Trivium(トリヴィアム)とは、アメリカ合衆国フロリダ州出身のヘヴィ・メタルバンドである。
バンドの由来は中世の基礎学問三学を意味する"Trivia"[1]の単数形。
概要・音楽性
1999年に、元ドラムのトラヴィスが、コンテストに出場するためにキイチ達に声をかけたことから結成。
その後、コンテストで自信をつけた彼らは、何回かメンバー交代を経て現在の編成に至った。
メタリカらのスラッシュメタルやハードコアなどに影響を受けた音楽であり、
メンバー全員が非常に高い演奏技術を持つ。
アルバム毎にアプローチを変化させており、チャレンジ精神にあふれたバンドである。
ギター・ボーカルのマシュー・キイチ・ヒーフィは日系人であることでも知られる(後述)。
メンバー
マシュー・キイチ・ヒーフィ - Matthew Kiichi Heafy (Gt/Vo)
1986年1月26日生まれ。既婚。
山口県岩国市生まれのフロリダ育ち。現時点でバンド唯一のオリジナルメンバー。
岩国の米軍基地で勤務していたアイルランド系アメリカ人の父と日本人の母の間に生まれたハーフである。
(ちなみにキイチの父は2000年から現在に至るまでTriviumのマネージャーをしている。)
身長191cmの長身にヨガや柔術で鍛えた引き締まった精悍な身体つきが特徴。
日本では、やはり日系人である親しみからか、ミドルネームの「キイチ」で呼ばれることが多い。
1st~2ndにかけては短髪、3rd~4thではロン毛、
小児ガン・白血病と戦う子どもたちへのチャリティに寄付してからは短髪だったが、
2021年秋からスキンヘッドになった。
リズム・リードギターとクリーンボーカル、グロウル、スクリーム、作曲と
音楽的にもバンドの中心となっている人物である。
3rd「The Crusade」のツアーでは意図的にグロウル、スクリームをライブでも排し、
Metallicaのジェイムズ・ヘットフィールドにも似たザラついたクリーンボイスで歌唱していた。
グロウルやスクリームの多用が祟り、2014年5月の米でのフェス「Rock on the Range」で
喉を痛め、ドクターストップがかかって一時ツアーをキャンセルする憂き目にあった。
その際、Avenged SevenfoldのボーカルのM.シャドウズからボイストレーナーのロン・アンダーソン
(Guns N' Roseのアクセル・ローズなどにも教えたことがあるトレーナー。2021年逝去。)を紹介され、
レコーディングでは従来の発声、ライブや配信では喉の消耗を抑える発声を使い分けるようになった。
また、そのボイトレの成果がじわじわ出てきたのか、クリーンボイスでの限界声域が上がっている模様。
(2021年現在でLowC#~hiC#の約3オクターブを確認。ちなみにキイチ自身はバリトンの声質。)
高いギターテクニックを持ち、中でもマシンガンピッキングを得意とする。
使用ギターの変遷はギブソン・レスポール→DEANのシグネイチャー
→ギブソン製レスポールと同社製の7弦エクスプローラー
→エピフォン製シグネイチャーレスポール(7弦仕様も含む)である。
一時期はエピフォン製の7弦フライングVを使うこともあった。
後述のTwitchでの演奏配信の際は上記以外にもPRS・Aristidesなど他メーカーも使用している。
13歳でギターを手にし、同時期にTriviumを結成し、
毎日何時間もの練習(自ら内容も考えていたらしい)を続けた結果、
高度な技巧もそつなくこなせるようになった。
ここ最近は"Dad Solo(昔のロックの香りがする王道っぽいソロ)"を意識してプレイしている。
後述のTwitch配信ではスイープを弾きながら歌うという恐ろしい芸当を披露している。
Twitter(@Matthewkheafy)もやっており、彼の生活感あふれるつぶやきの数々は必見。
また、Twitch配信も行っており、ゲーム配信・演奏配信・柔術配信など多岐にわたる。
コリィ・ビューリュー - Corey Beaulieu (Gt/Vo)
1983年11月22日生まれ。アメリカのメイン州ドーヴァー・フォックスクロフト出身。
2003年、1st「Ember To Inferno」のレコーディング終了後にバンドに加入。
背丈はキイチとほぼほぼ変わらないが、やや濃い目の顔立ち。
メジャーデビュー後から髭を生やし始め、かつピザ化も進んだためかホモっぽく見える。
キイチに同じくリズム・リード両方においてギターを担当するが、
ライヴでは、キイチの喉への負担を減らすため、グロウル・スクリームパートを代わりに歌うことが多い。
2015年からグロウル・スクリームパートの迫力も以前に比べると上がってきている。
前述のキイチが喉を痛めていた頃にグロウル・スクリームを代わりに全部歌っていたためだろう。
