Slayer(スレイヤー)とは、1981年にアメリカのロサンゼルスで結成されたスラッシュメタルバンドある。
概要・音楽性
Metallica,Megadeth,Anthraxと共にスラッシュ四天王(海外ではBig 4)と呼ばれる。
他の四天王に比べると、特にスピード厨であり最も凶悪かつ過激。BPMが200を超える曲はザラであり、当時は「世界最速のバンド」とされた。単に速いだけではなく鬼気迫るヴォーカル、殺傷力抜群のリフ、速さと巧みを兼ね備えた猛烈なドラミングが徹頭徹尾展開され、世界中のメタルファンを虜にしていく。
デビューから今に至るまで歌詞やアルバムジャケットに死、自殺、精神異常、死体、サタニズム、連続殺人犯、戦争、社会問題などの内容を取り上げ(特に「Angel of Death」など。ナチスの凄惨な人体実験の模様を歌った物)、それらを巡ってアルバムの発売延期など世界中から非難を浴びたりしたが 現在はそう言った歌詞も「Slayerらしい」と言われるまでになる。
後のデスメタル/ブラックメタル等のエクストリーム・ミュージックに多大と言っても余りある影響を与え続けており、また90年代中盤のスラッシュメタル衰退期で多くのバンドが音楽性を変える中、妥協せずにスラッシュメタルらしいスタンスを続けてきた事も高く評価されている。
日本のファンからは敬意を持って「帝王」と呼ばれる。
ニコニコ動画では何故か「癒し系」「子守唄」などのタグがつく。 また、ライヴ動画のギターソロパートでは頻繁に「字幕モッシュ」が発生する。
メンバー
- Vo/Ba トム・アラヤ(Tom Araya) 1981年~現在
- 本名トーマス・エンリケ・アラヤ。アメリカ育ちであるが、チリ生まれチリ国籍のチリ人である。頭髪もチリ毛である。元医学系療法士という異色の経歴を持つ。音程を持たない吐き捨てボーカル、ドスの聞いたシャウトが特徴であり、2006年にHit Parader誌のTop 100 Metal Vocalists of All Timeに選ばれるなどメタル界でも定評がある。頭を∞状に回転させるようなド派手なヘッドバンギングに定評があったが2010年辺りに首に深刻なダメージが蓄積していることが判明し現在は行なっていない。
- 悪魔崇拝やアンチクライストの歌詞を幾度と無く歌っているが、実は経験なクリスチャンである。GOD HATES US ALL(神は俺達全てを憎む)というタイトルについて尋ねられた際、「神は俺達を憎んだりはしないけど・・・かっこいいタイトルだろ?」とニッコリと笑みを浮かべた。
- 尚、彼はヴォーカリストよりベーシストとしてのキャリアが長いため、ベースの腕前もかなりのものである。シンプルなベースラインのため目立つことは無く、派手なテクニックを披露することもない。本人も堅実でミスが無いプレイを心がけているとのこと。謙虚でかっこいい。初期の頃はフィンガーピッキングであったが現在はピック弾きである。
- アラヤという苗字から日系人と誤解されがちだが、正真正銘のチリ人である。アラヤというのはチリではポピュラーな苗字だそう。また、最近になってトム自身も日本語で当て字ができることに気付き、「荒矢」と右腕にタトゥーを彫っていたりする。
- 使用ベースはESPシグネチャーモデル。PUはEMG-35DCx2。使用アンプはAmpeg SVT-2proと810Eだったが2010年辺りからMarshallを使用するようになった。
- Gt ケリー・キング(Kerry King) 1981年~現在
- スキンヘッド、団子状のヒゲ、右腕のトライバル柄のタトゥーが特徴の豪腕ギタリスト。見た目が派手な為非常に見分けやすい。昔はロン毛であったが中期あたりから頭髪に残念な兆候が現れ始め、潔くスキンヘッドにする。初期は左腕にトゲトゲのロングリストバンドを装着していたが、あまりの重さに腱を痛め、やめる。見た目はゴツくて怖そうだが、ファンには非常に優しい。また動物好きとしても知られる。Slayer自身過激な音楽のためラジオでもあまり流してもらえず本人もそれを愚痴っていたが、日本の音楽バラエティー番組にちゃっかり出ちゃうお茶目さん。本国では考えられないことらしく、YouTubeでは外国人のたくさんのコメントが付けられた。
