ニコニコ大百科

ストーリーは単純だけど、この映画情報量多くて、難しかったわ
頭が情報の処理で精一杯で、泣く余裕がなかったのは俺だけかな？

ネット上に散見する日常からの切り口でいままでの残酷さを強調する戦争ものと違うというのにひかれてみたけど
正直映画は今まで見たどんな戦争映画より恐ろしかった。
上のようなものにたいして本当にその触れ込みでいいのかと疑問がわく。
なんで上のようなで宣伝されていたか調べてみたけど、原作の漫画見てみるとわかったわ。確かに上のような感想に自分もなった。恐怖ですくみ上ることもなかったしボロボロ泣くこともなかった。
映画は映画としてのクオリティーが極めすぎて別物になっている感じがある。

http://d.hatena.ne.jp/kamiyakenkyujo/touch/20161211/1481467922
その点についてはこういう評論があった
この作品は一度に観客の脳にぶっ込んでくる情報量の多さ故に常人では一度見ただけではフィルムの上の内容全てを読み取れず
人によって感想がすごく変わってきちゃうのよね、だから>>212のいうこともよく分かる
人間、強すぎる刺激には脳がストップかけちゃう面もあるしね

ことごとくが、今までの戦争について描いた作品の隅っこにちらちら写りこんでいたはずのものに、フォーカスしようとしてるので、いままでの戦争ものに対するアンチイテーゼや後継作ではなく、いままでの作品を補完してくれる作品だと思うようになった

やっぱり原爆の中央にあった光景ではなく、よそから見た原爆の光景って、すげー新鮮な描写だと思うし、数で言えば今までの映画では脇役だったそっちの人数のほうが多かったんだよな

原爆被害についてはあまり印象に残らないように描いてあるけど、実際は（個人的に）満点近いレベルでエピソードが描きこんであるんで、そういう目線で読むと改めてゾッとする
（夕凪の街読んでたせいかもしれんが）
・背景で展開される刈谷さんの息子の一連のエピソード
・広島に救援活動に向かった知多さんや伯父さんの体調不良
・原爆投下の朝に出かけて行方不明になった母
・被曝後、亡くなった父。倒れた妹
・留守の家で雨風をしのぐ孤児の兄弟
・呉の空襲後のすみちゃんとの会話や孤児の子の回想で出てくる「安全な広島」像
コマに出てくるのは北條家や草津の親戚とか元気に生きている人だけだから勘違いしそうになるけど、すずさん自身も結構ハードな境遇
作中の主要登場人物だけでもすずさんより境遇の良い人も悪い人もたくさん出てくるため相対的な見直しがしやすいのもあって何度も読み直してしまう
事実だけは良い事も悪い事も淡々と描き記してあるから、描かれない背後の情景がこちらの意思次第でいかようにも再現できると思う

片隅→海賊男でセットで観ると時代の流れが感じられそうだからそれで予定組んでみようかな

久々に戦争映画らしい戦争映画見れた。良かった。
文句があるとすれば上映館が近くにないことぐらい。
2回目見たいけど片道1時間半はなぁ・・・

戦時下という強烈な非日常において何とか日常を楽しもうとするお話
フォークルの「悲しくてやりきれない」を主題歌に持ってきたのと
すず役にのんさんを連れてきた時点で傑作になること確定したようなもの
映画代で1800円を高いと思わなかったのは久しぶりだわ

予告トレーラーは堂々とネタバレ写してる残念なタイプなので、未見の人は予告観ずに行こう
てかそうじゃなくても海外版のが良い感じなのが勿体無いんよなぁ
無理に台詞挟まなくても映像で伝わるんだから

>>217
俺は革新的な意味で（ただ知らないだけかもしれんが）戦争映画らしくない戦争映画だと思ったな
すずさんという個人の物語で、たまたまその時に世界の大きい所でドンパチやってただけというか
むしろもしかしたら戦争映画じゃないのでは？という気すらしてくる、ええ流石にこれは錯覚ですが

