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山本玲とは、宇宙戦艦ヤマト2199にて。リメイクにあたって性転換新規デザインされたキャラクターの一人。
当初は主計科士官として乗艦したが、独断専行とはいえコスモゼロによる見事な操縦技量をエンケラドゥスで披露。
その点を古代に高く評価され、沖田艦長の許可のもと。現在は航空隊に転属している。CV：田中理恵
意外な誕生経緯
名前の読みだけは、昭和の旧作で加藤三郎のパートナーを務めた山本明と同じである。
実際、当初は容姿は篠原に近いものの、名前は同じで男性キャラで登場する予定だった。
しかし、嘗ての山本のキャラクターのままでは、古代進とかぶってしまう部分がやはり多い。
そこで出渕裕監督きっての「山本は女の子で」というオーダーに至ったわけだが、キャラデザの結城信輝氏は相当に困惑。
結果として、復活篇で西崎義展Pから一度オファーを受け、お蔵入りとなった女性キャラをベースにリメイクデザイン。かくして嘗ての硬骨漢なコスモタイガーのエースは、銀髪赤眼の美女として2199に転生したのである。
なお、本来の男性の山本のスタンスは、篠原弘樹が担っているといわれている。
因みに逆に新見さんは当初、40代くらいとして当初はデザインされ、監督に「それはちょっと」とダメ出しされたとか
作中における概要
ヤマトの乗員の中では珍しい、火星出身者である。髪、眼の色も火星育ちの家系ゆえと本人は述べている。
2199の世界では地球と火星の間で、ガミラス襲来前に内惑星戦争が勃発。敗北した火星側の住人は地球に強制移住させられ、彼女も地球の地下都市において生活していた。
ヤマト乗艦前から国連宇宙軍の正規士官(3尉)であり、戦死した兄と同様に航空隊を志願していた。
しかし兄の親友であり、あるいは彼女を妹のように見ている加藤の采配により、主計科の配属となった。だが加藤は彼女の行動力を、些か甘く見積もり過ぎていた模様である。
土星の衛星エンケラドゥスに立ち寄った時、各種武装が使えないヤマトはガミラス機甲部隊の攻撃を受けた。
航空隊主力のコスモファルコンも、ヤマトの格納庫構造上、出撃不可能な状態の中、彼女は加藤の許可も指示もないまま、コスモゼロ2号機に、バイザーで顔を隠して飛び乗り出撃。敵機甲部隊を撃滅する初陣を飾ってしまった。
その後、加藤の片手とロッカー1台を犠牲にした説得もむなしく、古代経由で艦長許可を取り航空隊に転属(尤も加藤も観念して、古代に山本の航空隊転属を願い出るつもりだったようだが)。
メ2号作戦では冥王星のオーロラから敵本拠地を割り出し、ガミラス基地のステルスシステムを完膚なきまでに破壊。反射衛星砲の座標も把握するなど、転属経緯はともかく、戦闘機パイロットとして八面六臂の活躍を示した。
実際のところ、元より航空士官として天賦の才を有していたのは、間違いない模様である。
それでもあえて加藤が彼女を主計科に配属し、本来の配置を超えての独断専行を行った際、静から動ともいえるほど激怒したのは、彼女のみを案じたと同時に、後述する激情的な性格を熟知がゆえかもしれない。
外見とは裏腹の一面
地上波放送で言えば第7話までは、外見通りの物静かな言動の、冷静なキャラクターにも見える。
しかし10話で判明したとおり、実際は家族を遊星爆弾で、兄を戦死という形で奪ったガミラスを深く憎悪しており、異次元断層で軍使としてやってきたガミラス軍少尉メルダ・ディッツの発言に対し、激しく怒りと反感を発した。
設定背景、世界観を考えれば無理からぬ事であるが、それまでの彼女から想像もできない態度であった。
なお、出渕裕監督曰く、「南部康雄と共に旧作の古代の、激情家としての一面を担当するキャラ」ともされている。勿論、昭和原作の古代進ほどアレではないが、10話では旧作古代を彷彿とさせる行動に出てしまった。
一応は非武装の軍使としてやってきたメルダに対し、曳航ビーム切断の際、敵と断じて銃口を向けてしまったのだ。
相手が非武装なことから発砲は躊躇った。しかしこの前まで主計科士官だったとは思えないほど、激しい格闘を演じてしまい、 最終的に一応は感情を収めたが、この辺りは旧作で捕虜を刺殺しようとした古代がモチーフと思われる。
この10話を境にして、少しずつ山本玲というキャラの性格は変わっていくことになる（以下、ネタバレのため反転）。
11話では内心の葛藤を押し込めきらず、戦闘機を用いてメルダと私闘を行い、営倉入りの処分を受けている。
本来であれば飛行資格剥奪、重営倉もやむなき暴挙だが、ヤマトの航海目的と人員不足から、軽懲罰で釈放。その後、加藤と篠原からの厳罰も覚悟したが「お前が無事ってのが大切なんだ」と、許され迎え入れられた。
この時の事件を転機に、山本玲というパイロットは個人的な憎悪で戦うことはなくなった。
同じくガミラスへ個人的な憎悪を抱いていた島大介に、それとなく憎悪を解く会話も交わしており、ある意味で、メルダ・ディッツという人物との接触で、ともに成長したふたりとも言える。（以下、地上波未放送のため反転）