- 使用ギターはB.C.Richのシグネチャーモデル。PUはEMG81/85。彼のギターにはEMG-PA2をブースターとして搭載している。使用アンプはMarshall JCM-800 2203KK。
- Dr ポール・ボスタフ(Paul Bostaph) 1992~1996年,1997~2001年,2013年~現在
ベイエリア・スラッシュの雄Forbiddenのドラマーとして活躍。脱退したデイヴの代わりにアルバム"Divine Intervention"より加入。一度脱退するがすぐに再加入、その後2001年の"God Hates Us All"までバンドを支え続けた。デイヴと同様サポート経験な凄腕ドラマーであり、Slayer脱退後はExodus、Testament等にも在籍。
2013年、解雇されたデイヴの代わりに再々加入。
- Gt ジェフ・ハンネマン(Jeff Hanneman) 1981年~2013年
ブロンドのロン毛、アメフト風Tシャツ、スネの黒のレガースが特徴。昔はスマートなイケメンであったが、今はメタボ巨漢に仕上がっている。またSlayerの曲のおよそ7割は彼の作曲であり、優れたリフ・メーカーとして尊敬する人も多い。ハードコアパンクが大好きで、結成当時は嫌がるメンバーに無理矢理ハードコアを聴かせていた。結果Slayerの音に攻撃性が生まれることに。インタビューなどは、おしゃべりの相方ケリーに任せて自分は黙っていることが多いが、口を開くと嬉しそうに下ネタ中心のジョークを飛ばす。
2011年初めに右腕をクモに噛まれ重篤な感染症にかかる。その後皮膚の移植手術を受けた後にリハビリをしていたが、2013年5月2日、肝不全のためこの世を去った。享年49歳。なお死因は長年のアルコール摂取によるものであり、感染症との因果関係はないとのこと。安らかにご永眠されますようお祈りいたします。
なお彼の代役はExodusのゲイリー・ホルトが務めている。
使用ギターはEspのシグネチャーモデル。PUはEMG81/85。EMG-SPCをギターに搭載。ヘッドアンプはMarshall JCM-800。 - Dr デイヴ・ロンバード(Dave Lombardo) 1981~1986年,1987~1992年,2002~2013年
スラッシュメタル界でも指折りの凄腕ドラマー。キューバ生まれのアメリカ人。高校生のときに近所に住んでたケリーと意気投合し、Slayer結成の最初の一歩となる。脱退したり加入したりせわしない。ドラマーとしては経験も豊富でPhantomusやTestament、あの変態チェリスト集団Apocarypticaにも所属していたり、KreatorのミレらとともにVoodoo Cultを結成したりして話題を呼んだ。脱退してSlayerに居ない頃はケリーに「あいつは最低な野郎だ。」と好き勝手言われが、正式メンバーとして迎え入れる辺り、ケリーはツンデレであると思われる。
2002年、10年ぶりにバンドに復帰した際は各種メディアで「オリジナルSlayerの復活」と騒がれ、その後の10年はまさに鬼神と呼ぶに相応しいドラミングで多くのファンを魅了し続けた。しかし、2013年に入り、ビジネス上の問題からツアーに参加しないことをfacebookで発表、その後バンドから解雇される。
使用ドラムは長らくTamaであったが2010年からDdrumを使用する。しかし翌2011年の夏からラディックを使うようになる。 - Dr トニー・スカグリオン(Tony Scaglione) 1986年
元Whiplashのドラマー。86年のツアー中、デイヴが家庭を大事にするという理由で脱退した際に加入した。だが結局デイヴが復帰することになった。 - Dr ジョン・デッティ(Jon Dette) 1996~1997年、2013年
96年ボスタフが脱退した際に加入。元Testament(Legacy)のドラマー。他のバンドメンバー曰くしっくりこなかったため、ボスタフが呼び戻されることに。その後ジョンはTestamentに再加入。2013年のデイヴ脱退時にも一時的にサポートを務めた。
関連動画
関連商品
関連項目
- 3
- 0pt