雁淵ひかり(かりぶち - )とは、メディアミックス作品「ワールドウィッチーズ」シリーズの登場人物である。
プロフィール
モデル
日本海軍航空隊のエースパイロットである鴛淵孝の妹、鴛淵光子。平戸高等女学校に入学し、戦後は兄の部下である山田良市と結婚した。軍に所属していたという形跡はない。
容姿・人柄・能力
茶髪のショートヘアでアホ毛が立っており、片側に緑色のヘアピンを付けている。服装は紺のセーラー服で、下に着ているのは扶桑ではおなじみの青い水練着(我々の世界で言うところのスクール水着)。
とてもポジティブシンキングで元気な性格。正義感が強く、何事も一途に頑張る努力家である。姉の孝美を尊敬しており、姉のようなウィッチになるのが夢であり目標でもある。
扶桑海軍の針尾送信所で働く父親の元に弁当を届けているのだが、走って届けるせいでいつも弁当が片側に寄ってしまっている(父親が無口なこともあり当人は全く気付いていない)。
『ストライクウィッチーズ』の主人公である宮藤芳佳とは対照的に、魔法力そのものはあまり強くなく、成績もランクFと落ちこぼれ。しかしその分、学校一とも言われる驚異的な体力と根性を持つ。「やってみなくちゃわからない」が口癖で、とにかく辛抱強いのが強み。
固有魔法は「接触魔眼」。ネウロイのコアを透視するタイプの魔眼だが、発動に対象となるネウロイとの接触を必要とするため、使用時は極端なインファイトを強いられるなど危険性も高い。
経歴
通信技師として佐世保・針尾送信所に務める父・雁淵浩平と母・竹子との間に生まれ、扶桑海軍でウィッチとして戦う雁淵孝美を姉に持つ。
「佐世保の英雄」と讃えられたウィッチである姉・孝美に憧れて佐世保航空予備学校に入学するが、持って生まれた魔法力の低さもあってあまり成績は芳しくなく、同級生の三隅美也からは落ちこぼれと蔑まれていた。それでも負けずに訓練に励み、特に姉にならって練習していたシールドを使った飛び石式の海渡りは失敗ばかりだったが、姉のようなウィッチになるためと毎日のようにトライしていた。
そんな中の1944年9月、姉・孝美が欧州に配属されることになり、さらに予備学校からも欧州へ1名派遣されることが決まったため、ひかりも美也と共に志願し適任者を決める選抜試験を行うこととなる。試験はひかりが悪天候下で持ち前の体力を見せて美也に追いすがったものの、途中不慮の事故で美也が嵐の海へ投げ出されてしまう。沈む美也を見たひかりは躊躇すること無く嵐の海へと飛び出し、これまで失敗続きだった海渡りを成功させ見事救出に成功した。
結果的に2人とも試験には落ちてしまったが、緊急時の判断と行動力が評価されたのかひかりの欧州派遣が正式に決定され、孝美はオラーシャ帝国ペテルブルグの第502統合戦闘航空団<ブレイブウィッチーズ>に、ひかりはスオムスのカウハバ基地に配属されることになる。しかし目的地直前で乗っていた艦隊がネウロイの攻撃を受け、孝美も重傷を負って後送を余儀なくされてしまう。それを見たひかりは、せめて少しでも代わりになればと502JFW入りを望み、ひとまず502JFWに受け入れられることとなった。
<ブレイブウィッチーズ>での戦いの中で、きわめて貴重な接触魔眼の発現が判明。1945年春にはフレイアー作戦に参加し、ペテルブルグを脅かすネウロイの巣“グリゴーリ”のコアを破壊する最後の一撃を与える大功を挙げている。
交友関係
雁淵孝美は大好きな姉であると同時に、ウィッチとしての憧れの対象でもある。孝美もひかりのことをとても可愛がっており、姉妹仲は非常に良好と言える。
管野直枝からは当初戦力にならないと突き放されていたが、諦めずに強くなろうと努力を続けるひかりの姿が彼女の心を動かし、徐々に受け入れられていく。やがてひかりは弱気を見せる直枝を叱咤し奮起させるほどに成長し、直枝からも対等な相棒と認められるようになった。
