S.T.A.L.K.E.R.とは、ウクライナのGSC Game Worldが開発したPC専用FPSのシリーズである。
読み方は「ストーカー」が一般的であるが、もう一つの読み方にロシア語っぽく発音した「スタルカァ」があり、主に一般名詞のストーカーとの区別するためにそう呼ばれている。ファンの間ではどちらでもよく通じるだろう。ニコニコ動画の使用されているタグも同様に一般名詞と区別するため「STALKER」だけではなく正規表現の「S.T.A.L.K.E.R.」の両方が使用されている。
概要
舞台設定は2012年(これはゲームの開発・発売当時の近未来にあたる)、チェルノブイリ原発事故で封鎖されていた地域で新たに謎の爆発事故が発生、事故後その周辺に突如として現れた「ZONE(ゾーン)」と呼ばれる地域で活動する「STALKER」と呼ばれる傭兵集団を描いている。設定を聞いて察しがついた人もいるかもしれないが、本作はタルコフスキー監督の同名の映画『ストーカー(1979)』および、ストルガツキーの原作小説と同作者の『願望機』の影響を強く受けている。
チェルノブイリ周辺を描いた舞台設定、東欧諸国側のマイナーな銃器類、ゾンビやらミュータントやら廃墟やら雰囲気抜群のホラー感、高度なAIとオープンワールドのような広大なマップ…などといった、従来のFPSとは大きく異なった独特のゲームデザインが高く評価され、発売から年月が経った2017年現在でもコミュニティやMOD製作がとても盛んなカルト的人気があるシリーズである。東欧のFPSないしビデオゲームにおける近年の金字塔的作品とも言えるだろう。東欧で新作FPSが登場すると本作と比較されることは多い。
発売が当初アナウンスされた2003年から数年延期になるという変わった経緯を持っており(その結果内容は大幅に変更された)、第一作『Shadow of Chernobyl』が発売されたのは2007年である。前日譚を描いた続編『Clear Sky』が2008年8月29日にロシア語版が発売、一週間遅れて欧米版も発売された。第三作で実質的な最終作である『Call of Pripyat』は2009年10月2日にロシア語版が、2010年2月には欧米版も発売された。
現在はSteamやGOG.comなどのダウンロード販売で購入できる。パッケージの輸入版や日本語版の流通もまだ残っているだろう。シングルプレイの人気が圧倒的で、一応用意されているマルチプレイヤーは発売当時から空気状態という近年のFPSではちょっと珍しいことになっている。現在はマスターサーバーが既に停止しており実質LANゲームのみしか機能しないので(対戦目当ての人はまずいないだろうけど)注意。
シリーズ一覧
S.T.A.L.K.E.R. Shadow of Chernobyl [SoC]
第一作。記憶喪失で名前を失った主人公の「Marked one(通称:まーくん)」がSTALKERとして数々の危険な任務をこなしていく内にゾーンの核心に触れていく…という形をとる。シリーズ唯一のマルチエンディングであるが、真エンディングを見ても実際のところよくわからないオチで、次回作でゾーンの謎が暴かれるものらしい…と期待されたが、三作出た現在でも謎は多いままである。
S.T.A.L.K.E.R. Clear Sky [CS]
第二作。ストーリー的には一作目の前日譚に位置する。主人公は様々な組織の間で仕事を請け負う傭兵の「Scar」。派閥争いの要素が追加され、多数のNPCによる激しい勢力拡大競争が繰り広げられる。また、前作では使い捨てだったアーマーや武器の修理・改造ができるようになった。グラフィック面でも細かい点で向上が見られる。
開発用資料によるとどうも最初はSoCの直後という設定で開発されていたらしく、そのせいかマップ内のオブジェクトやストーリーの面でほんの少しだが矛盾点も見られる。(※SoCで壊れていなかった壁に大穴があいている、SoCではなかった階段がある、工場内の工作機械の有無とかそういうゲーム上の都合的な矛盾)
Steam等のDL販売でセールされる際、なぜかこれだけセット販売から漏れているという事象が発生する場合があるので注意すること。
詳しくは個別記事も参照 →S.T.A.L.K.E.R. Clear Sky
S.T.A.L.K.E.R. Call of Pripyat [CoP]