また、周りのクルーと打ち解けてゆくことで、緊張がほぐれてきたのか、意外とざっくばらんな性格を見せ始める。
第六章では古代進を完全に朴念仁扱い、加藤三郎をからかうなど、歳相応のイタズラっぽい側面をあらわにし、同時に航空隊副隊長の篠原弘樹とも、満更でもない親しい間柄となっている（この艦にはリア充しかいねえのか！）。
そして…戦闘力に関しては、コスモゼロに乗っていようが生身であろうが、さらに磨きがかかっている。
第16話の伊東保安部長を筆頭とした反乱行為では、動物的ともいえる危険予測で保安部から逃れ、キャットワークごしに第一艦橋クルーを拘束した保安部員に襲いかかり、見事な徒手格闘で本職の保安部員2名を昏倒させている。
戦闘機搭乗員としても第6章の七色星団決戦では、コスモゼロ単騎で多数のスヌーカ爆撃機を撃墜。
指揮官のフォムト・バーガーこそ難を逃れたが、ドメル機動部隊の爆撃隊はこれで大損害を被り、バーガーの機体のクルーをして「たった1機でここまでの損害を…」と恐怖せしめている。
ヤマト女性キャラフィギュア化第二弾、しかし…
森雪船務長に引き続き、本年8月末にメガハウスからフィギュア化されるとのことである。
完成品の写真を見る限り、映像作中の山本をかなり忠実に再現している、再現しているのだが…
どう見ても「盛っている」のである、それも盛大に、 しかも胸元のファスナーを露骨に開けてまで。
なお、誤解を招かないように記しておくと、別段山本はちっぱいキャラというわけではない。
戦闘機パイロットらしい、スレンダーな体型をしているだけであり、アニメ女性キャラとしては常識的な体型である。むしろ背筋部、脚部のラインに至っては、船務長や情報長とは違うベクトルのけしからんラインである。
だというのに何故、ここまでゼルグート級並に盛ったのか、それは造形師と購入者のみが分かることであろう。
他のヤマトガールズも次々とフィギュア化が予定されているようだが、山本でこの有様なら、まこっちゃんなどは一体どうなることか…余程の大艦巨乳主義な造形師に、恵まれたというべきなのだろうか…
ついに外伝主人公化
宇宙戦艦ヤマト2199のコミカライズは、むらかわみちお氏が行なっているが、漫画もついに外伝が開始された。
タイトルは「緋眼のエース」であり、文字通り山本玲を主人公としたストーリーである。映像本編では全てはわからなかった山本の心情、生い立ちなどが詳細に記され、異なる視点から2199を見直す興味深い内容となっている。
掲載雑誌はコミックブレイドである。しかしどうにもヤマト２199のコミカライズは、余り運に恵まれていないらしい。
本編は掲載雑誌自体が休刊となり、単行本出版は継続されるが、毎月の掲載は角川ニコニコエースに移管されてしまった。そして「緋眼のエース」も、作者体調不良により第1話からパート欠落、連載不安定化が危ぶまれている。
因みに第1話では様々なヤマトクルーの視点から、山本玲という人物を掘り下げる内容にもなっている。
現在でこそかなり色々と打ち解けた性格をしているが、その実、生まれ育ちゆえに相当に内向的な性格であり、重度のブラコンとならざるをえない境遇だったことが、詳細に描かれている。
むらかわみちお版コミックオリジナルの重い設定
（角川ニコニコエース最新話内容のため、しばらくネタバレ回避のため反転）
兄の山本明夫の死因が、アニメ原作の戦死から、暴動に巻き込まれた子供を暴徒から庇ったことになっている。
しかし軍と行政府は治安維持の名目で、明夫の死亡原因を「戦死」と公表してしまった。このことは山本玲の心に大きな歪みと傷を残してしまった。胸元のペンダントに兄の血液と遺伝子を封入するまではいい。
しかし兄の死因が暴動という事実を受け入れられず、ガミラスの手にかかって戦死したと自己暗示をかけている。
当然精神的に非常に危険な傾向であり、数少ない明夫の死因の事実を知っている加藤三郎などは「どれほど優秀なパイロットでも、ああいうやつは帰ってこなくなる」と深く憂慮している。
これはコミック版独自の設定であり、山本の相当に歪んで脆い内面の一部を、より克明に浮き立たせている。
なおアニメ版での明夫の死因は第二次火星沖海戦当時、偵察機に搭乗している際に撃墜された、正真正銘の戦死である。偽りで自我を維持している彼女が、どのように事実を受け入れ克服するかが注目されるだろう。
関連動画
関連コミュニティ
関連項目
- 宇宙戦艦ヤマト2199
- 田中理恵(担当声優)
- コスモゼロ(正式名称：零式空間52型艦上戦闘機、コールサインアルファ2)
- 古代進（山本の主計科から航空隊への転属を計らった上官、そしてコスモ朴念仁）
- 平田一（主計長、山本の最初の上官であり、転属後も「辛かったら何時でも戻っていいよ」と気遣いの人）
- マーズノイド(本人ではないが、祖父が火星出身者)
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