Sガンダム(エス-ガンダムもしくはスペリオル-ガンダム)とは、『ガンダム・センチネル』に登場するMSである。正式名称はスペリオルの方だが、商品化に伴う商標問題を回避するため「Sガンダム」表記が行われている[1]。
「Superior=高位の / 優位の / 上位の」。"究極のガンダム"を目指して開発されたためのネーミングとされている。メタな事情では同時期に企画されていた『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の新ガンダム仮名が「Hi-Sガンダム」だったことから、そこに繋げる意味を込めて「シュープリーム」「スプリーム」と読ませるガンダムを構想したためとのこと。
概要
| SUPERIOR GUNDAM Sガンダム |
|
|---|---|
| 型番 | MSA-0011 |
| 頭頂高 | 21.73m |
| 重量 | 38.4t(本体) / 73.0t(全備) |
| 出力 | 7,180kw |
| 推力 | 143,600kg |
| 装甲 | ガンダリウムγコンポジット |
| 兵装 | 頭部60mmバルカン砲×4 |
| 大腿部ビーム・カノン×2 | |
| 背部ビーム・カノン×2 | |
| インコム | |
| ビーム・サーベル×2 | |
| ビーム・スマートガン | |
| テール・スタビレーター60mmバ ルカン砲×4 |
|
アナハイム・エレクトロニクス(AE)社が開発したガンダムタイプのTMS(可変MS)。開発コードは「ι(イオタ)ガンダム」。0080年代末期MSの頂点ともいえる機体である。
AE社のフラグシップMS機としてΖΖガンダムと競作されていたが、あまりの高コスト仕様と後述するALICEシステムの問題もあり、本格製造はZZガンダムが選択され、極少数の生産(4機程度?)にとどまったという設定がある。
デザイン状の特徴としては、フェラーリ・テスタロッサの意匠を取り入れた頭部両サイドのインテーク・フィンや、ムーバブルフレームの特徴を生かして、各種装備をフレーム直結して巨大化した肩部構造物、そして上半身とは対照的にスマートな脚部などが挙げられる。顔面はいわゆる「Ζ系」の尖った顎持ち。
その繊細さと高度な可変構造を両立した設計は、カトキハジメの最高傑作と言われるほどの評価を受けている。とはいえモデルグラフィックス誌企画部でも、既存のガンダムとは全く異なるデザインには少なからぬ難色が上がったという。着色サンプルが届くと「結局トリコロールカラーで塗ればちゃんとガンダムだな!」とOKが出たらしいが。
ガンプラ化には恵まれており、旧キット、HGUC、MGがリリースされている。MGについては強化型のEx-Sガンダムのキット共々、凄まじいランナー量と複雑な組み立て工程を誇り、初心者にはお勧めしてはいけないキットとして名高い。
機体構造・運用
ムーバブルフレームのメリットを生かし、コア・ブロックを中核とした合体・変形のほか、多種多様な増加・強化パーツを装備可能な兵装システムの中核という開発コンセプトが掲げられている。
ΖΖガンダムと同じく、本機は中核のGコア(Cパーツ / コア・ファイター)と、上半身を構成する戦闘機Gアタッカー(Aパーツ)、下半身を構成する攻撃機Gボマー(Bパーツ)が合体して構成される。ZZガンダムよりも構造は洗練されており、AパーツとBパーツには独立した正規のコクピットブロックが設けられている(=コア・ファイターを複数用意する必要がない)上に、合体時はCパーツに接続され、そのままコア・ファイターに分離・脱出できる。
一方でΖΖガンダムと異なり、ABCが連結した状態での変形はできない。「人型⇔戦闘機」の完全な変形は、オプションパーツを装着したEx-Sガンダム形態のみの機能となっている。
ジェネレーターは両肩と両腿部分に計4基を搭載し、このうちの最低2基が生きていれば稼働できる余裕を持たせている。バックパック中央には燃料タンクを兼ねるテール・スタビレーターが設置され、両肩のAパーツ主翼と合わせてANBAC機動に寄与している。
さらに本機はもう一つの特徴的なシステム・人工知能「ALICE」の搭載を計画していた。このシステムはMSの無人操縦化を目的として生み出されたものであったが、パイロットが不要となることで起こる弊害を危惧した反対勢力の妨害を受けており、開発者であるルーツ博士も「事故」で死亡している。そのため4機製造されたSガンダムのうち、ALICEは1号機にしか搭載されず、しかも表向きには「機能は凍結されている」という報告がされていた。
1号機はU.C.0088に発生したペズン基地教導団「ニューディサイズ」の反乱鎮圧のため、急遽編成された「α任務部隊」の旗艦ペガサスⅢに艦載。専任パイロットにはALICEの学習用モルモットとして(実際の目的を伏せて)訓練を受けていた新人パイロットにして、ルーツ博士の実子であるリョウ・ルーツが選抜された。
