでーる3xツクール4」で用いられているが、本作連動のかなでーるはインターフェースの難度が高い。
しかし最初から入っているサンプル曲もツクール用にコンバート可能なので、比較的安価に手に入る現在ではそれ目的で買うのもありだろう。
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