UEFAチャンピオンズリーグとは、毎年ヨーロッパで開催されるサッカーのクラブチームによる大陸選手権大会である。「チャンピオンズリーグ」と呼ばれることが多い。略称は「CL」、「UCL」。
概要
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ヨーロッパの各リーグの上位クラブがしのぎを削る非常にハイレベルな大会。グループリーグとトーナメントを織り交ぜた大会方式である。各試合をホーム&アウェーで戦うが、決勝だけはワンマッチで決着をつける。特に21世紀に入ってから大会の規模や注目度は飛躍的に上昇しており、決勝戦の視聴者数は毎回1億人を超えていると言われている。
出場クラブはUEFAに在籍している国のクラブに限られるが、一流選手のほとんどがヨーロッパでプレ-する現在では、クラブの世界一を決める大会であると言っても過言ではない。なお、各リーグの出場クラブ数はUEFAの定める国別ランキング[1]によって決定される。
1955年よりフランス・レキップ誌の当時の編集長だったガブリエル・アノの提案により「ヨーロッパ・チャンピオンズカップ」の名称で始まったが、1992年から名称を「ヨーロッパ・チャンピオンズリーグ」とし、1996年から現在の「UEFAチャンピオンズリーグ」という名称となり、1999年にレギュレーションも変更された。ただし、各クラブの通算成績などはチャンピオンズカップ時代も含めて計算することが多く、同一の大会として見られている。
大会の優勝カップは、優勝トロフィーの把手の形が大きく耳の形に似ていることから「ビッグイヤー」と呼ばれている。3連覇もしくは5回の優勝で永久保持が認められており、レアル・マドリード、アヤックス、バイエルン・ミュンヘン、ミラン、リヴァプール、バルセロナの6チームが永久保持を認められたチームとなっている。
日本ではWOWOWが独占放映権を獲得しており、「WOWOW」や「WOWOWオンデマンド」や「ABEMA de WOWSPO」でライブ中継されている。
大会の沿革と歴史
当初は、UEFAに加盟する各国リーグ戦の優勝チームが出場し、ホーム&アウェイの2試合の合計スコアで争われるノックアウト方式の大会だった。1991-1992シーズンから各チームをグループ分けしたグループステージが導入され、1997-1998シーズンよりUEFAランキング上位国の国内リーグ2位のチームにも出場権が与えられるようになった。
1999-2000シーズンにUEFAカップウィナーズカップがUEFAカップに統合されたことに伴い、大会のレギュレーションが大幅に変更。ランキング上位国に与えられる出場枠は予選枠を含めて最大で4クラブに増加され、本大会の出場クラブも32チームにまで増加している。出場枠が拡大した背景には、1995年のボスマン判決によって欧州のクラブ市場がビッグビジネスとなったこと、さらには1990年代後半からメガクラブの間で広まっていたスーパークラブ構想に対処しなければならなかったことがあげられる。
以降、CLは巨額のテレビ放映権料が発生するスポーツイベントとしては世界最大規模のビッグビジネスに発展し、放映権料の分配によって本大会へ出場できるか否かだけでもクラブの経営面は大きく左右され、勝ち進むほど大きな利益を得られる仕組みとなっている。そのため、欧州の各国リーグ戦では優勝争い、残留争いと同時にCLへの出場権を獲得できるかどうかも重要となった。
改革によって大会は世界的に注目されるビッグイベントにまで成長し、ワールドカップ以上にハイレベルな試合が見られる大会となった。その一方、各国リーグ、各クラブごとの貧富の差が拡大し、中堅以下の国のチーム、経済規模の大きくないクラブが勝ち抜くのが非常に困難な大会となった。
2019-2020シーズンには、新型コロナウィルスの世界的な感染拡大によってラウンド16の2ndレグのうち4試合が実施された段階で中断となり、8月に中残りの試合を無観客で開催。準々決勝以降は、中立地であるポルトガルのリスボンにおいて一発勝負の短期集中開催でおこなわれた。
2024ー2025シーズンからは、出場枠が36チームに拡大、現行の4チーム×8組のグループステージを廃止、ホームとアウェイで5試合ずつ、10の異なるチームと10試合のリーグ戦を行う、いわゆるスイス方式の導入。日本の大相撲で採用されている対戦方式に近い。