かなりユーモラスな人柄であり、バンドのムードメーカー。
彼もマシンガンピッキングが得意だが、"Dad Solo"を第一とするキイチとは対照的に
タッピングやスイープを用いたテクニカル志向なリックが多い。
PV「Like Light To The Flies」のイケメンぶりに比べるピザってきており、おじさん化が激しい。Cannibal Corpseのボーカル、ジョージ・フィッシャーにどんどん近づいているという声も。
だがユーモラスな人柄もあってか愛くるしいと感じるファンは少なくない。
以前は生え際が後退してるのではとか言われていたが、2022年現在となっては唯一のロン毛担当に。
使用ギターの変遷はIbanez製RG→DEAN製シグネイチャー→Jackson製シグネイチャー。
特にVシェイプのギターを気に入っているそうだ。
パオロ・グレゴリート - Paolo Gregoletto (Ba/Vo)
1985年9月14日生まれ。アメリカのフロリダ州マイアミ出身。
2004年、2nd「Ascendancy」のレコーディングから加入。
さわやか系青年なベースボーカル。バンドの中では小柄に見えるが、
周りが190cm近くの長身揃いなためで決してチビではない(身長175cm)。
以前は昔のキイチやコリィに同じくロン毛だったが、5thアルバムから髪の毛を剃ってスキンヘッドにした。
以前所属していたバンドではベースとメインボーカルを兼任していた。
彼もついったらー(@Triviumpaolo)であり、たまにキイチと気持ち悪いやり取りを繰り広げる。
加入当初はピック奏法で弾いていたが、3rd「The Crusade」からフィンガーピッキングに完全移行、
うねりまくるベースラインやタッピングを披露するようにもなった。
使用ベースの変遷はB.C.Rich製Eagle→同社製Mockingbird→同社製シグネイチャーWarlock
→Warwick製Corvette→KIESEL製Vanquishである。基本的に5弦ベースを中心に使用している。
声のキーがかなり高く、現在に至るまでライブではクリーンパートにおいて高音パートを担当している。
彼自身もかなり日本を気に入っているのか、2018年末のオフの際は日本旅行を楽しんでいたようだ。
アレックス・ベント - Alex Bent (Dr)
1993年1月31日生まれ。アメリカのカリフォルニア州オークランド出身。
2016年末にプロデューサーのマーク・ルイスからの薦めもあって加入。
翌年1月のツアーのアイルランド・ダブリン公演がお披露目となった。
チリチリ気味の髪を短く刈り込んだヘアスタイルとラテン系の濃いめかつ優しげな顔立ちが特徴。
体格はパオロより若干小柄。
11歳からドラムを始め、15歳の頃から地元のマーチングバンド・ジャズバンドでの活動を開始しており、
スラッシュメタルバンドのBattlecross、HatriotやTESTAMENT、
青空テクニカルメタルバンドのBrain Drillでのプレイ経験がある。
そのため、歴代メンバーの中でも非常に手数が多く、安定感に溢れたプレイが特徴的。
彼が加入してからブラストビートをフィーチャーする曲を更に増やしたのも実力の証左であろう。
歴代ドラマー泣かせとも言える「Kirisute Gomen」を涼しい顔をしながら叩けるのは彼ぐらいだろうか。
ジルジャンのシンバル、Vic Firthのスティック、AXISのペダルを使用しており、
それぞれエンドースメント契約も結んでいる。
元メンバー
TRIVIUMは、初期の頃はバンドの向上を図るためにメンバー交代が激しかった。
バンド創始者のトラヴィスを含め数々の元メンバーがいるが、
ここではアルバム制作時のメンバーのみ表記させていただく。
ブレント・ヤング - Brent Young (Ba)
1982年か83年生まれ。
バンドへの加入は2000年。当初はギターとしての加入であり、
その後のメンバー交代により2001年から脱退まではベース兼バックボーカルとなった。
PV「Like Light To The Flies」でベースを弾いてるのは髭の人は彼である。
ディストーションの効いたベースをピックでごりごり弾くタイプ。
コーラスはブラックメタルチックなスクリーミングスタイル。
初期のデモ音源、1st「Ember To Inferno」で彼の演奏を聴くことができる。
2004年に脱退、Machine Headとのツアー前にパオロが加入する形となった。
その後2017年に後述のトラヴィスとともにBlacknovaというバンドを結成したが、
2020年9月25日、37歳の若さで死去。
キイチ、パオロ、トラヴィスそれぞれから追悼メッセージが発表された。