第三作であり、実質的な最終作。ストーリーは一作目『SoC』と同じ時系列にあたる。主人公はイケメンウクライナ軍人「Degtyarev」。アイテムが登録可能なクイックスロットや睡眠が追加され、インターフェイスがかなり洗練されている。また、過去の2作品に登場した人物や組織が色々な形で登場する。...誰かScar君のことも思い出してあげてください。
クリア後のフリープレイモードが正式実装され、SoCベータ版に存在したマップの一つがリサイクル正式採用、マップ数は減少したが非常に広くなり、Pripyatに至っては実際の市内をモデルにしたものに変わった。また前2作と比べ、一部環境で開始時に発生していた長時間のロードが解消されている。
ゲームエンジンの最適化とゲームシステムが改良されていることから、現在では大型MODのベースになっていることも多い。
S.T.A.L.K.E.R. Oblivion Lost
開発中だった頃のタイトルで、当初は2003年に発売される予定だった。
2009年に開発元のフォーラムで「STALKER Build 1935」という2004年時の開発中のデータが全公開された。(※流出したからとも一部では言われているようだが、それはもっと前のバージョンである)1935には製品版ではカットされてしまった自動車や睡眠が導入されている。また以下のようなマップも含まれていた。
- ヘリ含む軍部隊が配置される予定だったと思われるDarkvalleyからCordonを結ぶ峠道「Darkscape」
- 科学者の研究所から北に位置し、MercsとBanditが支配する市街地「Dead City」
- Cordonから西に位置し、中央に建物が確認できる山に囲まれたマップ(マルチプレイ用に転用?)
しかし、この開発中のバージョンはバグが非常に多くグラフィックもDirectX9世代で、多くのカット箇所があったとはいえ製品版が相当進化した内容であることが伺えるだろう。
下記は当時のトレーラー動画と開発中の映像。実写の映像からゲームに切り替わる演出は必見。
STALKER 2
完全な新作として開発が進められていたが、2012年にGSC Game Worldがゲーム事業を休止したのに伴い、開発中止が発表された。その後開発チームの主要メンバーは独立し、F2Pタイトルの「Survarium」が制作された。また同じく独立したスタッフによって設立されたFlying Cafe For Semianimalsというスタジオからは、2015年に「Cradle」という近未来のモンゴル平原を舞台にしたアドベンチャーゲームがリリースされている。
元STALKERスタッフが独立して制作された、企画が立ち上がった、という話は上記以外にも数多くあるが、中には一瞬だけ在籍してたらしい末端スタッフだとか、STALKERという名前だけを拝借した版権的にあやしいゲームや出資詐欺じみた企画もわりとあるので情報が汚染されないように気を付けましょう…。
S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl
2014年にGSC Game Worldがゲーム事業を再開してからの長い期間、ファンの間ではSTALKERシリーズの新作の登場が待ち望まれていた。そして2018年5月、スタジオから正式に「STALKER2」の制作が発表された。対応プラットフォームはPC / Xbox Series X。
発売日は当初2022年4月28日としていたが何度か延期した後、2024年11月21日(日本時間)に発売されている。
派閥
STALKERは後述するA-LIFEという仕組みで常にゲーム内のNPCが管理されている。それぞれのNPCはZONE内の思想や利害の一致により生まれたという設定のいずれかの派閥組織に属して行動している。ストーリーの進行やプレイヤーの判断、戦闘の結果によって友好・敵対関係は大きく変化することになる。
Duty
ゾーン閉鎖後もそこにとどまった元軍人で「ZONEは世界の脅威である」という事を念頭にZONEに残り危険なミュータントやならず者を排除するなどといった活動をしている、ZONE内の自警組織的な派閥。曰く「世界をZONEから守るのは我々の義務(duty)」。しかし、お抱えのトレーダーに「自前じゃ何にもできないヘタレ。」呼ばわりされたりするなどその活動は形骸的な面もあるようだ。常時団員募集中(後述)。特殊部隊向け装備を含む東側の武装を使用している。
Freedom