単一のリーグにおいて各チームが異なるチームとホームとアウェイで4試合ずつ計8試合を行うリーグフェーズが導入された。リーグフェーズの上位8チームがそのままラウンド16に進出。9位から24位のチームはプレーオフを2試合戦い、プレーオフに勝利したチームがラウンド16に進む。なお、25位以下のチームはELに回らず敗退となる
現在の出場枠
- UEFAランキング1位から5位の国の上位4クラブ
(イングランド、イタリア、スペイン、ドイツ、フランス) - UEFAランキング6位の国の上位3クラブ
(オランダ) - UEFAランキング7位から15位の国の上位2クラブ
(ポルトガル、ベルギー、トルコ、チェコ、スコットランド、スイス、オーストリア、ノルウェー、ギリシャ) - UEFAランキング16位から55位の国の国内リーグ優勝クラブ(ロシアとリヒテンシュタインは除く)
- UEFAチャンピオンズリーグ 2024-25とUEFAヨーロッパリーグ 2024-25優勝チーム
- 2024-25シーズンのUEFAの大会における成績をもとにしたポイントランキング上位2か国の追加チーム(ヨーロピアン・パフォーマンス・スポット: EPS)
現在のレギュレーション
予選
チャンピオンズ・パス(国内リーグ優勝クラブ予選)
- UEFAランキング25位から27位、30位から55位の国内リーグ優勝チームの28チームで予選1回戦を戦う。
- UEFAランキング16位から24位の国内リーグ優勝チーム、28位、29位の国内リーグ優勝の2チームと予選1回戦を勝ちあがったチームの計24チームで予選2回戦を戦う。
- 予選2回戦の勝者12チームで予選3回戦を戦う。
- UEFAランキング11位から14位の国内リーグ優勝チーム、予選3回戦を勝ちぬいたチームの計12チームでプレーオフを戦い、勝った6チームがリーグフェーズに進出。
- 予選1回戦に敗退したクラブはECL予選2回戦に、予選2回戦に敗退したクラブはEL予選3回戦に、予選3回戦に敗退したクラブはELプレーオフに、プレーオフで敗退したクラブはELリーグフェーズにそれぞれ進出する。
リーグ・パス(国内リーグ上位クラブ予選)
- UEFAランキング10位から15位の国のリーグ戦2位の6チームによって予選2回戦を戦う。
- UEFAランキング5位の国のリーグ戦4位チーム、UEFAランキング6位の国のリーグ戦3位クラブ、UEFAランキング7位から9位の国の2位クラブ3クラブおよび予選2回戦の勝者3チームの計8クラブによって予選3回戦を戦う。
- 予選3回戦の勝者4クラブによってプレーオフをおこない、勝者2クラブが本大会リーグフェーズへ進出。
- なお、2回戦で敗れたクラブはEL予選3回戦に、3回戦とプレーオフで敗れたクラブはELのリーグフェーズにそれぞれ進出する。
リーグフェーズ
各チームは異なるチームとホームとアウェーで4試合ずつ計8試合を行い、1位から8位までがラウンド16に進出し、9位から24位までが決勝トーナメントプレーオフに進出する。25位から36位のチームはそのまま敗退となる(従来のグループステージのようにELに回ることはない)。
決勝トーナメント
リーグフェーズの9位から24位までのチームは、ラウンド16進出をかけて決勝トーナメントプレーオフに出場する。9位から16位までのチームがシードチーム、17位から24位までのチームがノーシードチームとなりシードチームとノーシードチームが対戦する。
ラウンド16では、リーグフェーズから直接進出した1位から8位までのチームがシードチーム、プレーオフを勝ち上がったチームがノーシードチームとなりシードチームとノーシードチームが対戦。
対戦方式は従来と同様に準決勝まではホーム・アンド・アウェー方式とし、2試合の通算得点が同じ場合は2試合目の試合後に前後半15分の延長戦を行い、それでも勝者が決まらない場合はPK戦で勝者を決定する。決勝は事前にUEFAにより決定された試合地での一発勝負で優勝チームを決める。
大会結果
トレブレ達成チーム
1つのクラブが3つの主要な大会で優勝することを意味しており、欧州サッカーの場合はUEFAチャンピオンズリーグ、国内リーグ、国内カップ戦の三冠を総なめにしシーズンを完全制覇したチームを意味する。
ちなみにイングランドのように国内に複数のカップ戦がある場合は、参加資格を限定しないオープンカップ戦(FAカップなど)が該当する。
| 達成シーズン | 優勝 | 監督 |
|---|---|---|
| 1966-67 | ||
| 1971-72 | ||
| 1987-89 | ||
| 1998-99 | ||
| 2008-09 | ||
| 2009-10 | ||
