シーメンス(SIEMENS)とは、ドイツのバイエルン州ミュンヘン(独:München)に本社を置く企業である。
本社を置くドイツの公用語、ドイツ語の読み方では「ジーメンス」であるが、近年ドイツ語圏以外でこの名前で呼ばれることは少なくなった(日本の公式ウェブサイトも「シーメンス」で統一されている)。
概要
電気電子機器の開発と製造を主力業務とした企業であるが、そのほかにも機械、インフラ、医療、金融などさまざまな分野に参入しているコングロマリットであり、また世界の国々のうち190ヶ国に拠点を持つ多国籍企業である(形態が似た企業に、アメリカのゼネラル・エレクトリックや日本の東芝や日立などがある)。
日本においてコンシューマー向け製品は長らく補聴器しか取り扱っておらず(ちなみに補聴器事業は2015年にシーメンスからスピンアウトした)、それほど知名度が高い会社とはいえないが、1861年に当時の江戸幕府に電信機を献納したときから、日本と深くかかわっている会社である。
ニコニコ動画では鉄道車両に搭載されるVVVFインバータ制御装置が有名であり、「シーメンス」のタグが付けられた動画も鉄道関連のものが大多数を占めている。
かつて古河電気工業と合弁で富士電機を設立した経緯からか、富士通と合弁でコンピュータメーカーを設立したが現在は合弁を解消している。
鉄道車両
鉄道車両メーカーとしてはフランスのアルストム、カナダのボンバルディアと並ぶ「ビッグスリー」の一社であり、そのシェアは世界で製造される鉄道車両全体の約2割を占める(日本では、国内メーカー各社の合計で1割程度)。
シーメンスが製造する電気機関車のシリーズ「ユーロスプリンター」は、オーストリアの「タウルス」をはじめとしてヨーロッパ各地の鉄道事業者が導入・運行している。また、超低床路面電車のシリーズ「コンビーノ」もシーメンスの傘下で製造されており、日本では広島電鉄が5000形「グリーンムーバー」として導入した。
ドレミファインバーター
加速・減速時に「ドレミファソラシド」の音階を放つVVVFインバーター制御装置を製造している。先述の電気機関車「ユーロスプリンター」のほか、日本の車両ではJR東日本のE501系、京急の2100形・新1000形に搭載された(実際の音階は車両によって異なり、日本の搭載車の場合は「ファソラシ♭ドレミファソ」の音階が流れる)。
鉄道ファンの間では、「ドレミファインバーター」もしくは「歌う電車」の愛称で呼ばれている。但し、日本では最近になって機器更新によって国内メーカー製インバーターに換装されてきているので、歌う電車の数は確実に減少している。
ちなみに、音階が流れるのはGTO-VVVFの搭載車のみであり、シーメンス製であってもIGBT素子を使用する車両では音階は発生しない(こちらは京急新1000形の4次車などに搭載されている)。
関連動画
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関連項目
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