その名の示す通り「ZONEは自由にあるべきだ」という思想の元集まった派閥。よって規則や義務やらを重んじるDuty派閥とは仲が悪く、「現在戦争中」である。アナーキスト、動物愛護等といった思想の持ち主でもありZONE内での評価はまちまち。西側の装備とSVD狙撃銃を使用している。
上記の二派閥は初期状態ではプレーヤーとは中立だが、立ち回りにより敵にも味方にもなる。
Monolith
チェルノブイリ原発内に存在するといわれる「どんな願いもかなえる事ができる物」願望機モノリス様を信仰する狂信者たち。この派閥と人を狂わすbrain scorcherの妨害により、ZONE出現以降誰も原発へ到達したものはいないと言われている。装備は東西の物が混在している。基本的に毒電波にやられてしまった人たちなのでZombified以外の全ての派閥と敵対しているが、『CoP』では洗脳が溶けてしまい途方に暮れている友好的Monolithの一団が登場する。彼らがどうなるかはプレイヤー次第。
Mercs
金さえ払えばどんな任務も受け付け、邪魔をするものは例外なく葬り去る傭兵集団。その為基本的に中立ということだが、ゲーム内に登場する際は作戦中なのかプレーヤーとは敵対勢力となっている。装備は西側のもので固めているが何故かあるミッションではAKを装備している。
『CS』主人公のScarもフリーの傭兵であり、プレイ次第でどんな派閥とも付き合いがあるが、この派閥の構成員というわけではない。また『CS』では協力するイベントが、『CoP』でははぐれ者を味方として徴用するイベントもあるが、結局どこの意思で動いていたかは推測することしかできない。
Bandit
STALKERという時点で危険区域に無許可で立ち入るならず者ではあるが、その中でも日常的にカツアゲや強盗といったことを行う「賊」の者たち。便宜、システム上派閥とはなっているが一部を除き組織的な統率は無い。そのためDutyや熟練STALKERには歯が立たないのでZONEの奥地には到達できておらず、装備も貧弱である。でも何故か服装は統一されたジャケットやらを着ている。
『SoC』では完全に敵対しているが『CS』『CoP』では立ち回りによっては味方につけることが可能。ただし普段は通行料と称して有り金全部ムシリ取られたりするのでプレーヤーからの評判は良くない。
Loner
派閥無所属のSTALKER、主人公も基本的にはここに属する。一匹狼なので上述の派閥による友好度変化は適用されないが、キャンプを作ってる場合その小集団においては他の派閥と同様の処理が適用される。
Zombified stalkers
ZONE北部等に存在する、人の精神を狂わすbrain scorcherと呼ばれる装置の被害者。最低限の自我だけを残し理性が吹き飛んだまさに廃人である。しかし都合のいいことにお互い殺しあったりせず、STALKERのみを標的にかつて得物としていた銃を撃ってくる。どちらかというとクリーチャーの類(実際クリーチャーとは敵対していない)ではあるが、やはりシステム的にSTALKER派閥と言うことになっている。
Ecologist
正規にZONE、特にその神秘の有効活用に向けての研究行っている生態学者たち。移動式のラボを拠点として対アノーマリースーツに身を包み資料採取を行ったり、STALKERからの資料提供などを受け付けている。中盤以降このラボはDutyが守る(必要無さそうに見えるが)事になり、その際付近の危険を排除してやった的なことを言ったりするが、これは「ZONEの研究」と言う点で利害が一致している為であり、「ZONEは脅威である」というDutyのスタンスとは食い違いが生じている模様。また正規の研究者であるため軍に支援要請を出したりもできる。
『SoC』ではデータ収集が仕事だというのにゾンビ相手にウラー!ベーイ!ベーイ!と派手に突撃をかますKruglov教授が有名。彼の護衛は一苦労である。
Army
正規のウクライナ軍、及び内務省国内軍部隊。ZONEの封鎖や内部施設の調査などを行っている。かつてはSTALKERとも協力体制にあったが、裏切りや利害の不一致で現在は敵対関係にある。正規の訓練を受けている為、同じ銃でも射撃の命中率が他のNPC及びプレーヤーとは段違いに高く設定されており、かなり装備的に有利でないと倒すことは難しい。ただし序盤で倒すことができれば、いい装備を手に入れられるので進行が楽になる。ゲーム開始直後にちょっかいかけて返り討ちにされるルーキーは風物詩である。