その他、サンライズの公式設定ムック『アナハイム・ジャーナル』では、宇宙世紀0090年代にチベット・ラサに配備されていたらしい機体が描かれている。
武装
固定武装
- 頭部60mmバルカン砲 ×4
連邦軍ガンダムお馴染みの近接防御火器。分離時は使用不可。
設定が安定しないΖΖガンダム[2]を除けば、ガンダムシリーズで最初に4門のバルカンを搭載したのは本機が初となる。……一応。 - 頭部インコム
非ニュータイプパイロットでも疑似的なオールレンジ攻撃を可能とする、小型の有線式ビーム砲台。V字アンテナの上にセットされている。サイズが小さすぎるために1回の射出(1回のチャージ)につき発射できるのは3発で、火力も低い。分離時は使用不可。 - 背部ビーム・カノン ×2
バックパックに搭載。ZZガンダムのハイパーサーベルと似ているが、こちらはサーベル機能はない。ビーム砲としてはFAZZと同規格の高火力・広射角モデルだが、Sガンダムの照準制御システムの恩恵でFAZZより命中率が向上している。分離時はGアタッカーの主砲になる。 - ビーム・サーベル ×2
ビーム刃を形成する近接武器。両膝から突き出たサーベルユニットに装填。ビーム刃の色は青。 - Gコア・ミサイルランチャー ×4
Gコアの内蔵武器。当然だがMS形態では使用不可。
オプション武装
- 背部バルカン ×4
バックパック中央のテール・スタビレーターは、Ex-Sガンダム用のバルカン内蔵型に換装可能。分離時はGアタッカーの機首になる。 - 大腿部ビーム・カノン ×2
両太腿側面に搭載。ムーバブルフレームで接続されており、非常に広い射角を確保している。補助武器っぽい見た目だが、これ一門で並のMSのビームライフル級の火力がある。分離時はGボマーの主砲になる。
誤解されやすいがスマートガンとは択一式で、同時搭載は出来ない。こちらを選択した際にはネロのビームライフルなどを携行するようだ。 - ビーム・スマートガン
『エイリアン2』のM56スマートガンをパクったオマージュした本機の象徴的武装。右大腿部ムーバブルフレームで本体を、左太腿部ムーバブルフレームでエネルギー供給ユニットを接続する長砲身ビーム砲。分離時はGボマーの主砲になる。
ZZガンダムのダブル・ビーム・ライフルには火力と取り回しやすさで完敗しているが(あっちが異常なだけ)、こちらは砲身先端のメガ粒子偏向機による射撃精度と連射性能で勝る。
Ζプラスのディスク・レドームを搭載した仕様や、大型の砲身冷却機に換装した連射装備仕様も存在。 - Gボマー・ハードポイント
厳密には武装ではないが便宜的に記載。Gボマーの主翼部には4か所の懸架部が設けられており、ミサイルなどを搭載できる。特に記載は無いが、MS形態では可変構造上使用不可になるものと思われる。
MSA-0011(Bst) ブースター・ユニット装着型
| S GUNDAM Bst Sガンダム |
|
|---|---|
| 型番 | MSA-0011[Bst] |
| 頭頂高 | 15.81m |
| 重量 | 82.18t(本体) / 220.13t(全備) |
| 出力 | 12,250kw |
| 推力 | 2,140,000kg |
| 兵装 | 60mmバルカン砲×8 |
| 背部ビーム・カノン×4 | |
| インコム | |
| ビーム・スマートガン | |
| テール・スタビレーター60mmバルカン砲×4 | |
Bst型とも呼ばれる。バックパックをEx-Sガンダム用に換装し、さらに脚なんて飾りですよと言わんばかりに脚部ユニットを取っ払い、代わりにEx-Sバックパックユニットを取り付けた高速高機動バージョン。ガンダム版ジオングみたいな外見をしている。当たり前だが変形は不可能(実際に変形する意味もないが)。
Ex-Sバックパック2基が生み出す推力最大値は驚きの2,140,000kgで、10G以上の加速が可能。地球低軌道から単独で月に行けるなど、こちらもキチガイじみた性能を発揮している。
その反面、余りの加速力にパイロットや装備がついていけず、あくまでも非常用としての扱いになっている。劇中では自動攻撃衛星の強襲に用いられたが、これがSガンダムの初陣である。有人実戦評価すらしたことがない機体に乗っての初陣なのだから、リョウがちびったのも無理はない。
Ex-Sガンダム
Sガンダムのオプション強化機。「イクスェス」と読む。型式番号:MSA-0011[Ext]。
Ex-Sの本来のスペルはExtraordinary-Superior。Extraordinary。”並外れた”の意味をもつ接頭語としてExが当てられた。
⇒詳細は「Ex-Sガンダム」を参照。
MSA-0011[Bst] PLAN 303E "ディープ・ストライカー"
