概要
熊本駅~人吉駅間を鹿児島本線・肥薩線経由で運行する臨時観光列車である。8620形蒸気機関車で50系客車を牽引するSL観光列車であり、土曜・休日、ゴールデンウイークなど、毎年3月から11月までの期間の運転日に、1日1往復する。
牽引機である58654(8620形)は、肥薩線矢岳駅に静態保存されていた蒸気機関車である。1988年より「SLあそBOY」として運行開始されたが、2005年に故障が発生し「SLあそBOY」牽引機から引退。復活に向けて小倉工場で修復が行われ、2009年4月25日より「SL人吉」が運行を開始した。
客車は、50系客車700番台。オハフ50 701、オハ50 701、オハフ50 702を使用する。「SLあそBOY」として使用されていた客車を「SL人吉」用として改造された。外装は黒色を地色とし、金色のロゴマークがつけられている。内装は難燃性木材を使用しており、レトロで温かな雰囲気を醸し出している。座席は2人掛けまたは4人掛けのボックスシートであり、全席に折りたたみ可能のテーブルが備え付けられている。また、編成の両端部には展望ラウンジが設置されており、自由に使用することができる。
週末や繁忙期を中心に運行されており、8620形が使用できない場合はDE10形で「快速人吉」として運行する。熊本車両センター(熊クマ)と人吉駅構内に転車台が設置されており、人吉駅では転車する様子も見ることができる。
また、全車指定席で、料金は乗車券と指定席券(820円)が必要となる。青春18きっぷや旅名人の九州満喫きっぷも指定席券を購入することで利用できる。
ちなみに、SL人吉の列車種別は「SL」である。大抵のSL列車は「快速」として運行されることが多く、SL人吉も快速列車扱いで運行されているが、SL人吉はあくまでも「SL」である。[1]
2020年7月3日の豪雨の影響で肥薩線が不通となったため、2021年からは鹿児島本線・熊本駅〜鳥栖駅間で運行している(鳥栖駅で蒸気機関車の方向転換ができないため、復路はディーゼル機関車が牽引して最後尾にSLが連結する)。また、2020年11・12月には熊本駅から博多駅までの片道運行で「SL鬼滅の刃」として運行された(『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』とのタイアップ)。
牽引する56654号機の老朽化が激しいことから、2023年度をもって運行を終了する予定である。「人吉」を通る肥薩線に戻れることなく引退を迎えることになった。
「SL人吉」データ
- 会社:JR九州
- 運用線区:鹿児島本線・肥薩線
- 運転区間:熊本駅~人吉駅(1往復)
- 車両:8620形蒸気機関車・50形客車
- 編成図
←人吉駅 熊本駅→ 1号車 2号車 3号車 展 指 指 b 指 展 - 停車駅
参考として同区間を運行する特急「かわせみ やませみ」も記載する。
●は全列車停車、-は通過。
駅名 熊
本
駅新
八
代
駅八
代
駅坂
本
駅白
石
駅一
勝
地
駅渡
駅人
吉
駅SL人吉
[熊本~人吉]● ● ● ● ● ● ● ● かわせみ やませみ
[熊本~人吉]● ● ● ● - ● ● ●
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関連コミュニティ
関連項目
- 鉄道列車名一覧
- JR九州
- 8620形
- 鹿児島本線・肥薩線
- SL鬼滅の刃
- かわせみ やませみ / いさぶろう・しんぺい - 同区間を運行する特急列車
- SL人吉 | JR九州の列車たち ~JR九州 観光列車【D&S列車】・新幹線~
脚注
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