『CS』ではCordonへ抜けるトンネル付近の検問にある銃座が鬼門扱いされる。一方『CoP』の主人公は正規軍人であり敵対はしておらず、彼らの協力を得る事が可能。
※余談ではあるが、『CoP』のDegtyarev少佐は「内務省」所属とゲーム内で発言しているので正確には「ウクライナ国内軍(≠ウクライナ軍)」所属と思われる。そのほかのArmyたちが国内軍なのか、それとも国防省所属のウクライナ軍なのかは不明。さらに余談だがウクライナに限らず旧ソ連構成国の「内務省」は警察と秘密警察を一緒にしたような役所で、その上独自の軍事組織まで持っており、時には警察のような犯罪捜査、時には重要施設の警備、またある時は国内での軍事作戦、なんてことまで行える組織である。要するにNKVDの後継(KGBではない。KGBは諜報・防諜機関だが、NKVDは内務省である)。
A-LIFE
この作品の全てのNPCおよびAIは「A-LIFE」と呼ばれるシステムで管理されている。これはプレイ中に読み込まれたマップ外も含まれている。STALKERの大きな特徴の一つであるこのシステムはあまりにも複雑化しており、当初の構想では「NPCがプレイヤーよりも先にゲームをクリアしてしまう」ということまで想定していた。これらは開発期間の長期化を招く原因にもなっていた。
最終的にはNPCも敵ミュータントも自分自身の縄張りからあまり動かず、基本的にはプレイヤーが居るエリア以外ではほぼ時間停止状態という大人しい物になっているが、これはいわばゲームを安定させるためにリミッターをかけられている状態なのである。幾つかのMODではA-LIFE完全動作を謳っており、その結果どうなるかというと…
- 行ったこともないエリアでのNPCが死亡している
- 行ったことのある場所に再訪すると一角に死体の山が形成されている
- 実は死体の中に重要なNPCが紛れ込んでいて、結果一部のイベントが発生しなくなる
- 近くにトレーダーがいる場合、売りつけた武器を換金した小金持ちNPCが大量発生
- NPCが大移動して予想もしなかった場所で再会する(Wolfさんは運が良いと3エリアも移動する)
- 隠し武器が拾われ、回収のためその辺り一帯の奴らに話しかけるor敵なら喧嘩を売るハメになる
ネタ
カルト的人気のある本作はコミュニティ上での話題も尽きない。以下はよく目にすることのある話をまとめたものである。ゲーム内での奇妙な現象は「ゾーンでは○○なのに」「ゾーンではよくあること」といったように言われることもある。
銃が狙ったところに当たらない
本作は銃弾をシミュレートしており銃器によって弾速や落下距離、散弾率や故障率が変化する。特にゲーム内での安物の銃や、或いは高性能でも長距離になると影響は顕著になる。また本作では銃の劣化も再現されており、劣化が進むとジャム(不発)発生が多くなる。特に英国の某ライフルをモデルにした銃は、ある一面も忠実に再現されている。
放射能汚染はウォッカで治る
舞台がチェルノブイリ原発周辺ということもあり、廃棄された乗り物や廃墟の近くに長時間居ると放射能汚染にやられてしまうが(ゲーム的な話をすれば状態異常)、これはウォッカを飲むことで回復する。実際にアルコールには多少の効果があるらしいが良い子はマネをしてはいけない。また当然だが、飲みすぎるとプレイ画面が歪んでくるので、プレイヤーもリアルに酔う恐れがある。
さっちゃん(ミュータント)
正式名称は「Bloodsuccer(ブラッドサッカー)」で吸血鬼のこと。本作のナンバーワンアイドルでありメインヒロインである、ミュータント(突然変異生物)の一種。結構序盤で出てくる。攻撃寸前まで透明化しているが激しい吐息と足音が遠くから聞こえる。それがまた怖い。数々のプレイヤーがそのグロい姿形美貌によって本作を積みゲーにしてきた。慣れればそんなに恐ろしくないのだが(だけど怖い…)。
他にも、耳障りな鳴き声と数で攻めてくるのが厄介な元ネズミ「Rodent」、分身で襲いかかってくる人面犬「Chernobyl Dog」、あり得ない脚力と回し蹴りが特徴的なガスマスク野郎「Snork」、衝撃波を撃ってくる裸Gパンこと「Controller」、周りの障害物を投げたり、空中から火を吹く球電状の幽霊「Poltergeist」、そして超巨大グロ肉こと「Pseudogiant」などが強敵として有名。ミュータントにはショットガンが有効なので常に一丁は持っておきたい。
