sfc(湘南藤沢キャンパス)とは、
魅惑のキャンパスである。
概要
SFC(湘南藤沢キャンパス)とは、神奈川県藤沢市に存在する慶應義塾大学のキャンパスである。しかし、SFC生にとって「SFC」とは単なる地名ではなく、そこに存在する学部や研究科、さらには独特の文化や価値観全体を指す言葉である。
しばしばそのアクセスの悪さから「陸の孤島」「日本の辺境」などと自虐的に(あるいは親しみを込めて)呼ばれるが、日本の大学教育における革新的な試みが数多く行われてきた場所でもある。
慶應義塾大学での立ち位置
1990年、慶應義塾創立125周年を記念事業として「第3のキャンパス」として開設された。奇しくも同年、任天堂からは「スーパーファミリーコンピュータ」、略して「SFC」が発売されている。狙ったんか。
既存の学部・学科の枠組みにとらわれない、全く新しい学問領域を創造する実験的な場としての役割を担っている。伝統と格式を重んじる三田キャンパスや、文武両道を体現する日吉キャンパスとは対照的に、SFCは「問題発見・解決」を理念に掲げ、学生の自由な発想と創造性を最大限に尊重する文化が根付く。インターネット研究の第一人者である村井純氏や、その他にも多種多様な分野のパイオニアが教員として集結している点も特徴。
学部・研究科
総合政策学部 と 環境情報学部
SFCの心臓部であり、一般的に「SFC生」と言えばこの2学部の学生を指すことが多い。両学部は入学時の入り口こそ違うものの、設置されている講義のほとんどを相互に履修可能であり、その境界は極めて曖昧である。
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総合政策学部: 主に政治、法律、経済、経営、社会、言語文化、デザインなど、人文・社会科学的アプローチから「問題発見・解決」を目指す。入試問題で、社会問題や政策方面での小論文がテーマになることが多い。
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環境情報学部: 主に情報科学、認知科学、生命科学、先端技術、デザインなど、自然科学・情報科学的アプローチから「問題発見・解決」を目指す。入試問題で、日常の不便さや不条理に対して、どのようにアイデアと技術で解決させるかを問うてくるようなテーマが多い。
看護医療学部
2001年に設置。SFCが培ってきた情報科学や問題解決の手法を、看護・医療・健康の分野に応用することを目指す。他2学部とは異なる専門的なカリキュラムを持つが、SFCの文化を共有する一員である。
大学院 政策・メディア研究科
学部での学びをさらに発展させるための大学院。学部生との距離が近く、優秀な学部生が早期卒業して大学院に進学するケースも少なくない。学部の授業が受けられるほか、大学院の授業を学部生が履修する(単位にはならないので、相応の熱量をもった生徒が受講する)ケースもしばしば。
SFC中等部・高等部
キャンパスに併設されている中高一貫校。自由な校風で知られ、内部進学によってSFCの文化に深く染まった「SFCネイティブ」とも言うべき学生を大学に送り出している。なんかめっちゃ青春してる。
なお、彼らの登下校の時間が決まっているので、その時間帯になると、バス停が劇的に混み合う。1限と3限あたりには要注意。
施設
キャンパス全体の設計は、プリツカー賞受賞経験もある建築家の槇文彦氏によるもの。「丘の上のキャンパス」をコンセプトに、建物が斜面に沿って配置されているのが特徴。
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鴨池: キャンパスのほぼ中央に位置する池。SFCの象徴的な風景であり、学生や教職員、そして鴨たちの憩いの場となっている。
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ギリシア文字の校舎: 本館やメディアセンターを除き、各校舎にはα(アルファ)、β(ベータ)、γ(ガンマ)…といったギリシア文字が割り当てられている。SFC生は教室移動の際、「次の授業はイプシだわ」といった会話を交わす。メディアセンター(図書館)を抜けて直進した先に並ぶ四つの校舎は右から、κ(カッパ)、ε(イプシロン)、ι(イオタ)、ο(オミクロン)と名付けられている。そう、「KEIO」である。自力でこれに気付いた時には、さすがに脳汁が出た。
(出典: 慶應義塾大学公式サイト 槇文彦とSFC
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アクセス
SFCを語る上で避けては通れないのが、そのアクセスの悪さである。最寄りの湘南台駅(あるいは東海道線辻堂駅)からキャンパスまではバスで約15分〜20分。朝のバス待ちは長蛇の列となり、雨の日のバス車内は地獄絵図と化す。この隔絶された環境が、逆にSFCのコミュニティとしての結束を強めている側面もある。日吉に通うやつらよ、一回こっち来い。
学生の雰囲気
「自由」と「多様性」を体現したような学生が非常に多い。AO入試(現:夏秋AO入試)で入学した、特定の分野で突出した才能を持つ学生(通称「AO勢」)が数多く在籍しており、起業家、プログラマー、デザイナー、アーティスト、研究者など、学生時代から多彩な活動を行う者が後を絶たない。
服装は極めて自由で、ノートPC(特にMacBook)は「SFC生の制服」と揶揄されるほど普及している。日常会話に専門用語や意識の高いカタカナ語が飛び交うこともあるが、みんなそんなに深く理解して使っているわけではないので、安心して「ぶって」いこう。
(出典: 慶應義塾大学SFC公式サイト
各学部・研究科情報)
関連項目
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