Bst型の加速性能を生かして敵陣深く突入、一撃離脱を目的として検討された強行仕様。後のガンダム試作3号機デンドロビウムの元ネタの1つである。
右背にアーガマ級強襲巡洋艦/アイリッシュ級戦艦の主砲である単砲塔メガ粒子砲を、左背に巨大な専用ディスク・レドーム型センサーを搭載。左腕も丸ごと広範囲センサーユニットに換装されており、専用のEWAC機並みの情報処理能力を獲得している。コクピットはパイロットとセンサー手の2人乗りである。
とにかく直進に全てを振って悪化した機動性をカバーするため、コクピット前面にIフィールド・ジェネレーターを搭載。ビームバリアはEx-Sガンダムの緊急防御用とは異なり、常時展開可能。
……とはいえ、さすがにここまでくると予算は天文学的に膨れ上がり、それ以前に実際の運用想定にも疑問が生じたため、ペーパープランのみで終わった。
劇中には登場しない、カトキ氏によるコンセプトモデルとしての掲載だったが、それまでお馴染みセンチネルブルーではない赤いSガンダム、MS全長以上のメガ粒子砲と巨大レドーム、Bstモードにさらにゴテゴテと追加されたプロペラントタンク数本というデザイン画は、当時のガノタやモデラ―に強烈なインパクトを与えた。「何者なんだ、お前は!?」という煽り文がバツグンにハマっていたのもある。
モデルグラフィックス誌では模型作例が掲載されたものの、メイン担当のモデラー曰く「どこにも他プラモからのパーツ流用が出来ない」「二次元の嘘を三次元化するのに本当に苦労した」「砲身制作はプラ棒を手で削ってテーパーをつける方法しかなかった」と、散々な難物であったとのこと。完成品はユニット化されているが、これを組み上げるだけで5分かかるらしい。
その凄まじい存在感は一種の伝説と化しており、HGUCやMGのSガンダムをベースに立体化させた剛のモデラ―も。そして2018年3月には公式にMG化が決定。キット自体は2006年発売のMG・EX-Sをベースに増加パーツを加えたものだが、どう見ても増加パーツの方が多い・大きい。一応、Sガンダム本体もアップデートされて完成度が上がっているが、そもそもディープストライカーのインパクトの前には殆ど話題になってなかったりする。
ゲームにおける扱い
センチネルの版権が面倒くさいため、しばしば扱いが微妙になる。
『第4次スーパーロボット大戦』では機体こそ登場したものの、パイロットのリョウ・ルーツらの参戦は叶わなかった。一説では著作権の確認がちゃんと行き届いていなかったためこうなったと言われている。
『SDガンダム Gジェネレーション』ではリョウとともにほぼ常連的に参加している。このゲームにおける知名度がSガンダムにとって一番高いと思われる。
ただしEx-Sの真の姿であるはずのGクルーザー形態がハブられる事態になることもある。何故だ
リアル体型においてもガンダムトライエイジにおいて参戦。しかもリョウ搭乗のSガンダムの出演が実現している。
『機動戦士ガンダム EXTREME VS. FULL BOOST』では家庭用版の目玉となるプレイアブル機体としてEx-Sガンダムが待望の参戦となったものの、リョウだけ出演が見送られた。
今後もパイロット実装される可能性は薄いと見られており、ファンをガッカリさせている。フルブでも失禁して欲しかったのに。
しかし『ガンダムトライエイジ』の前例を見るに「SDだからリョウの出演が実現した」という流布された説にはいささか疑問が残る部分もある(情報求む)。
関連動画
関連項目
- ガンダム・センチネル
- リョウ・ルーツ
- Ex-Sガンダム
- スペリオルドラゴン - 本機を元ネタとするSDガンダム
- ZZガンダム - 設定的にもメタ的にも対抗となるMS
- ガンダム試作3号機 - カトキハジメによるディープストライカーのセルフリメイクMS
- ガンダムシリーズのMS・MAの一覧
- エイリアン2 - ビーム・スマートガンの元ネタ
| AE社製ギリシア文字ガンダム一覧 |
| γガンダム - εガンダム - δガンダム - ζガンダム - ηガンダム - θガンダム - ιガンダム - σガンダム(κガンダム) - λガンダム - μガンダム - νガンダム - ξガンダム |
脚注
- *この「商標問題」とは『センチネル』企画当時の問題であり、後年になって表面化したモデルグラフィックス誌(ひいては作者陣)とサンライズ間の作品権利問題とは関係ない。
- *設定では「ダブル・バルカン×2」となっているが、『ガンダムΖΖ』本編では使用されず、発射口が何処なのかわかりづらいこともあって、ダブル・バルカンという名前の砲を2門搭載しているのか、バルカンを4門搭載しているのか曖昧な状態になっている。
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