| 2012-13 | ||
| 2014-15 | ||
| 2019-20 | ||
| 2022-23 | ||
| 2024-25 |
記録
クラブ別優勝回数
| 順位 | チーム | 回数 | 優勝年度 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 15 | 1956,1957,1958,1959,1960,1966,1998,2000,2002,2014,2016, 2017,2018,2022,2024 |
|
| 2位 | 7 | 1963,1969,1989,1990,1994,2003,2007 | |
| 3位 | 6 | 1974,1975,1976,2001,2013,2020 | |
| 3位 | 6 | 1977,1978,1981,1984,2005,2019 | |
| 5位 | 5 | 1992,2006,2009,2011,2015 | |
| 6位 | 4 | 1971,1972,1973,1995 | |
| 7位 | 3 | 1964,1965,2010 | |
| 7位 | 3 | 1968,1999,2008 | |
| 8位 | 2 | 2012,2021 | |
| 8位 | 2 | 1987,2004 | |
| 8位 | 2 | 1985,1996 | |
| 8位 | 2 | 1979,1980 | |
| 8位 | 2 | 1961,1962 |
各国リーグ別優勝回数
| 順位 | リーグ | 優勝 | 準優勝 | 優勝クラブ |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | 20 | 11 | レアル・マドリード、FCバルセロナ | |
| 2位 | 15 | 11 | マンチェスター・ユナイテッド、リヴァプール、 ノッティンガム・フォレスト、アストン・ヴィラ、 チェルシー、マンチェスター・シティ |
|
| 3位 | 12 | 17 | ACミラン、インテル、ユヴェントス | |
| 4位 | 8 | 11 | バイエルン・ミュンヘン、ハンブルガーSV、ドルトムント | |
| 5位 | 6 | 2 | フェイエノールト、アヤックス、PSVアイントホーフェン | |
| 6位 | 4 | 5 | ベンフィカ、FCポルト | |
| 7位 | 2 | 6 | マルセイユ、パリ・サンジェルマン | |
| 8位 | 1 | 1 | セルティック | |
| 8位 | 1 | 1 | ステアウア・ブカレスト | |
| 8位 | 1 | 1 | レッドスター |
監督優勝回数
| 順位 | 監督 | 優勝回数 | 優勝チーム(優勝年) |
|---|---|---|---|
| 1位 | 5 | ACミラン(2003,2007) レアル・マドリード(2014,2022,2024) |
|
| 2位 | 3 | FCバルセロナ(2009,2011) マンチェスター・シティ(2023) |
|
| 2位 | 3 | レアル・マドリード(2016,2017,2018) | |
| 2位 | 3 | リヴァプール(1977,1978,1981) | |
| 5位 | 2 | FCバルセロナ(2015) パリ・サンジェルマン(2025) |
|
| 5位 | 2 | レアル・マドリード(1998) バイエルン・ミュンヘン(2013) |
|
| 5位 | 2 | FCポルト(2004) インテル(2010) |
|
| 5位 | 2 | マンチェスター・ユナイテッド(1999,2008) | |
| 5位 | 2 | ドルトムント(1997) バイエルン・ミュンヘン(2001) |
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| 5位 | 2 | ACミラン(1989,1990) | |
| 5位 | 2 | フェイエノールト(1970) ハンブルガーSV(1983) |
|
| 5位 | 2 | ノッティンガム・フォレスト(1979,1980) | |
| 5位 | 2 | バイエルン・ミュンヘン(1975,1976) | |
| 5位 | 2 | アヤックス(1972,1973) | |
| 5位 | 2 | ミラン(1963,1969) | |
| 5位 | 2 | レアル・マドリード(1960,1966) | |
| 5位 | 2 | インテル(1964,1965) | |