MODでは本編でボツになっていたミュータントが追加されることが多いが、『CoP』では双頭でジャンプ力が高く、走攻守共に高い「Chimera」、ローブ姿が特徴的な超能力で銃撃を無効化したり衝撃波でこっちの銃を落としてくる特殊能力に優れた「Burer」が正式に登場と相成った。この2種は正式採用に当たってはだいぶマイルドになったものの、それでもかなりの強敵である。
STALKER FOREVER
先に述べたようにSTALKERは最初のアナウンスから実際に発売されるまで4年間の間延期が繰り返されてきた。当時、発売延期を何年も繰り返していたことで悪名高かった「DUKE NUKEM FOREVER」に例えてこのように呼ばれていた。一応両方とも発売されましたね。
「グットハンティング ストーカー!」
「Good hunting , Stalker !」。発音をそれっぽく書いて「グドハンティン(グ)ストーカー」というものもある。プレイ序盤から付き合うことになるショップの親父の言葉で、Oblivionの「シャドウハイチュウ」みたいなものである。店で支度を済ませ、死と隣り合わせの危険な世界に飛び込むまーくんの背中に掛けられる暖かい親父の声はプレイヤーにウォッカ以上の効果をもたらしてくれている。
「ゲタウトヒア ストーカー」
「Get out of here , Stalker !(ここから出て行け!ストーカー!)」。BarにいるあるDuty兵に言われるセリフ。「Get out here」でも同じ意味にとれるので大変ややこしい。文法的に詳しくは意味が違うらしい。一般に「ゲタウトヒア」というof無しのとこちらを指すことも多いので本当にややこしい。この台詞は何故か海外でもそれなりにウケているようで、外人のMADがようつべにある。
反対にBar入り口では警備に「アセコミン!ドンスタンゼア!アセコミン!」と言われる。こちらは「I said come in, don't stand there ! I said come in !(そんなところ突っ立ってないで中に入れよ!)」の意味。
「ンー、マツオバショウ!」
日本の和の文化はゾーンにまでも浸透しているものと思われる。ロシア語のセリフの空耳で、正確には「У, мать вашу!」「このクソが!」と言っている。
「パマギーチェ(ポマギーチェ)!」
怪我で動けないストーカーが言う「助けて!」という意味のロシア語で、ゾーンではよく耳にする。回復アイテムをあげずに放っておくといつのまにか死んでいる。ちなみに、生きている人とは金と物を交換しなければならないが、死体からはタダで物が取れる(盗れる)。
「イディーカムニエー」
ゾーン最深部、願いをかなえるという願望機「モノリス」が設置されたチェルノブイリ原子力発電所の「石棺」でどこからともなく聞こえる言葉。「我が元へ来い」というようなロシア語。この言葉も含めた文章がモノリス内では何度も繰り返される。耳に残る渋い響く声がプレイヤーの脳にこびり付く。
「グラナータ!」
英語で言えばグレネード、つまり手榴弾のことで「手榴弾が来たから気をつけろ!」ということになる。
ドラムーチェ
「たとえプレイヤーがドラム缶を撃ちその爆発で誰かを殺してもそれは事故扱いとなる」ということから、自分が殺したことにしてはまずい暗殺任務で大変役にたつ(後述のように、特定派閥と敵対する可能性があるため)。ポマギーチェからもじったものと思われる。
「JOIN DUTY!」
中盤からは上述のDuty派閥の本拠地を拠点に動くことになるのだが、そこでは絶えず「死を呼ぶアノーマリー!恐るべきミュータント!無政府主義者にチンピラども!その全ては、この星を守るDutyの正義の進撃を止める事はできない!!」というような勧誘メッセージが放送されている。その〆が「JOIN DUTY!」である。ぶっちゃけうざいが聞いているとだんだん癖になってくる、JOIN DUTY! ちなみに敵対するFreedomにはこれといった名台詞は無かったが、続編のクリアスカイで「キャムキャム、シュメ~リキャンタリーゼンシュメ~リキャンタリーゼン」「Freedom together!Join us!」が実装された。
NPCの自殺・怪死
焚き火はストーカーたちの憩いの場であり、ギターを弾いていたりソーセージをがっついていたりする。しかし、『SoC』ではAIの特性のため、NPCが焚き火に突っ込んで焼身自殺を遂げるということがよく発生する。