戦争映画、のはずなのに「戦争が主題じゃない」
「すずという人間が人生のうちに見た・聞いた・感じた、その一つが戦争」なんだろうなと

そういえば玉音放送を聞いた後にすずさんが泣き崩れるシーンのセリフなんで変えちゃったのかな？
お気に入りのセリフだったからそこだけ残念だった

大方見尽くしただろうと思ってお布施のつもりでまた見に行ったらまだまだ気がついてないところがいろいろあった。何度見ても映画の中に世界に入れてしまう。

・最初の座敷わらしシーン、服は子供三人の着物の切れ端で出来ている
・隣組初登場シーンで”北条さ～ん”と3回呼ばれたときにすずがあっと気づいたような感じで反応する。（まだ北条姓を自覚していない　重要なのにあまりにもさり気なく出てくる描写）
・”すずさんの頭に墨ぬったる”→径子が家を出て働きに行ったのはこのシーンですずを追い詰めていたことを初めて知り、反省したため。さらに墨を塗って隠すという行為は空襲が本格化してからの民家の壁が目立たないようにドス黒く塗られることの暗喩
・終戦の日、泣き崩れるすずがカボチャの花を見てはっとする→セリフが原作から変更されていることが取り上げられているがその直後のシーンのほうが大胆に変更されている。
原作だとここでいきなり”アレ”が出てくるが映画版では焼夷弾で焼かれて荒れ果てた畑からカボチャが負けじと立ち直って花を咲かせている様子が映る。カボチャは蔓植物なので生命力が異様に強く、部分的な欠損程度では死なない。これ以後のシーンでも少しずつ土から作物が育っている様子があちこちに移りこんでおり、災厄を乗り越えた庶民たちによる復興を予感させている。
・最後に広島の橋の上で周作と話すシーン、互いの服装が子供時代に彼らが出会ったときの様相にとても似ている。（そこに例の人や子供を似せた砂利船が交錯する。出来事は季節のように繰り返す）
・ラストの一家団欒、室内にはカーテンが施され暖かみのある内装に
・クラウドファウンディング参加者一覧、リンが喫茶店でウエハーの乗ったアイスを食べている。その背後には見覚えのある二人が後ろにすわっている。
・片渕監督カンペチラ見

本編に30分追加するとしたらリンとの会話、冬の遊郭、花見、枕崎台風の4シーンが妥当なところかな？

見終わるまで涙は流れなかった。
でも売店でサントラ買おうとして一声発した瞬間涙があふれかえってマジ焦った。
こんな体験初めてだわ。

>>221
監督の歴史考証の結果、すずさんみたいな普通の主婦があの時点であの感想持つのは無理だという結論に至ったんだそうな。で、「将来的にすずさんが原作で描かれた認識に至るという前提で」あの時点で彼女が持ち得た認識を持ってきた、という次第。
とにかく変更点に関しては理詰めで考えてる監督なので、原作と違うとこはどれもこれも監督がはっきりと理由持ってやってることなのよ。

パイロット版製作のクラウドファンディング出資してほんとうによかった。あとは削られた30分を追加した完全版が早く出るように友人誘って見に行くべ。

昨日見たんだけど、ある種の不条理に対して、逞しく立ち向かう……というよりは明日を信じて耐えるすずの姿が(この我慢の結末=敗戦を知っている現代人からしたら)途中から既に痛々しくて、実際敗戦を知った時の慟哭が胸に刺さって、それでも進んでいく日常と、自分の思いや思い出を胸に前に進む姿がすっげえ心に来た。んでどうしてこの世界の片隅「に」なのかも分かった

てか今年は、「不条理」に対してシン・ゴジラ、君の名は。、この世界の片隅に、ってそれぞれ全く別の回答が現れてるんだからすげえ一年だったなぁ

「ユリイカ」のインタビューでこうの史代本人が語っていたけど、こうのの同作「夕凪の街 桜の国」への一種のアンチ・テーゼでもあるらしい。

「夕凪の街 桜の国」もユーモアのある日常が描かれるが、そこに生きる人間はみんな戦争という過去を引きづり続け「死」と隣り合わせのような感じで、前向きに生きようとすればするほど苦しむ日々。

一方で「この世界の片隅に」は戦争とは無縁な平和な日常から始まる。やがてその日常を戦争という時代が蝕んでいくが、それを乗り越えて平和な日常に戻っていく、みんなで笑い合える日々が戻って来るだろうと信じて生きる前向きな明るさがある。

映画に感動して漫画の方も買ってね、台風の話は笑いながら泣いた。女性陣の逞しさに増々惚れた。

リンさんの話も複雑だけどええなあー、ええんやで生きてうんとぜいたくしても…なんでや、なんでなんや…リンさん…

でエッセイ集「平凡倶楽部」を読むと、戦争なんて嫌いだし、「夕凪の街」も編集部に描け描け言われて半ば嫌々で描いていたそうだ。そりゃあこういう題材は好きでやりたくもないわな。

