『STAND BY ME ドラえもん』とは、映画ドラえもんシリーズの一作。2014年8月8日公開。
第38回日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞受賞作。キャッチコピーは「ドラ泣き」。
概要
『ぼく、桃太郎のなんなのさ』以来となる夏に公開された作品で、かつドラえもん初のフルCGアニメーション映画。制作は監督の山崎貴・八木竜一を始めとする『friends もののけ島のナキ』のスタッフが再集結して行われた。声優陣は2005年版の、いわゆる「わさドラ」のメンバーが引き続き担当している他、トヨタのCMで大人になったのび太を演じた妻夫木聡が大人のび太役で起用されている。
これまでの映画は日常とは離れた世界へ冒険へ向かう作品が多かったが、本作はドラえもんがのび太の家にやって来た場面から始まり、原作短編7本(+α)を元にストーリーを再構築されている。基本的にはのび太の成長やしずかとの恋愛、ドラえもんとの友情を中心とした構成になっている。いくつかは声優交代前に短編映画化された話もある。
劇場公開時は3D上映も行われたが、ソフト版では未収録となっているため劇場で鑑賞した人は少しお得である。
元となった作品
- 未来の国からはるばると (てんコミ第1巻・1話)
- ある日、平凡な少年野比のび太の机から飛び出したのは、未来から来たロボット・ドラえもんだった。ドラえもんはのび太の未来を変えるために来たというが…!?記念すべき第1話。
- たまごの中のしずちゃん (てんコミ第37巻・15話)
- 出木杉と仲良くするしずかを見て嫉妬したのび太は、ドラえもんの道具「刷りこみたまご」でしずかが自分を好きになるようにしようとするが…。
- しずちゃんさようなら (てんコミ第32巻・18話)
- 自分と結婚するとしずかは不幸になると思ったのび太は、しずかに嫌われるためドラえもんの道具「虫スカン」を飲む。ところが飲み過ぎてしまい…。
- 雪山のロマンス (てんコミ第20巻・18話)
- しずかが本当に自分と結婚するか心配になったのび太は、タイムテレビで婚約する直前の二人を見る。しかし、しずかはのび太とケンカして一人雪山へ向かい、さらに仲間とはぐれてしまう…。
- のび太の結婚前夜 (てんコミ第25巻・15話)
- 出木杉にしずかをとられるのではないかと心配になったのび太は、二人の結婚前夜を見に行くことにする。ところが、しずかはなぜか沈んでおり…。
- さようなら、ドラえもん (てんコミ第6巻・18話)
- ある日、ドラえもんは突然帰らなければならなくなったと言い、のび太は引き止めようとする。その夜、眠れなかった二人は一緒に夜の町を散策する。
- 帰ってきたドラえもん (てんコミ第7巻・1話)
- ドラえもんが帰ってからしばらくたったある日、ジャイアンからドラえもんに会ったと聞いたのび太はおおはしゃぎ。ところが、それはエイプリルフールの嘘で、傷ついたのび太はドラえもんが残した道具で仕返ししようとする。
続編
続編として『STAND BY ME ドラえもん 2』が2020年11月20日に公開された。本作オリジナルであるのび太としずかの結婚式当日の話をベースに『おばあちゃんのおもいで』、『ぼくの生まれた日』などの原作短編4本を再構築している。キャッチコピーは『のび太、逃げた。』、IMAX版が『ドラ泣きマックスIMAX』。本作は3D上映が無い代わりにIMAX上映が実施された。
前作の興行収入が83.8億と言うこともあり、期待されていた本作だが、キャッチコピー(やそれを用いた予告)に批判が出たことや、同スタッフが作った『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』の影響、6年経過して3Dのドラえもんの目新しさが薄れたこと、公開時期が閑散期の11月となったことで(当初は8月公開予定であったが、『のび太の新恐竜』が延期した影響で公開が遅れた)、大きく観客を落とすことになった[1]。また、肝心のIMAX上映であるが、料金が高額となることや、内容がIMAXとはほど遠いと考えられて敬遠され、わずか数週間で上映が終わることになった[2]。
内容そのものは賛否両論あり、一概に悪かった訳ではないようである。
関連動画
関連商品
関連項目
脚注
- *コロナ禍の中での封切りが観客数が落ちた理由とする意見もあるが、同時期に公開された『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』の観客数が非常に多く、それに関しては大きな理由ではない。
- *『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』のIMAX上映が好調であったほか、それまで上映していた『TENET テネット』のIMAX上映の復活要望もあり、それらの作品の上映回数を確保する必要が出てきたのも理由の1つである。
- 2
- 0pt