If you somehow get lucky (or unlucky) enough to reach the Backrooms, you'll most likely find yourself in Level 0.
Basics of the Backrooms: A Guide | Backrooms Wiki | Fandomより,2022/10/12閲覧
The Backrooms (バックルームズ)は、英語圏発祥のシェアード・ワールド創作コミュニティ。
主にインターネット上で、この世の裏の世界「Backrooms」についてを主題とする創作都市伝説 (Creepypasta) として語られる。
概要
The BackroomsはContatainment Fiction (封じ込め創作) の一種である、Liminal Fictionとして区分され、またその最初にして代表的な創作コミュニティである。
どこかへ続いている無人の廊下や、薄暗い家の中、商品の並んでいないスーパーマーケットなど、一見すると平穏だが何らかの不安を掻き立てる風景(Liminal Space、リミナルスペース)の写真に対する、「もしこの場に突然一人で置き去りにされ、どこまで歩いても同じ風景が続いていたら」「この風景の中を彷徨っているうちに、危険な何かと出くわしたら」などといった空想が原点となっている。
ただし、「原点となっている」だけで以後はLiminal Spaceに関する妄想文化とは乖離していき、別の創作コミュニティとして成立を見ている。我々が普段生活している現実世界 (Frontrooms) から外れた空間異常 (Backrooms) の中での生活のため、先人たちが書き残してくれた各階層 (Level) の情報ログという体裁の創作と、それにまつわる物語 (Tale) が作品の軸となる。SCP Foundationをご存じの方であれば、異常なアノマリー (Object) の代わりに異常な領域 (Level)を中心とした創作と言えば理解しやすかろう。
すべての始まりとなったのは2019年5月に海外サイトの4chanにて投稿された一枚の風景画像。「不安を掻き立てる画像」という趣旨で、建造物の内装の写真が投稿された。少しだけ角度をつけて撮影された風景はダマスク柄と思しき壁のクリーム色を中心とした色調で、空間はいくつかの壁に隔てられながらもどこかへと続いている。天井では一定間隔に並んで埋め込まれた長方形の照明が空間を照らしており、手前で空間を大きく隔てている壁の足元近くにはコンセントが付いているが、それ以外に家具や人物などは一切映っていない。このクリーム色の内装写真が最も有名な「The Backrooms」のモチーフとして共有されており、例えばYouTubeではKane Pixelsを始めとする動画クリエイターがこの風景を基にしたホラー短編動画を公開している。同じモチーフを基にしたホラーアドベンチャーゲームも多数作られており、Steamなどで公開されている。
The Backrooms世界ではこのクリーム色の部屋は「最初の部屋 (Level 0)」であり、ここから物語ははじまっていくのだ。
Backroomsについての詳細
Backroomsにいくには (行きたいかどうかは知らないが) 、現実世界でNoclipすることが必要となる。Noclipとは、簡単に言えば壁抜けバグのようなものであり、高速で走って壁と壁の隙間にうまるような行動である。他にも、普段存在しないはずの場所にあるドアや、局所的に暗い空間などはBackroomsに通じているようだ。
こうして運良く――あるいは運悪く現実の狭間にたどり着いた人は、大抵はLevel 0と呼ばれている黄色い、じっとり濡れたカーペットとハム音の響く空間に辿り着く。なお基本BackroomsからFrontroomsに戻ることは出来ない。ここはあなたの新しい家です。実際には帰ったとされている人もいるらしいのだが、あくまで噂話の域を出ない。人間たちは身を寄せ合いグループを作り、互いに同盟を組んだり争ったりしながら生活している。なお主要グループのMajor Explorers Groupが6億人程度のメンバーを抱えていたり、Level 5にはサンフランシスコ地震やタイタニック号沈没事故の犠牲者らしき人がいることから、異なる次元・時空の人々が紛れ込んでいるらしい。こうなると、現実に戻れるという話にも「自分の住んでいた時間軸、地域に帰れる」という保証さえなく、本当に諦めて身を落ち着けたほうがいいのかもしれない。
各階層ごとの移動はそれぞれのドアや道、穴などから可能であり、場合によってはNoclipも有効手段となる。Backrooms内でのNoclipはFrontroomsでのそれより簡単らしいが、運が悪いとThe Voidと呼ばれる虚無に滑り込んでしまう。
Backroomsには人間の他、エンティティと呼ばれるバケモノが出現する。人間に危害を加えるものから友好的なものまで多種多様。有名所ではハウンド、スマイラー、フェイスリングといった物が入る。
またBackroomsではそういったエンティティや各階層でのトラブルを対処できるオブジェクトも存在している。特にさまざまなデバフや呪いを解除でき、治療にも使え、Backroomsでの貴重な飲料にもなるアーモンドウォーターは最重要オブジェクトであろう。逆にこれ以外の飲料がほぼ無いために便利にも関わらず消費量も半端ないのだが。
創作コミュニティについて
The Backroomsについての創作を行うコミュニティはひとつではない。Googleで検索すればいくつものコミュニティが検索にひっかかるだろう。だがその中でも主要コミュニティと言えるのが、Fandomに作られた「Backrooms Wiki」(以下、Fandom版Backrooms) と、Wikidotに作られた「The Backrooms Wiki」 (以下、Wikidot版Backrooms) である。前者は左上タイトルこそThe Backrooms (定冠詞あり) なのだが、Wiki名をはじめ定冠詞がついていないこともあり、こちらを正式名としているようだ。
もともとFandom版が先に産まれたのだが、FandomはRating制度がないため、良い記事も低品質な記事も玉石混淆状態となっていた。これを忌避し、先駆者であるSCP FoundationのようにRating制度を導入したのがWikidot版である。よってこの2Wiki (及び両者からの派生の他の小規模コミュニティ群) は設定に類似点も多いが、基本は別々の創作コミュニティである。
なおFandom版とWikidot版の相違点はゆるさの話なのだが、Wikidot版は後に創設者一派と別の一派との間でポリティカル・コレクトネスやLGBTコミュニティに関する論争が紛糾し、最終的によりSCP Foundationコミュニティ寄りのメンバーが核になった。これを懸念、あるいは嫌厭する (主にRPC Authorityコミュニティよりの) メンバーが離脱し、新たにLiminal Fictionのコミュニティを作ったのが、Liminal Archivesである。
関連動画
関連リンク
関連項目
Backrooms関連項目一覧も参照のこと。
- 海外ミーム / ネットミーム - Liminal Space
- Liminal Fiction
- Backrooms(Fandom)
- The Backrooms(Wikidot)
- Liminal Archives - Wikidot版からの分派
- Timeless Places - Backroomsからの放逐者が開設したサイト
- 日本語圏のThe Backroomsコミュニティ - 日本語圏の創作について解説する項目。
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