Vivaldi(ヴィヴァルディ)とは、フリーのWebブラウザソフトである。
Webブラウザ「Opera」の元スタッフらによって生み出されたブラウザであり、Windows用オンラインソフトウェア紹介サイト「窓の杜」では、“旧「Opera」のコンセプトを引き継ぐ多機能Webブラウザー”と紹介されている。
概要
2015年1月27日に最初のプレビュー版を公開し、2016年4月6日に初の正式版を公開したブラウザ。ベースはChromium(Blink)。対応OSはWindows、Mac、Linux。モバイルではAndroidに対応している。
Vivaldiは、ノルウェーのVivaldi Technologiesによって開発されている。Vivaldi Technologiesは、CEOであるヨン・スティーブンソン・フォン・テッツナー [1] とCOOである冨田龍起の二人が共同創設した会社である。テッツナーはブラウザ「Opera」を開発している会社Opera Softwareの創設者の一人で元CEOであり、冨田龍起も同じくOpera Softwareに勤めていた。
2016年5月ごろにはVivaldiの月間アクティブユーザー数は100万人近くに達した。また、Vivaldiの日本語公式Twitterアカウントが2016年11月中旬のツイートで、Vivaldiの国別ユーザー数は日本がトップであることを伝えた。
Vivaldi公式フォーラムの日本語ローカルページには不具合を報告したり、要望を出したり、質問や雑談をすることができる場が設けられているので活用してみてはどうだろうか。
- 「Vivaldi 6.0」は「ワークスペース」を導入 ~ボタンアイコンもフルカスタマイズ可能に - 窓の杜
- 旧Operaの血を引く新Webブラウザー「Vivaldi」が正式版に、“ユーザー第一”が目標 - 窓の杜
コンセプト
“ブラウザに多くを望まない人のための大衆的ブラウザは、すでにたくさんある”、とvon Tetzchnerは言う。“しかしわれわれは、毎日のオンライン時間がものすごく長くて、タブを大量に開き、大量のコンテンツを相手に効率的に仕事をしたい、と思っている人たちを、助けたい”。
TechCrunch
より
引用記事の言葉を借りるならば、Google Chrome、Mozilla Firefox、Microsoft Internet Explorerは「大衆的ブラウザ」と言える。これらはインストール直後には実にシンプルな機能しか持ってないブラウザであり、さらに機能が欲しいならばアドオン(エクステンション)と呼ばれる拡張機能を追加インストールすることとなる。
それらに対し、バージョン12までのOperaはインストール直後にすでに様々な機能を有していたブラウザであり、拡張機能をインストールしなくとも十分ブラウジングができるものであった。しかし、バージョン15以降のOperaはGoogle Chromeに近い「大衆的ブラウザ」となり、バージョン12までのOperaとは別物のブラウザとなっていた。
このことからVivaldiは「毎日のオンライン時間がものすごく長くて、タブを大量に開き、大量のコンテンツを相手に効率的に仕事をしたい、と思っている人たち」、つまり、パワーユーザー(ヘビーユーザー)を意識したものになると見られている。
特徴
- Opera12にあった機能が実装される傾向がある
- もちろん、Opera12になかった機能も実装されている
- 以上のことから、拡張機能を入れてない素の状態でもそれなりのウェブブラウジングをすることができる
- Google Chrome向けの拡張機能をインストールできる
- レンダリングエンジンとしてChromeやOperaと同じく「Blink」を採用しているので、ウェブサイト閲覧時に表示が崩れたり機能しないことが少ない。本当はOperaで使っていたPrestoエンジンを使いたかったらしいけどOperaから断られた。 [2]
- バージョン4.0で「メーラー」「フィード」「カレンダー」のベータ版が利用できるようになった
- プライバシー保護を強く意識している
- ブラウザなのにゲームを搭載したり、カレンダーの通知でコケコッコーと鳴きながらブラウザを燃やしたりと、中の人の
頭がどうにもVivaっている遊び心が存分に感じられる
“隠し”設定項目
※下記の内容はVivaldiのバージョン1.9.818.49(Windows用64bit版)で確認したものである。