ニッカ・エドワーディン・カタヤイネンは入隊当初からひかりに優しく接していた数少ない人物であり、墜落した彼女を「同じ部隊の仲間と言ってくれたから」とひかりが救助に向かったことが、結果として部隊に留まる契機にもなっている。
作中ではひかり・直枝・ニパの3人組で行動することが比較的多く、後にヴァルトルート・クルピンスキーも含めた「ブレイクウィッチーズ」にひかりも加えられることになった(本来は皮肉を込めた呼び名なのだが、ひかりは仲間に加われたことを喜んでいた)。
エディータ・ロスマンは未熟なひかりを鍛え上げ、前線で戦えるまでに成長させた恩師である。姉のようなウィッチになることを目指していたひかりに対し、ロスマンは「あなたは姉のようにはなれない」と断言した上で少ない魔法力の効率的な運用方法を教え、「あなたはあなたになりなさい」とひかりにウィッチとしての道を指し示した。
登場
待望の新作アニメ『ブレイブウィッチーズ』の主人公として発表されたキャラクターが雁淵ひかりである。『ストライクウィッチーズO.V.A.』vol.3「アルンヘムの橋」の劇場公開3週目(2015年5月16日~)より挿入された緊急告知内で1カットのみ登場したのが初公開で、その後2016年2月7日開催の「ストライクウィッチーズ みんなの想いでデキること!」で正式に名前や設定、主人公であることが告知された。
その後、『ブレイブウィッチーズ』放送にあわせてイラストコラム「ワールドウィッチーズ」などでも紹介され、コミック『ワールドウィッチーズ 魔女たちの航跡雲』西沢義子編にも登場している。なお、公開は『ブレイブウィッチーズ』前だが作中時系列では『ブレイブウィッチーズ』後である『ストライクウィッチーズ劇場版』で502JFWメンバーの勢揃いしたシーンにいなかったことについては、当時ちょうど任務で外出中だったことが「ラジオワールドウィッチーズ」などで補足されている。
アニメ『ストライクウィッチーズ ROAD to BERLIN』第11話では、隊長グンドュラ・ラルに随行して西部方面統合軍総司令部を尋ねており、偶然宮藤芳佳とすれ違っている。芳佳は負傷した姉を治療した恩人ではあるが、ひかりは新聞の写真の端に映り込んだ姿程度でしか芳佳を見たことがなく「どっかで見たような」という感想に留まった(芳佳のほうは孝美を治療した際に502JFWについての新聞記事の写真でひかりの外見を認知しているが、このときはひかりの存在自体に気づかなかった)。
『ブレイブウィッチーズ』主人公としての雁淵ひかり
『ストライクウィッチーズ』主人公である宮藤芳佳と同じくまっすぐで明るい性分ではあるが、芳佳が莫大な魔法力を有する才能の塊であるのに対し、ひかりは魔法力が低く才能にも恵まれない、けれども体力と根性だけは人一倍と、ウィッチとしては全く正反対のキャラクターといえる。スカウトされた芳佳に対し、正規の軍学校に通っている点でも芳佳とは対照的。
そんなひかりが一話で訓練飛行にも苦労している様子は、初飛行初発艦初実戦だった芳佳を演じる福圓美里氏にも「飛ぶのってあんなに難しかったんだ……」という芳佳そのまんまの感想を受けたほど。
2話では、502JFWの面々に全く戦力にならないと酷評され、「死ぬかもしれない」とまで言われてなお「死ぬまででいいから入れてください!」ときっぱり宣言するなど、無力を自覚しつつもなお足掻こうという意思を強く見せた。その後も、能力不足から一度ならず扶桑への帰還を勧められながらも、意地と根性でもって徐々に502JFWに地歩を固めていくこととなる。
関連動画
関連項目
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