『RPGツクール2000』とは、家庭用RPG製作ツール『RPGツクール』シリーズの一つ。
概要
2000年に発売された、Windows用のRPGツクール第二弾。
前作のRPGツクール95から変数の概念が追加され、幅の広いゲーム作成が可能となった。反面マウス操作は完全に廃止されることになった。
新要素の導入により、RPG以外のジャンル(ACT、STGなど)で作られた作品や、自作戦闘を用いた作品なども数多く制作されているのが特徴。
ただ、ツクール2000による大きな発展が原因からか、以降派生ツクールシリーズはほとんど発売しなくなってしまった。
動作が軽く、非常に制作しやすい環境が整っていること、そして廉価版の発売によってかなりお求めやすくなったため、現在でも広く使用されており、ツクールシリーズのロングセラーとなっている。
実質的なバージョンアップ版とも言える2003があまり普及しなかったのに対し、こちらが10年以上経っても今だに愛され続けていることは特筆に値するだろう。
2012年にもかつてのガイドブック素材同梱の廉価版VALUE+が登場するなど、4世代もの後輩が登場しても未だに人気が衰えない、怪物ソフトである。
XPやVXと比較するとすぐに始められて作りやすいという点では非常に優れているため、公式でも初心者向けのツールとしてオススメされている。
しかし流石に10年以上前のソフトであるため、痒い所に手が届かない部分が多いことには注意が必要。それらを満たすならばツクールの後継作が別のRPG制作ソフトを選んだほうが都合が良い。
デフォルトで最初から用意されている素材「RTP」が初めて導入され、ゲームの制作を助けるようになった。
これはユーザーに若干面倒を強いるものの、ゲーム容量の削減にも貢献している。
後に発売されたRPGツクール2003とは互換性を持っていたが、2003は生産中止となったためこの機能の半分は意味がなくなってしまった。
余談
初回特典
初回版(通常版の方)には、色々な音声が収録されたCDも付属されていた。
素材数としてはソコソコであったが、RPGとしては使いどころの難しい音声ばかりであり、これを多用したゲームがリリースされたという話は聞かない。
代わりに、ハンドブックのCDに収録された素材を使っている作品は、多く見受けられる。
開発秘話1
RPGツクール2000は、ロングセラー作品となりながらも、そのままのシステムを使っている場合「キャラクターのレベル上限が50」という難点を抱えている。そんなのはRPGツクール2000だけである。
当然ながら、多くのユーザーから質問されたため、当時アスキーから発売されていた「テックウィン」で回答している。
開発者によると、キャラクターのレベル99にした場合、レベル上げ終盤で数百万と言う経験値を所持することとなり
これでは作ったメニュー画面に数字が収まりきらなくなるが、レベル50で妥当と思われる経験値であれば、ちょうど収まるという「インターフェース面を優先した結果」が理由らしい。
発売直後、1番多かった質問でもあったのだが、開発者は「こんなに聞かれるとは思わなかった」と説明している。
開発秘話2
今でこそ対応しているが、初期バージョンでは「MP3に対応していない」という問題もあった。
当時は時期的に、「ようやくMP3が知られるようになってきた」という非常に微妙すぎる時期でもあり、採用するかしないかで、開発者も相当悩んだと言う。
苦渋の決断の末、今回は見送ると言う結果になったと、これもテックウィンで回答していた。
しかし、バリュー版及び、Ver1.50以降では、MP3に対応するようになった。
(対応させたのは、MP3を使えるようにする改変ツールが出回ったと言う説があるが、真相は不明)
著名作
著名なだけあって、単独記事があるものが多い。それぞれのゲームの詳細については、ゲームタイトルをクリックして飛んだ先の該当記事を参照。
- 今の風を感じて
コンテストパーク総合人気1位の名作。百聞は一見にしかず。 - 盗人講座
コンテストパーク総合人気2位にして、エンターブレインコンテストでも入賞した作品。
ゲームはほぼデフォルト素材だが、タイトル通り道行く人々達にスリを働くなど内容は独創的。 - ツクラーの野望
ゲーム内ゲーム系の作品。作品のアイデアを探しまわるアドベンチャーパートとテストプレイをしながら形にしていくアクションRPGパートに分かれているのが特徴。 - シルフェイド見聞録&シルフェイド幻想譚
ツクール2000で制作したとは思えないくらいシステム面を独自のものとしていじくり回しているのが特徴である。 - Seraphic Blue
クリアまでの総プレイ時間が平均で50時間以上を越える、本格ストーリーの超大作。
こちらもイベントを利用して独自のシステムやインターフェース面を構成しており、いわゆるツクール感はほとんどない。 - STARDUST BLUE
『Seraphic Blue』と同作者の大作(こちらの方が古い)。
デフォルト素材も多めだが、その規模感はツクール2000発売後1年で作られたとは思えないほど。一部強烈な描写でも話題を呼んだ。 - へっぽこ二人組みの何でも屋セロリー
プレイヤーは文章をエンターで送る以外は何も操作を必要としないゲーム。ツクールとしてはバカゲーの始祖的な存在で、本作がコンテストパークで入賞した以降は、本作をパクった真似たギャグゲーが増産された。本編とスペシャル版があるが、今でもダウンロード出来るのはスペシャル版のみ。なお、スペシャル版はコンテストパーク総合ランキングで並み居る人気ゲーを抑えて10位にランクインした。 - Holy Knights
グラフィックは基本的にRTPの物を改良した物だが、全体的に丁重に作られており、やりこみも豊富である。完結作であるⅡの制作開始アナウンスから長い年月が経過したが無事完結した。 - 戦伝シリーズ
アクションRPGシリーズ。初代は98Danteでの発表で以降は全て2000。4以外はキャラの絵柄に癖がある。5(総集編)の制作予定があった模様。 - Ruina 廃都の物語
TRPGを意識した、ノベルタイプの本格派RPG。自由度が高いため何度周回しても飽きない作り。フリーゲーム登録サイトふり~む!にて大賞受賞。 - 7人目のスタンド使い
ジョジョの奇妙な冒険第三部を題材にしたRPG。自由度の高いキャラメイキングと、膨大な数のイベント・ギミックが特徴。なんとプレイヤー同士の通信対戦ができる。 - Ib
一世を風靡したホラーアドベンチャー。メニュー画面や会話ボックスに独自のものを用意して”ツクールっぽさ”を無くしている。 - 花嫁の冠
最初からRPGツクール2000内に収録されている、いくつかのサンプルゲームのうちの一つ。
関連動画
関連商品
関連項目
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