Vivaldiのアドレス欄に「vivaldi://chrome/settings」「vivaldi://settings」と入力してEnterキーを叩く。すると、Vivaldiの通常の「設定」では変更できない項目を含んだ設定のページを開くことができる。この中には「Vivaldiを閉じた際にバッググラウンドアプリの処理を続行する」や「ハードウェアアクセラレーションが使用可能な場合には使用する」などの項目が存在する。
また、別のものとしては「vivaldi://flags」がある。こちらには「これらの試験運用版は問題が発生する可能性があるため、ご利用の際には十分ご注意ください」とあるので気をつけよう。
ショートカットを使ってのカスタマイズ
Vivaldiを起動時にクリックするショートカットのプロパティを変更することでVivaldiのカスタマイズをすることができる。
- 「--disk-cache-dir」を使ってのキャッシュフォルダの移動
- 「--disk-cache-size」「--media-cache-size」を使ってのキャッシュの無効化
- 「--renderer-process-limit」を使ってのプロセス数制限による物理メモリ使用量削減
などなど。カスタマイズについて興味がある人はネット検索してより詳しい情報で確認すべし。
他ブラウザからのブックマーク等の移行
Vivaldiのメニューバー(または、左上のVivaldiマークをクリックすると表示されるメニュー)から「ファイル」→「アプリケーションまたはファイルからインポート」を選択する。移行元のブラウザを選択してインポートを開始する。
注意点としては移行元のブラウザを完全に終了させる必要があるということである。
名称の由来
「Vivaldi(ヴィヴァルディ)」という名称は、近世ヨーロッパの作曲家であるアントニオ・ヴィヴァルディに由来している。
Vivaldi公式Twitterの日本語アカウントは、「覚えやすくて、世界中で知られている、革新的な名前を探して、Vivaldiに行きつきました。Vivaldiの音楽は当時とても革新的だとされていたんですね。革新的なブラウザを作っていきたいという思いが詰まってます
」とツイートしている。
マスコット
Vivaldiにはマスコットキャラクターがいる。
2017年5月15日現在、Vivaldi公式Twitterの日本語アカウントの上部で日本国の国旗を手にする彼の姿を見ることができる(もちろん、それ以外のところにもいる)。
彼の名前はトニー(Tony)。モデルはアイルランドの火山の溶岩(lava boulder)ということである。
関連項目
外部リンク
- Vivaldiブラウザ - Google Play のアプリ
※Android版Vivaldi入手先
- 公式サイト - Vivaldiブラウザ
- Vivaldiをダウンロード
※PC版Vivaldi入手先
- 以前のバージョンのVivaldi
- 機能
※全機能のヘルプへのリンクがある
- 公式ブログ - Vivaldiのブラウザ専門ブログ
- Vivaldiをダウンロード
- 公式フォーラム - 日本語 (Japanese) | Vivaldi Forum
※質問・相談・議論、便利情報、要望、不具合報告
- YouTube - Japan Vivaldi
- Facebook - Vivaldi Browser Japan
- Instagram - Vivaldi Japan(@vivaldi_jp)
- note - Vivaldiブラウザ
- Twitter - Vivaldi ブラウザ(@vivaldi_jp)
- 公式サイト - Vivaldi browser
※英語
- 公式フォーラム - Home | Vivaldi Forum
※英語
- 公式ヘルプ - Vivaldi Browser, Community and Services Help
※英語
- Facebook - Vivaldi Browser
※英語
- Twitter - Vivaldi(@vivaldibrowser)
※英語
- Vivaldi Tips
※有志による、各機能の使い方説明サイト
脚注
- *スペルは「Jon Stephenson von Tetzchner」で、英語的には「ヨン・スティーブンソン・フォン・テッツナー」だが、北欧出身なので原語では「ヨン・ステーフェンソン・フォン・テッチネル」になる。日本人からの愛称「テッちゃん」は本人公認。
- *新ブラウザ「Vivaldi」の挑戦 - 狙うは1000万のOpera 12ユーザ (マイナビニュース TECH+ 2015/05/25 13:34)
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