UEFAヨーロッパリーグとは、UEFA(欧州サッカー協会連盟)が主催する、クラブチーム間の年間サッカー大会である。略称は「EL」、「UEL」。
概要
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前身はUEFAカップで、2009-10シーズンにUEFAカップを継承する形でヨーロッパリーグが創設された。UEFA加盟の国・地域のリーグから、UEFAランキングに応じた数のチームと、UEFAチャンピオンズリーグの予選3回戦の敗者とグループリーグで3位になったクラブチームに参加資格が与えられる。なお、前身のUEFAカップがUEFAカップウィナーズカップを吸収するかたちで統合した経緯から、国内カップ戦優勝チームにも参加権が与えられている。
2014-15シーズンからは優勝クラブに翌シーズンのUEFAチャンピオンズリーグの参加資格が与えられている。
2018-19シーズンからはUEFAチャンピオンズリーグのすべての予選の敗者に参加資格が与えられるようになった。
2021-22シーズンからさらに下位のUEFAヨーロッパカンファレンスリーグが創設されることに伴い、ヨーロッパリーグの出場枠は縮小される。具体的には国内リーグ戦の出場枠から1チーム[1]とUEFAランキング16位以下の国内カップ戦優勝チームがカンファレンスリーグに回ることになる。この結果、UEFAランキング16位以下の国は出場枠が0となる。
2024-25シーズンからはCLと同じく出場枠が36チームに拡大、現行の4チーム×8組のグループステージを廃止、ホームとアウェイで5試合ずつ、10の異なるチームと10試合のリーグ戦を行う、いわゆるスイス方式が採用されている。
レギュレーションはUEFAチャンピオンズリーグに近くなっているが、やはり位置づけは格下という事実は否めず、控え選手や若手選手主体のメンバーで試合に臨むチームも目立つ。また、開催日が木曜日のため、週末におこなわれる国内リーグの日程が過密になってしまうという事情がある。ただし、優勝したチームには翌シーズンのUEFAチャンピオンズリーグの出場権が無条件で与えられるため、国内リーグでCL圏内を逃しそうなチームはビッグクラブであっても目の色を変えてタイトルを狙いに行っている。
現在の出場枠
- UEFAランキング1位から7位の国のカップ戦優勝クラブ (7)
(イングランド、スペイン、ドイツ、イタリア、フランス、オランダ、ポルトガル) - UEFAランキング1位から5位の国のリーグ戦5位クラブ (5)
イングランド、スペイン、ドイツ、イタリア、フランス) - UEFAチャンピオンズリーグ予選(チャンピオンズ・パス)プレーオフ敗退クラブ (5)
- UEFAチャンピオンズリーグ予選(リーグ・パス)プレーオフ敗退クラブ (2)
- UEFAチャンピオンズリーグ予選(リーグ・パス)3回戦敗退クラブ (4)
- プレーオフを勝ち上がったクラブ (12)
- UEFAカンファレンスリーグ前シーズン優勝クラブもしくは予選参加クラブのうちクラブランキングの最上位クラブ
現在のレギュレーション
予選
メイン・パス
UEFAランキング16位から33位の国のカップ戦優勝クラブ18クラブで予選1回戦を戦い、勝った9クラブとUEFAランキング7位の国のリーグ戦4位クラブ、UEFAランキング8位から12位の国のリーグ戦3位クラブ6クラブおよび予選1回戦の勝者9クラブの計16クラブで2回戦を戦う。そして、UEFAランキング13位から15位の国のカップ戦優勝クラブ3クラブ、チャンピオンズリーグ予選(リーグ・パス)2回戦敗者3クラブおよび予選2回戦の勝者8クラブの計14クラブによって争われ、勝った7クラブがプレーオフ進出。
なお、1回戦で敗退したクラブはECL予選2回戦、2回戦で敗退したクラブはECL予選3回戦、3回戦で敗退したクラブはECLプレーオフにそれぞれ進出。
チャンピオンズ・パス
CL予選2回戦敗退12クラブによって争われ、勝者6クラブがプレーオフ進出。敗退したクラブは、ECLのプレーオフに進出。
プレーオフ
UEFAランキング8位から12位の国のカップ戦優勝クラブ5クラブ、CL予選3回戦敗者6クラブ、メイン・パス予選3回戦の勝者7クラブおよびチャンピオンズ・パス予選3回戦の勝者6クラブの計24クラブによって争われ、勝者12クラブがリーグフェーズへ進出。敗退したクラブは、ECLのリーグフェーズに進出する。
リーグフェーズ
