VISAとは、 |
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VISAは、アメリカ合衆国に本社を置く国際決済業務を行う企業である。日本においては、クレジットカードに入る国際ブランドの一つとしての知名度が高い。VISAとは"Value Issuer Service Area"の略称である。
概要
1958年にバンク・オブ・アメリカが設立した「バンク・アメリカード」を源流としており、国際決済業務では2位のMasterCardを大きく引き離して、トップシェアを有している。
同じ国際ブランドである"JCB"や"AmericanExpress(AMEX)"は、カード会社及びその会社が発行するクレジットカードの名称でもあるため、勘違いされることがあるが、VISAという会社そのものはクレジットカードの発行業務を行なってはいない。
「VISAカード」と呼ばれるものは、VISAからライセンスを直接ないし間接的に得た会社が発行する、各種のカードの事である。
VISAカードには後払い式のクレジットカードの他にも、即時決済方式のデビットカード、先払い式のプリペイドカードが存在する。国際的には、クレジットカードよりもデビットカードの取り扱い金額のほうが多い。
共に日本ではクレジットカードと比べるとそのサービス提供開始が遅れたが、2014年現在ではデビットカードはスルガ銀行、りそな銀行、三菱東京UFJ銀行など、プリペイドカードはライフカードやJTB、クレディセゾンなどによって発行されている。
日本において、VISAブランドのクレジットカード発行を発行を最初に行ったのは、住友銀行系列の住友クレジットであり、1968年のことである。アメリカ以外の企業では、英国のバークレイズに次いで世界で2番目となるものであった。
このこともあり、住友クレジット改め三井住友カードは今日でも国際ブランド「VISA」を強調した宣伝を盛んに行なっている。同社はMasterCardの発行も1989年から行なっており、またVISAブランドのカードは日本だけでもたくさんの種類があるにもかかわらず、「VISAブランドのカード=三井住友VISAカード」と誤解する者が日本にはいるほどである。
非接触型ICカード(電子マネー)としては、国際的にVisaのタッチ決済(旧:Visa Paywave)を展開しているが、日本においてはPayWaveに用いられている国際通信規格(ISO/IEC 14443)よりもソニーが開発した通信規格であるFeliCaが普及しており、携帯電話端末(おサイフケータイ)等への搭載も進んでいたため、FeliCa規格に基づいた独自サービスであるVisa Touchのサービスを提供した。
尤も、Visa Touchのサービスは三菱UFJニコスが開発したSmartplusを元にしたものであり、日本におけるVISAブランドのカード普及を主導していた先述の三井住友カードはNTTドコモと協力して独自にiDのサービスを開始し、ドコモと協力して積極的に加盟店開拓や宣伝を行なっていたため、そのiDやQUICPayなど他の電子マネーと比較すると普及はしなかった。結局、スマートフォン(FeliCa搭載のAndroid端末)への対応もないまま2014年6月にそのサービスを終了している。
その後、日本においてもタッチ決済対応端末が普及し始めたことを受け、タッチ決済対応のカード発行を行う方向に転換した。現在、オリコやジャックスなどがタッチ決済に対応したクレジットカードを発行しており、NFCを搭載したAndroid端末での決済サービスの提供も開始されている(主に海外向け)。
その他、銀行オンラインシステムとしてPLUSを有している。PLUSのマークは、VISAブランドの各種カードの他、日本において発行される国際キャッシュカード(新生銀行・シティバンク銀行など)にも入っていることがある。PLUSのマークが入ったカードでは、その対応ATMを用いることにより、自分の預金を現地通貨に換算して海外で引出したり(デビットカード、国際キャッシュカード、プリペイドカード)、現地通貨をキャッシング(クレジットカード)したりすることが可能である。
ニコニコのプレミアム会員費等の支払いにはMastercardやAmerican Expressが使用不可になって以降もしばらく使用可能だったが、2024/5/10付けで使用不可能になった。
カードの分類
VISAでは、そのブランドをつけて発行されるカードを4種類に分け、それぞれに以下の様な名前を与えている。VISAからライセンスを受けてカードを発行する会社も、VISAの分類に準じて名前を設定しているケースが多い。
- VISA ClassicCard(クラシックカード)
- VISA GoldCard(ゴールドカード)
- VISA PlatinumCard(プラチナカード)
- VISA InfiniteCard(インフィニットカード)
この内、「無限のカード」を意味する"InfiniteCard"は俗に「ブラックカード」と呼ばれ、日本では21世紀になるまで発行されていなかったが、現在では静岡県に本店を置く地方銀行のスルガ銀行が、取引実績が多く、銀行側が招待状を送ったものに限定して発行を行なっている。なお同行は、プラチナのクレジットカードも発行している。
CM
先述した通り、クレジットカードの発行を直接行なっている企業ではないが、そのブランドがついたカードの利用を促すため、VISAは日本を含む世界各国で積極的にCMを放映している。
特に多いのが、世界に数多くある通貨を超越し、どの国、どの地域でも使えるという決済性の高さをアピールしたもので、"世界通貨(World Currency)""Go Wolrd, Go with VISA""Happy Traveler"などをキャッチコピーとしている。
”Where the Hell is Matt?” の動画で有名になった、マット・ハーディングをCMに起用しているのもその一環である。
日本においては、「国内外で、現金(紙幣)を持たなくてもスムーズに決済ができる」ことをアピールするため、一万円札と千円札の肖像に描かれた、福澤諭吉・野口英世・夏目漱石を登場させたCMを放映している。
この内、夏目漱石役を務める新田太郎は、夏目漱石の兄の孫である。
なお、五千円札の肖像人物である新渡戸稲造や樋口一葉がCMに登場していないのは、関係者の了承が取れなかったためであるといわれている。
その他、三井住友カードが主導となり日本におけるVISAブランドのクレジットカード普及を促すために設立された、銀行系のカード会社によって構成される協会である(VISAジャパン→)VJAのCMも、日本においては放映されている。
関連項目
関連リンク
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