トラヴィス・スミス - Travis Smith (Ds)
1982年4月29日生まれ。アメリカのジョージア州ベインブリッジ出身。
長身かつモヒカンにバンダナと、どこかで汚物を消毒してそうな感じのドラマー。
デビュー当時は坊主だったがどうしてこうなった。
TRIVIUMの創始者であり、彼がコンテストに出るため、キイチたちを集めて結成したのが起源。
手数の多さとツーバスの技術に定評があるが、
スタミナ不足なのか、ライヴで長時間ドラムを叩きつづけるのは苦手らしい。
ドラムセットはD-drum、シンバルはSabian、ペダルはジブラルタルのものを使用。
来日したときはキイチのゲテモノ食いに付き合わされて死にかけたり、
(物理的な意味で)首を切られそうになったりと悲運の人。
家庭を大切にしたいという彼の要望などもあり、
4thアルバムのツアーの途中から離脱、2010年2月に脱退が発表された。
その後休止期間を経て、2017年にかつてTRIVIUMで一緒だったブレント・ヤング(Ba)とともに
Blacknovaというバンドを結成した。
しかし、前述の通り、2020年にブレントが亡くなったため、先の活動は現状未定となっている。
ニック・オーガスト - Nick Augusto (Ds)
1986年8月26日生まれ。アメリカのフロリダ州フォートローダーデール出身。
坊主が特徴のこざっぱりとしたお兄さん。元々はトラヴィスのドラムテクだった。
パオロとは幼なじみだが、髪型も顔立ちも体格も似ているため兄弟っぽく見える。
以前は4thアルバムのツアーを途中離脱したトラヴィスの代役として参加していたが、
2010年2月、TRIVIUMのドラマーとして正式加入した。
使用するドラムセットはパール、ペダルはDW、スティックはプロマークである。
グラインドコアバンド出身でもあり、ブラストビートなどの激しいドラムプレイを得意とする。
パオロとの付き合いも長いためか相性もなかなか良かったとのこと。
ライブでは音源以上に手数を詰め込む傾向が見られる。
このあたりは人によってはオーバープレイ気味にとられ賛否両論だった。
2014年5月3日のCarolina Rebellionというフェスでの演奏を最後に、
前述のVolbeatとのツアー途中でTriviumを脱退した。
その後、2016年5月から2017年1月まで、元Killswitch Engageのハワード・ジョーンズ率いる
Light The Torchでツアーサポートドラマーを担当した。
マット・マディーロ - Mat Madiro (Ds)
1991年9月30日生まれ。アメリカのペンシルヴェニア州ハニーブルック出身。
側頭部を刈り上げた髪型に優男っぽい雰囲気のイケメンドラマー。
前任のニックのドラムテックを2年ほど務めており、
まさかの2度目のドラムテックからの昇格人事となった。
なんとプロのバンドでの演奏経験はTriviumが初とのこと。
2014年、Volbeatとのダブルツアーを途中で離脱したニックの代役を務め、
同年7月7日に正式加入が決まった。
前任のニック同様タイトなサウンドで比較的安定したドラムプレイが特徴。
ただし足数が多いフレーズは苦手なようである。フィルインもあまり詰め込まない傾向。
手足が長いのか、腕の振り幅が大きめのややダイナミックが叩き方がステージでは目立つ。
使用機材は現在シンバルにジルジャンを使用している以外不明。
2015年冬に脱退、その後From Ashes To Newのサポートを経て正式加入している。
ポール・ワントキー - Paul Wantke (Ds)
1985年12月20日生まれ。アメリカのシカゴ出身。
Dream Theaterのマイク・マンジーニの教え子であり、
TriviumがDream Theaterのジョン・ペトルーシにいいドラマーがいないか聞いたところ、
ポールを推薦されたとのこと。
長めのブロンドヘアーをヘアバンドでまとめた優男風のイケメン。
雰囲気が似てるのもあってか、Smells Like NirvanaというNirvanaのトリビュートバンドでは
カート・コバーン役としてギターボーカルをしている。
歴代ドラマーの中ではパワータイプで、
ライブでもかなり大振りなモーションで叩くためか非常にステージ映えする。
技術に関してもマンジーニの教え子ということもあり申し分ない。
使用機材はTAMAのドラムセット、マイネルのシンバル、Vic Firthのスティックなど。
2017年初頭にTriviumを脱退した。
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関連項目
脚注
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