| 5位 | 2 | ベンフィカ(1960,1961) | |
| 5位 | 2 | レアル・マドリード(1958,1959) | |
| 5位 | 2 | レアル・マドリード(1955,1956) |
通算得点数
| 順位 | 選手 | 通算得点数 | 出場試合数 | 所属チーム |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | 140 | 183 | マンチェスター・ユナイテッド レアル・マドリード ユヴェントス |
|
| 2位 | 129 | 163 | FCバルセロナ パリ・サンジェルマン |
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| 3位 | 105 | 133 | ドルトムント バイエルン・ミュンヘン FCバルセロナ |
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| 4位 | 90 | 152 | リヨン レアル・マドリード |
|
| 5位 | 71 | 142 | レアル・マドリード シャルケ04 |
|
| 6位 | 57 | 163 | バイエルン・ミュンヘン | |
| 7位 | 56 | 73 | PSVアイントホーフェン マンチェスター・ユナイテッド レアル・マドリード |
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| 8位 | 55 | 87 | ASモナコ パリ・サンジェルマン レアル・マドリード |
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| 9位 | 50 | 112 | ASモナコ アーセナル FCバルセロナ |
|
| 10位 | 49 | 48 | ザルツブルク ボルシア・ドルトムント マンチェスター・シティ |
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| 10位 | 49 | 58 | レアル・マドリード |
通算出場試合数
| 順位 | 選手 | 出場試合数 | 出場期間 | 所属チーム |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | 183 | 2003-2022 | マンチェスター・ユナイテッド レアル・マドリード ユヴェントス |
|
| 2位 | 181 | 1999-2019 | レアル・マドリード FCポルト |
|
| 3位 | 163 | 2005-2023 | FCバルセロナ パリ・サンジェルマン |
|
| 3位 | 163 | 2008- | バイエルン・ミュンヘン | |
| 5位 | 152 | 2004-2023 | リヨン レアル・マドリード |
|
| 6位 | 151 | 2008-2024 | バイエルン・ミュンヘン レアル・マドリード |
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| 6位 | 151 | 1998-2015 | FCバルセロナ | |
| 8位 | 150 | 2007- | シャルケ04 バイエルン・ミュンヘン |
|
| 9位 | 142 | 1995-2011 | レアル・マドリード シャルケ04 |
|
| 9位 | 142 | 2005-2023 | レアル・マドリード パリ・サンジェルマン セビージャ |
|
| 9位 | 142 | 2005-2023 | トッテナム レアル・マドリード |
関連動画
関連項目
関連リンク
脚注
- *UEFA ASSOCIATION AND COUNTRY RANKINGS AND COEFFICIENT

- *当初はトルコのイスタンブールで開催予定だったが、新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、ベスト8以降がポルトガルにおけるワンマッチ集中開催に変更された。
- *当初はロシアのサンクトペテルブルクで開催予定だったが、2022年2月にロシアがウクライナに軍事侵攻した為、制裁の形で開催地が変更された。
- *前身のフットボールリーグ時代を含む。
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