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また、本作の特徴である生態系管理システム「A-LIFE」によってNPCは自発的に活動しており、暗殺依頼を受けたらターゲットがいつの間にか死んで任務達成になったり、逆にストーリー進行に欠かせないキャラが食い殺されて進行不能オワタ\(^o^)/となる場合がある。 『SoC』では序盤で世話になるWolfさんの後半での死にっぷり(おもにドラム缶が原因)や、死んでしまうとフリープレイに突入する羽目になる『CS』のHogさんが有名[1]。
ボルト
防護服や護身用の銃とともに危ないZONEをうろつくストーカー達の必需品。
ZONE内部にはあちこちでアノマリーという謎の物理現象(一種の自然発生的トラップ)が多数発生しており、間違って踏み込めば火焔が噴き出す、酸が噴き出す、さらには謎の重力凝縮場に捕まって虚空へ持ち上げられて粉砕されるとかなり危険。一応アノマリー探知機があるものの、正確な位置は分からない。そのため、熟練STALKERたちはアノマリーの近くを通る際にはあらかじめボルトを投げて進む方向が安全かを確認する。
なお、弾数やアイテム管理が厳しい本作であるが、ボルトだけは重さが無く、数の制限もない。またボルトと言う割には比較的デカい。きっと新種のアーティファクトで出来ているに違いない。
挿入歌
FPSに名曲ありと良く言うが、本作でも『SoC』のBar付近でラジオから流れてくる「Dirge for the planet」が有名。ウクライナのバンドFirelakeのサイトで視聴可能。タイトルは「惑星(地球)への鎮魂歌」という意味で、歌詞も汚染された世界への悲しみと汚染前の時代への郷愁を思わせる悲しい内容だが、その美しい歌声にひとときの癒やしを感じるSTALKERも多いとか。また、『CoP』のエンディング曲『Live to Forget』も良曲だが、エンドクレジット中に突然途切れることで有名。
MOD
STALKERは発売から年月が経過しているものの、その人気は全く衰えてなく2017年現在でも数多くの大型MODが公開・開発中である。ロシアのファンサイトや大手コミュニティのModDBが中心で、ModDBの人気ランキングの常連である。これは日本国内のコミュニティも例外ではなく、過去には大型国産MODが制作されたこともあり、現在でも技術資料の共有や大型MODの日本語化MODが制作されている。
MODにはエンディング後のフリープレイを追加するもの、リアルな武器を多数追加するもの、製品版では削除された要素を復活させるもののほか、制約を外して行動しやすくなるもの、ダメージ判定・ミュータントの出現数などをいじって本編以上にマゾくするものなど様々なものがある。(※使用されているX-Rayエンジンの都合上、レンダリングに丸々数日かかってしまうためマップの作製だけはほとんど行われていない)
また、GSCはユーザーによるゲームコンテンツの利用を非商用目的に限って許可しており、開発中のBuild 1935の内容を製品版に移植したもの、ゲーム本体を必要としないスタンドアローン作品、シリーズ全体をひとつに統合したものといった大型MODが数多く公開されている。SDKやソースコードも公開されており、ゲームシステムを大きく変更するMODも開発中である。
- ModDB S.T.A.L.K.E.R. Shadow of Chernobyl
- ModDB S.T.A.L.K.E.R. ClearSky
- ModDB S.T.A.L.K.E.R. Call of Pripyat
関連項目
- ゲームのタイトル一覧
- Steamで販売中のゲームの一覧
- FPS
- Metro2033
(同じくウクライナ産のFPSの代表作のひとつ。ゲームエンジンの開発者が一部同じぐらいで大きな関わりはない別作品だが何かと一緒に語られることは多い。) - 裏世界ピクニック
(本作から、および本作の元ネタの一つである小説『ストーカー』からの影響を受けたと作者が表明している日本の小説。「ボルトを投げて安全を確認しながら進む」シーンなど、明示的なオマージュもある。)
関連リンク
脚注
子記事
兄弟記事
- なし
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- 0pt