それで世間じゃお浪頂戴作家みたいに言われるのにハラが立ち(元々ほのぼの&時々ホラーのようにヒヤッとさせる話でやってきたのに)、その時代に生きていた人々の“生”にひたすら寄り添う「この世界の片隅に」を描くのに至ったとか。
美男美女が残虐にお可哀想に死ぬとこを見たい人はさぞかしがっかりしただろうとか、物凄いぶっちゃけてたなあｗｗ

>美男美女が残虐にお可哀想に死ぬとこを見たい人はさぞかしがっかりしただろうとか、物凄いぶっちゃけてたなあｗｗ

いいなぁｗ。今は戦争の残額な面は動画やニュースあさったら見る事が出来る時代でもあるしね。現在進行形でやってるんだから。
それ故、あまり取り上げられることがない、戦時下の普通の人々を当時の視点でもって
描いたことが、見た人の感心を呼んだのかもしれない

7,8年前、「漫画　名作」とググッて出た、何かのランキングで『夕凪の街 桜の国』が1位になってて購読したんだが、正直言ってその時は全くピンと来なかった
勿論深い漫画で、それ以上にオンリーワンの漫画だなってのは理解できたが
まぁランキングなんてそんなもんだなと思うだけで、その時は終わった

そして夕凪の街も、こうの史代もすっかり忘れてた時に、この映画がドカーンと現れた
友人に「前前からこの原作者の人のファンでね～」とかのたまってしまった俺を許してください

エンディングの最後のところで、径子、すずさん、孤児の三人が同じ柄の服を仕立てて着ているのすごく良いよね。
晴美の服も肩の部分とスカートの裾を直して着ていたりして、一家として迎え入れられたんだなぁっていうのが感じられるのもまた素晴らしい。

山梨と鳥取だけ…公開してる映画館ありません(´・ω・｀)
どっちが先に公開されるんだろう…。

俺は山梨県で、新宿の映画館でみたけど
普通に良かった。１８００円以上の価値がある作品だった。
非常に感慨深い作品だった。

ただ、同じように戦時中の日常の作品の
火垂るの墓だとか、うしろの正面だあれ（マニアック？）と同じくらい完成度が高い。
感慨深かった。

上手く言えないんだけど俺戦争映画って好きじゃなかったんだよな
何故かっていうと
「あの時代を生きた祖父母を馬鹿にされてる」
って気持ちが強くてさ…
なんかこう…現代人の視点で「あの時代を生きてた人達は愚かであった」って言われてるみたいでなんかイライラして

でもこの映画ってそうじゃなかったんだよな…
なんだろう…本当に言葉が出てこない
うちの祖父母もきっとああだったのだろうと素直に思えたっていうか…

聖地巡礼したいけど駅から三蔵遠すぎなんだよあ
江波のほうがロケ地が小規模な範囲に集まってて回りやすい

少しも泣けなかった
感動作というもんだから「いつもの」戦争の悲惨さをイメージして所々で泣こうとするも全部すかされ最後にクスッと笑う
上映後にモヤモヤした気持ちを整理すると本質にちょっと気付いてウルっとくる

驚いたのは映画の内容を自分の過去のように思い出せたこと
まるで自分も呉の道端で突っ立ってすずたちを見ていたような…凄い体験をした

さて、キネマ旬報2016日本映画ベスト10の堂々一位
監督賞も獲得と今夜は白米飯だな！

>>235
昨日監督から北條家や畑のモデルとなった地域への巡礼はやめて欲しいとお願いがあったな
ガルパンの大洗とかと違って完全など田舎住宅街なので地元民にとってメリット皆無だろうし…これで行く人増えたらとんでもないことになるところだった

ユリイカも買っちゃったよ…
色んな視点から物語が見れてすごい充実感
もう一回観に行こうかな

どうでもいいけど、呉って観光地って割には坂が多くて足には優しくないのよね

今日の「クローズアップ現代」で特集として取り上げられていたから観たけど
劇中の色々なシーンがけっこう流れていて、「えっ、そこも見せちゃうの」という部分もあった
可能なら映画館に行ったあとの振り返りとして観たほうが良い感じの番組作りだったかも

今までの戦争映画で戦時の人たちに向けられていたのは
哀れみや侮蔑だったと思うんだよね
どこか愚かな人々が悲惨な目にあうっていう構図が作られていた
この映画では等身大の人たちが出てきて喜びや悲しみを共有できて
いろいろなことを同情できる