各チームは異なるチームとホームとアウェーで4試合ずつ計8試合を行い、1位から8位までがラウンド16に進出し、9位から24位までが決勝トーナメントプレーオフに進出する。25位から36位のチームはそのまま敗退となる(従来のグループステージのようにECLに回ることはない)。
決勝トーナメント
リーグフェーズの9位から24位までのチームは、ラウンド16進出をかけて決勝トーナメントプレーオフに出場する。9位から16位までのチームがシードチーム、17位から24位までのチームがノーシードチームとなりシードチームとノーシードチームが対戦する。
ラウンド16では、リーグフェーズから直接進出した1位から8位までのチームがシードチーム、プレーオフを勝ち上がったチームがノーシードチームとなりシードチームとノーシードチームが対戦。
対戦方式は従来と同様に準決勝まではホーム・アンド・アウェー方式とし、2試合の通算得点が同じ場合は2試合目の試合後に前後半15分の延長戦を行い、それでも勝者が決まらない場合はPK戦で勝者を決定する。決勝は事前にUEFAにより決定された試合地での一発勝負で優勝チームを決める。
大会結果
シーズン | 優勝 | 準優勝 | 決勝の会場 |
---|---|---|---|
2009-10 | アトレティコ・マドリード | フラム | ハンブルク・アレーナ |
2010-11 | FCポルト | ブラガ | ダブリン・アリーナ |
2011-12 | アトレティコ・マドリード | アスレティック・ビルバオ | ナツィオナル |
2012-13 | チェルシーFC | ベンフィカ | アムステルダム・アレナ |
2013-14 | セビージャFC | ベンフィカ | ユヴェントス・スタジアム |
2014-15 | セビージャFC | ドニプロ | ワルシャワ国立競技場 |
2015-16 | セビージャFC | リヴァプールFC | ザンクト・ヤコブ・パルク |
2016-17 | マンチェスター・ユナイテッド | アヤックス | フレンズ・アレーナ |
2017-18 | アトレティコ・マドリード | マルセイユ | パルク・オリンピック・リヨン |
2018-19 | チェルシーFC | アーセナル | バクー・オリンピック |
2019-20 | セビージャFC | インテル | フレンズ・アレーナ[2] |
2020-21 | ビジャレアルCF | マンチェスター・ユナイテッド | アリーナ・グダニスク |
2021-22 | フランクフルト | レンジャーズFC | ラモン・サンチェス・ピスフアン |
2022-23 | セビージャFC | ASローマ | プスカシュ・アレーナ |
2023-24 | アタランタ | レヴァークーゼン | アビバ・スタジアム |
記録[3]
クラブ別優勝回数
順位 | チーム | 回数 | 優勝年度 |
---|---|---|---|
1位 | セビージャFC | 7 | 2006,2007,2014,2015,2016,2020,2023 |
2位 | インテル | 3 | 1991,1994,1998 |
2位 | リヴァプールFC | 3 | 1973,1976,2001 |
2位 | ユヴェントス | 3 | 1977,1990,1993 |
2位 | アトレティコ・マドリード | 3 | 2010,2012,2018 |
6位 | ボルシアMG | 2 | 1975,1979 |
6位 | トッテナム | 2 | 1972,1984 |
6位 | フェイエノールト | 2 | 1974,2002 |
6位 | IFKヨーテボリ | 2 | 1982,1987 |
6位 | レアル・マドリード | 2 | 1985,1986 |
6位 | パルマ | 2 | 1995,1999 |
6位 | FCポルト | 2 | 2003,2011 |
6位 | チェルシーFC | 2 | 2013,2019 |
関連動画
関連項目
- サッカー
- ヨーロッパ
- UEFA
- UEFAチャンピオンズリーグ
- UEFAカンファレンスリーグ
- UEFAカップ - 前身の大会
脚注
- *オープンカップとリーグカップの2つのカップ戦が開催されるイングランドとフランスはリーグカップ優勝チーム
- *当初はポーランドのグダニスクで開催予定だったが、新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、ベスト8以降がドイツにおけるワンマッチ集中開催に変更された。
- *前身のUEFAカップを含む。
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