SBDとは、アメリカ海軍が第二次世界大戦時に運用した急降下爆撃機(艦上偵察爆撃機)のひとつである。
概要
本機の通称はドーントレス。「不撓不屈」を意味する言葉であるらしい。
航空機メーカー・ダグラス社が開発し1939年に量産開始、1940年には配備が始まった。しかし当時欧州戦線を席巻していたJu87スツーカの活躍ぶりを知った開発局は再度の改良を指示し、SBD-3という改良型として本格的な追加配備を始めた。これが大戦に入ると決定版のごとく使用される。
大戦初期のアメリカ軍にしては珍しく、枢軸側急降下爆撃機(特にここでは九九艦爆)と互角か、または上回る性能を有していた。航続距離も良好な部類であったほか、急降下爆撃機としてはいち早く着陸脚を飛行時に引き込む構造にしたことで空力性・運動性の優位を獲得していたことも特筆に値する。
武装としては爆弾搭載量最大545kg、後方機銃座のほかに前方にも12.7ミリ固定銃2丁を持っていたため、場合によっては敵航空機に向かっていく勇敢なパイロットもいた。坂井三郎搭乗機のゼロ戦に銃撃し坂井に重傷を負わせたのもこの機体だとされている。
太平洋戦線における機動部隊所属機は、珊瑚海海戦にて軽空母祥鳳を撃沈し、ミッドウェー海戦にて空母赤城・加賀・蒼龍を撃沈するなど、米空母の数がまだ揃わなかった時期の戦いでの最大の功労者となっている。
本機はアメリカの基地航空隊や航空母艦に供給されたほかに、陸軍、イギリス軍にも供給例がある。陸軍航空隊(のちの空軍)に配備された機体は艦載機用装備を外し、形式もA-24→F24と改称されて使用された。ここでの通称は「バンシィ」に変わった。
後継機であるSB2CヘルダイバーやAD-1スカイレイダーの登場によって空母艦載機としては引退することになったが、海兵隊などに後期生産型の補充が続き、太平洋戦線において最初から最後まで戦場にあり、戦いの推移を見届けた生涯であった。
話がそれてしまうがわりと有名な俗説として、アニメ「機動新世紀ガンダムX」の敵メカ「ドートレス」の元ネタはこのドーントレスだという話がたまに出てくる。しかしこれは誤り(正しくは『同トレス』がルーツ)である。
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